葵祭までの特価です

写真の万年筆はペリカン万年筆の蒔絵「源氏絵巻 光源氏」と「葵の上」で、M1000をベースに蒔絵装飾を施した限定生産品です(世界限定60セット、税別価格160万円)。レモン社の中古品の中でも際立って希少な逸品です。銀座店店頭で4/6現在各37万円で販売中ですが…やはり夫婦物なのでセットでお求めいただきたいと思います。 5月15日には京都で葵祭が行われますので、5月15日までの期間、セット特別価格68万円で販売させていただきます。 何で葵祭まで?と云いますと… 実のところ、「葵の上」と云うのは登場人物の実名ではなく、葵祭のシーンで大きく取り上げられた女性(源氏の嫁1号)に対し後世の源氏ファンが奉ったニックネームのようなものです。 光源氏の元服⇒そのまま結婚となった最初の正妻、この嫁1号にちなみ、葵祭までとさせていただきます。 そもそも「源氏物語」の登場人物で実名表記されている人物はほとんどおらず(咄嗟に思いつくのは源氏の腹心の家来「藤原惟光」くらいです…)、「葵の上」の兄であり光源氏のライバルにして親友の人物「頭の中将」などはなかなかに登場頻度が高いのですが、立身とともに出世魚のように呼称が変わっていく有り様です。登場する印象的な女性たち「空蝉」「夕顔」「末摘花」「花散里」等々、みな彼女達を決定的に印象付ける出来事・歌からつけられた愛称です。 西洋文化が徹底された社会では名前を公表するのが当たり前となっているようですが、日本を含めたアジア圏ではむしろ本名を隠すような習俗がありました。紫式部、清少納言、赤染衛門等々素晴らしい業績を残した女性達の実名が現代では今一つはっきりとしないのもこんな文化の名残かと… さて「葵の上」さんに話を戻しますと。葵祭の見物に車で(牛車。牛のエンブレムはありません)出かけた折、場所取りで他の車と喧嘩になってしまい、「葵の上」の家来が相手の車をボッコボコにしてしまうのですが、実はこの喧嘩の相手が光源氏の愛人「六条御息所」の車でした。公衆の面前で正妻と愛人の対決となってしまったわけですね… 写真手前の万年筆のキャップ部分に車輪らしきモノが見えると思いますが、そう考えるとなかなかに物騒な造形ですかね… この喧嘩の負け方「六条御息所」の恥辱は計り知れないものがあり、その後生霊となって「葵の上」に憑き、最終的には「葵の上」の死へと繋がります。この辺のくだりは後に各種文芸・能等にも採取され、いつの間にか「六条御息所は嫉妬に狂った恐ろしい女」と扱われている事もありますが、ご本人は聡明で学芸にも秀でた、「ちょっと年上のひと」なのです。恐い、と云うよりも哀しい人と捉えるべきでしょう。 ところで、「源氏物語」の愛読者であれば、何故に「紫の上」をモチーフにした万年筆にしなかったのか?と疑問に思う方も多いでしょうね。こんなところでも正妻が幅を利かせるんでしょうかね? レモン社銀座店 中央区銀座4-2-1 銀座教会堂ビル8F TEL:03-3567-3131 月~土/11:00~20:00 日・祝/11:00~17:00