1977年、開放絞りでの夜間撮影を目的に作られた、Nocturne(夜想曲)からその名をとったといわれるニコンNoct Nikkor 58mm F1.2が発売されました。
そして2013年10月31日、現代のノクトとしてAF-S Nikkor 58mm f/1.4Gが発売されています。
レンズの設計は、レンズが明るくなればなるほど収差の補正が困難であり、広角化・大口径化するほど著しく発生するサジタルコマフレアの発生がレンズ設計の大きな課題となり、とりわけ大口径化がメーカーの技術力の高さの指標となっていました。
※サジタルコマフレアとは画像同心円方向に広がるコマ収差で画像のコントラスト低下を及ぼします
サジタルコマフレアによるコントラストの低下は、日中の順光では目立ちませんが、被写体が点像で、コントラストの高い夜景や天体の撮影に限っては非常に目立ってしまうようです。
その問題解決としての回答が、ノクトニッコールだったのです。
フレアを抑えたレンズなので、フレアによるフワッとした柔らかい、トロトロな絵がお好みなら、AI Nikkor 50mm F1.2Sの方が適しています。ポートレートも同様かと思います。