今回はフォーサーズレンズ「ZUIKO DIGITAL 25mmF2.8」をMMF-2アダプタでE-M1に装着してみました。
さして物持ちでも無い私なので、これでオリンパスの私物流用レビューも最期です・・・
ZUIKO DIGITAL 25mmF2.8はF値を2.8に抑えている分、所謂パンケーキレンズと呼ばれる大変薄々コンパクトにまとまったレンズです。マウント面からの長さはマイクロフォーサーズ用レンズのM.ZUIKO DIGITAL?17mmF2.8とかED14-42mmEZ(沈胴状態)と殆ど同じです・・・が、MMF-2を装着しますとM.ZUIKO DIGITAL25mmF1.8と同じような長さになってしまいます。これはフランジバックの長さの問題なので、如何ともし難いですね。
マイクロフォーサーズ規格の単焦点標準レンズは開放F値が1.8とか1.4。この1段強~2段の差をどうしましょう?と思いつつ、今日もレモン社を後にしました。
まずはZUIKO DIGITAL 25mmF2.8の近接・開放での撮影を。画面中ほど、やや左下の花に合焦。
それなりにはボケますね。AFの作動感は「よっしゃ、こ~い!」っぽいリズムです。この「こ~い!」の所でジワジワっと極めに入る感覚です・・・例え方、間違えてますかね・・・
ちなみに今度は某マイクロフォーサーズ用標準レンズでの開放を。
・・・当然ですが、背後の溶け方が大きく違いました。較べてしまうと、ZUIKO DIGITAL 25mmF2.8の背景はちょっと輪郭がウルサイですね。とは云え、某標準レンズは当然ながら被写界深度が浅い為、中央やや上の花がすでにアウトフォーカスです。
も少し背景との距離を取ってみます。
で、また某標準レンズ開放で。
当たり前過ぎるんですが、単純にボケ勝負ならばやはりZUIKO DIGITAL 25mmF2.8の負け。
なのですが、ここは「表現意図次第」って事で考えると・・・はい、褒めるのにちょっとだけ苦労していますが・・・ええっと、ボカして浮き立たせる効果なら大口径、こちらはある程度背後も見せる程度のボケに抑えて・・・ドキュメントっぽいスタンスで・・・って事でどうでしょう?
さらに寄った時の質感描写は。
そして某標準レンズ。
これまた当たり前の話なんですがZUIKO DIGITAL 25mmF2.8の方がメイン被写体をしっかりと描写してくれています。
比較と云いながら、うっかり「同じF値で撮る」のを忘れるなんてポカミスをやってしまった事は伏せておきますが、比較に使った某レンズ、開放側だと緩い傾向(ピンはちゃんと出ます)、5.6以上でキッチリ真面目な描写、と云うのが普段使っている時の印象です。が、F5.6まで絞って「使えない単焦点レンズ」ってマイクロフォーサーズにはありませんからねぇ・・・
そうそう、今回お邪魔したのは増上寺さんです。裏手から入ったもので、順番的に水子地蔵様の写真から始まってしまいましたが、一般的な観光ルートではこちらのアングルが先に目に入ります。日本人のみならずアジア・中東・欧米の観光の方、御信心の方、散歩のサラリーマン風・・・等々の方々が大勢でした。
標準レンズながらそこは焦点距離「25mm」です、F8で充分被写界深度を稼いでくれました。
叫べば声が伝わりそうな距離に東京タワー。戦後ニホンの希望の証であった電波塔。
ところで「塔」って、そもそも仏舎利や聖遺物を納めた塚や構造物を意味していたようでして、そんな意味でも増上寺に東京タワーはよく似合うかと。コミック「聖☆おにいさん」でも、ブッダが東京タワーを自分のお墓と思ってたなんて話がありましたっけ。
本堂裏手の茶室、貞恭庵の入り口で。普段は公開されておりませんので、雰囲気だけ。時々一般公開しており、お茶をいただけるようです(有料)。
特にはボケを意識してない写真ですが、メインと背後の露出差でもある程度は画面の整理ができますので、入門用キットレンズをお使いの初心者さんも、背景の取り方を変えて撮って見ると面白いと思います。
本堂脇には西向観音様。背後から見ると多分南を向いてらっしゃる・・・
なんて不信心な事を申しましたが、この写真の右手にお堂がございまして、そちらにおわす観音様はきちんと西を向いておられます。西方浄土をご覧になられてるんですかね?
位置として、私の背後に先ほどの水子地蔵様達がおわします。
元画像で見ると、合焦部の文字がキッチリ鮮明に読めます。こういった著名な所では、おみくじも海外の方に配慮されてるんですね。ちなみに私は25歳の冬、おみくじを結ぼうとしたらぶっちぎれた事がありまして、以降おみくじ恐怖症となっております。
少し歩いて、東京タワー脇の緑地で。
他の追随を許さぬ描写力、なんてものはありませんが開放からしっかり描写してくれて、色乗りも変な癖が無く素直な仕事をする、と云う事が改めて実感されたZUIKO DIGITAL 25mmF2.8です。
絶滅危惧種となったフォーサーズ機ですが、もしお手元にボディをお持ちで、永く使いたいとお考えの方には是非オススメしたい「上出来な」普段着レンズです。
オリンパス ZUIKO DIGITAL 25mmF2.8
レンズ構成:4群5枚
絞り構成:7枚羽根・円形絞り
最短撮影距離:0.2m
フィルター径:φ43mm
寸法:φ64x23.5mm
重量:95g
個人的に指摘する欠点
①ネジ込み式のレンズキャップはとても恰好良いんですが、実用としてはとにかく面倒臭い!
②最近のM.ズイコーシリーズと較べると、ややフレアが出やすいように感じる。
③なんでフォーサーズ機もう出さないんですか・・・