Nikon レモン社 銀座教会店

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-EDレビュー

今回使用したNikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-EDは1993年12月の登場と云う、現行製品としてはかなり古い世代のレンズです。
マクロ撮影ではMFを多用する方も多いと思いますが、それでも「そろそろAF-Sになった方がもっと使い易くなるなぁ」とか感じましたし、「ちょっと逆行に弱いかな・・・ナノクリまだぁ?」とも感じる事がしばしばでした。

そうそう、VRも欲しいかなーとは云え、この焦点域のマクロ撮影では極端にピントが浅くなるので、後継機は大口径F2.8なんてしなくてもOK、なるべくコンパクトにして欲しいものです・・・
今回のボディはD600、ISO設定は殆ど400~800の範囲で撮影しました。レンズ本体は・・・実はレモン社銀座店在庫の中古品です!

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F7.1AE 秋の空蝉

10月に入り、蝉の声も細々とツクツク法師が鳴くばかりとなりました。今回撮影に出向いた先は、相も変わらず多摩川台公園。9月半ばまで残っていた睡蓮も終わり、9月末には花の数もめっきりと減り・・・今日は更に減っていました。残り少なくなった花々に、蝶やハチが夢中になって取り付いていました。
ところで、上の写真。葉ばかりになった紫陽花の裏に貼り付いていた空蝉、先月からず~っと残ってるんですよね・・・

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F6.3AE DXモード 近寄れない時はためらわずにクロップします。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F7.1AE DXモード 時々、複数のツチバチが一輪の花に群がってたりします。

F7.1ですがかなり寄っている上に後ろとの距離があり、背景が完全に溶けています。

200mmと云う焦点距離、近寄り難い被写体に好適等と云われる事がありますが、実は一長一短と感じました。私のように草むらに顔を突っ込んで撮影するような人間にとって、被写体との距離を取ると手前の草花が邪魔になる、なんて事も多々ありまして・・・実のところ、ボケ味を別とすれば、60mmマクロ(クロップかけて)でも上の写真と同じような大きさでハチを撮る事も可能です。花を掻き分けて、寄れば良いんです。また、同じF値でハチ全体をシャープに写せます。200mmですとピントの範囲、ギリギリなんですよね。

もっとも、ハチに近寄ると云う行為は全て自己責任において行われるのですが・・・基本的に私が撮影するのは温厚な方たちではありますが、なるべくハチの邪魔にならないように撮影しています、はい。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F7.1AE FXモード すっかり花粉まみれです。

描写は上々ですが、羽の先、もうピントが外れてます。趣味ならこれでもOKですが、研究用途の撮影ならば大幅に感度を上げるか、「マクロリングライト」で絞りを稼ぎたくなるかも知れませんね。テストなので今回はMF・AFいずれも使いますが、結構ピントを外す事もあります。そもそも。MF/AFの切り替えリングの操作がちょっと鬱陶しいかもしれないですね。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F7.1AE FXモード

少ない花を巡って、虫たちの間で陣取り合戦みたいな事がしばしば発生していました。上のクマバチさん、クロアゲハにあっさりと追い立てられていました・・・

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F6.3AE FXモード ヒョウモンチョウ  これだけうちの近所で朝一番の撮影

深まる秋の気配に、皆様忙しそうです・・・と思ってたら。オオスズメバチがやってきたんです!と云うか、気がつけば撮影に没頭していた私のすぐ前にいまして・・・ツチバチさんを捕食していました。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F7.1AE DXモード ブレてます。興奮の為、感度を上げてシャッター速度を上げるのを忘れてました。

部分拡大すると・・・しかしブレ写真拡大するの、恥ずかしいですね。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

ツチバチが針を出して反撃しています。しかし、抵抗は無駄でした・・・

一気に心拍数が上がっていました・・・うん、流石に60mmマクロでオオスズメバチに接近する度胸は無いですね。

多分2分もしないうちに、オオスズメバチは獲物を抱えて去って行きました。しばし放心状態の私でしたが、さらに5分程経つと、再びオオスズメバチがやってきました!先ほど去って行った方向から来たので、巣が近くにあるねしょうかね。まずは待避しときましょう。水性植物エリアへ移動します。

多少なりともビクついていた私を驚かせたのは、すぐ脇を飛んで行くトンボ達でした。かなりの数で群れていて、うっかり者が私にぶつかるくらいのトンボ密度です。しかし200mmマイクロでは群れの撮影は厳しいですねぇ!コンデジでも持ってくれば良かったかな。まずはトンボ写真の乱れ撃ち です。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

ちょっとだけ距離があったのでF5.6AE、背景もボカせました。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F7.1AE FXモード

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

ちょっと場所を変えたところにいたトンボが素敵なポーズをきめてました。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F7.1AE DXモード    見る見る急角度に移行していきます。

ちょと得意げだったので「シャチホコかっ!」と突っ込んでおきました。
お次はNikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-EDの最短撮影距離付近での撮影。
改めて、FX/DXモードの比較をば。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F10AE FXモード こちらの意図を察したのか、ピクリとも動きません。

MFモードで最短距離から少し戻した辺りに設定して、身体ごと動かして目星をつけて、それからピント調整を・・・その間じっと待っててくれたトンボさん、ありがとうございます。
そしてDXモード。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

同じくF10AE DXモード

元画像では複眼のハニカム構造がくっきりと解りますが、流石に50cm程度の撮影距離ではピントが薄いですね・・・

木道沿いに撮影を続けます。水面に落ちた枯葉に目を留めると・・・小さなクモさんが乗っていました。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F10AE DXモード ここまで絞ってもピントが薄い!

元画像ではそれぞれの脚に生えるトゲトゲがはっきり解像されています。
このクモさんが水性なのか、陸に上がりたくて途方に暮れているのかが判りませんので、放置としました・・・

池端の岩でカエルさん発見。先日見かけた時は逃げられてしまったので、今日は慎重に距離を詰めて・・・

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F7.1AE DXモード 距離約1.5m。これ以上距離を詰めたら逃げられました。

カエルの面に何とか等と云いますが、この方はあの葉っぱが気にならないのでしょうか・・・匂い嗅いでるんでしょうか?
この日も日中の気温は25℃まで上がりました。気持ちよさそうに見えましたが、変温動物さん的には朝晩がそろそろ辛くなってくるんでしょうかね・・・

スナップ撮影には少し長いですが、ちょっと「近接」以外の撮影も。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F7.1AE FXモード

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED

F8AE DXモード

桜の葉はそろそろ色着き始めていました。
”いつのまに もみじしぬらむ山さくら 昨日か花の散るを惜しみし” (新古今和歌集・具平親王)
秋本番、もうすぐです。楽しく写真を撮る為にも、皆様風邪等にお気をつけ下さい。

Nikon AF Micro-Nikkor200mmF4D IF-ED
レンズ構成:8群13枚
最短撮影距離:50cm
最大撮影倍率:等倍
フィルターサイズ:φ62mm
寸法:76x193mm
重量:1190g
三脚座付属

担当:松浦

 

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