さて、久々入荷の一台ご紹介
ニコンF5 50周年記念モデル!
先日、ニコン100周年という事で「記念モデル」が発売されましたが、今をさかのぼる事19年前に日本国内2000台限定、海外1000台限定で発売されたのがこのモデル。
何の50周年か・・・もともと第一次世界大戦後ドイツから優秀な光学機器が入手出来なくなり「光学機器、光学兵器の国産化」を目指して1917年に主に海軍系の光学兵器開発を行う「軍需企業」(ちなみに陸軍は当所自前の砲兵工廠で開発しており、後に東京光学今の「トプコン」が同じく陸軍向け「軍需企業」として1930年代に生まれました。)
ごく僅かに「ミクロン」に代表される双眼鏡や眼鏡用レンズを生産していたのですが、戦後すぐにその「軍需」の点から操業停止、役員始め中枢となる職員の公職追放、そして・・・GHQによって工場施設始め研究施設などが厳しい監視下に置かれるという厳しい状況に置かれてしまいました。
そんな中、「民需」をやらねば明日から食べて行けない!!とすぐに「民需」に応えられる製品という事で1945年に決められたのが戦前から生産していた「双眼鏡」「眼鏡用レンズ」そして・・・「カメラ」。
写真用レンズは戦前から作っており、航空測量、偵察用「アエロ・ニッコール」やキヤノン初代の「カンノンカメラ」や「戦前型」にはニッコールが搭載されていたのですが、カメラ本体は初めて。
とは言いながらも、カメラのノウハウは写真用レンズを生産する以上持っており、工作機械や工場も流用出来るとあって2眼レフとレンズ交換式35mm高級カメラの2機種に絞られるのですが、「レンズ交換式のほうが、多くの種類のレンズを販売出来る」とレンズ交換式の開発が決められ、翌年には「ニコン」とカメラ名も決定し1948年に「ニコンカメラ」が発売となり、今に繋がります。
少し脱線しますが、この「ニコンカメラ」という名前でまえだ先ほどから呼んでおりますが、「ニコンI型」と違うのか?と思われている方も多いのでは。
こに「ニコンI型」という名前、後世につけられた名前で本当の名前は「ニコンカメラ」。
それが証拠にこのニコンカメラのS型に至るまでの元箱や保証書には「Nikon CAMERA」とだけ記されており、「Nikon S○○」というモデルネームが正式に付与されるのはS2から。
んじゃあ、「Sまでは同じモデルなのか?」となれば、その通りで資料によるとニコンカメラの設計書は3モデル全て設計指図書「6FB」で共通になっており、Mは「ニコンカメラのコマ送り改良型」でモデファイのM、「ニコンカメラの改良型にシンクロを追加」でシンクロのSという事となっておりました。
長々と脱線してしまいましたが、50周年というのは1948年「ニコンカメラ」発売から50年の節目という事で、ペンタカバー部の「Nikon」ロゴを当時の書体で刻印したり、本体背面に「Nippon Kogaku」の旧社章通称「富士山マーク」を配したりとしておりますが、特徴はボディーカラー。
通常黒のトップカバーをチタンシルバーに、グリップラバーの赤部分をグレーに変更と、先日発売された100周年モデルにも近い仕上げ。
あっ、この限定モデル用で用意された化粧箱とワイドストラップも付属しております。
ニコンカメラの節目となったこのモデル、ニコンファンの皆様いかがでしょう。
お値段税込89800円です
神戸元町 まえだ