世に云う「キットレンズ」であるニコンAF-S DX NIKKOR 18-55mmf3.5-5.6G VRⅡは前モデルより手ブレ補正能力が向上しているようですが、生き様ブレまくりの私が使っても本当にブレないのか?今回はそんな感じのレビューです。
ボディはD7100。まずは慣らしがてら……。
人混みの中で三脚を立てるなんて迷惑なので(三脚持ち歩くのがウザいので)当然今回、全て手持ちなのですが……。
拡大しますと、極く僅かにブレていながらも「井の頭線」の文字がクッキリ読める仕上がりでした。
広角端とは云えまさか、1/3秒でここまでやれるとは……。
レンズの作りは……まぁ、プラマウントで極々軽量ってタイプですが……。
それでも、惜しげもなく「最悪壊れたって構わんぞ」位の積もりで持ち歩けるレンズって、結構色んなチャンスに出会えると思います。
背景のボケ具合もまずまずですね。
ところで今回は事前に撮影予定日が雨と判っていたので、室内撮影が中心となりました。全体的に暗い写真が続きます。
今日は旧前田侯爵邸へと足を運びました。濡れずに「低光量」の環境を満喫です。
この旧前田侯爵邸には和館と洋館があります。戦中の一時期は旧陸軍戦闘機「隼」「鍾馗」等で有名な中島飛行機の本社としても利用されたとか。
入館無料・基本的に撮影OKですが、洋館では靴を脱いで袋に入れる事になります。
又、散歩に訪れる方もそこそこいらっしゃるのでその点のご配慮をお願いいたします。
(可能であれば、静音モード的なヤツを使いましょう)
旧○○邸とか古い洋館とか、室内照明がとても僅かなものが多く(タングステン電球率も極めて高い!)、暗い上に自然光との色温度の違いもある条件がよくありますが……今回の和室はWBオートで撮影しました。
電球モードにしたところ、外から自然光の差し込む部分が青カブりするのがどうにもいただけませんでした。
隣の畳どころか、こちらの畳も真っ青になっちゃうのです。
こちらの和館は最近まで耐震補強工事の為に閉鎖されていましたが、最近一般公開再開となったそうです。
洋館は来年2016年春から、約2年の予定で同工事が始まるとの事ですから、お散歩がてら寄ってみようと云う方は今がチャンスでしょう。
天候の為、全般的に色彩に乏しいものですから画面になるべく緑を入れたくなる日でした。
この門を出て左へ進むと洋館です。
そして洋館内は一気に光量が落ちました……。
縦位置を多用するクセがある私としては、一層手ブレの注意が必要となりました。
ここで(実際は帰ってから)トラブル発生です。以降の写真、帰社後デスクトップに移動した画像の大半がカメラで読み取り不能となりまして……。
大抵のカットは段階露光を使っていましたので、以降の撮影データは前後のコマからの推定となってしまいます……お恥ずかしい限りです。
明記していない場合、最大で2/3の誤差が含まれるとご承知置き下さい。
でも次のカットを1/5秒で撮影した事だけは覚えています。
やけに暗い部屋で、一気に感度を上げて(以前D7100でASA2000での撮影をして、ノイズに悩んだ記憶がありまして。
じゃ、1600で何とかしよう、と判断しました)レリー ズすると妙に長い時間が経過して……ファインダ下に1/5の表示があったのを確認しましたので間違いありません!
本当はとっても暗い部屋だったので、1/20秒とかそれ以上でもっとアンダーにして撮った方が見た目には近かったと思います。でも「ブレてな~い!」んです。
暗い所での撮影が続くと、窓の外がとても優しく(易しくとも書けそうですが)感じられます。
そしてまた暗い部屋を巡ります。
寝室での撮影。こんな部屋で女房が三面鏡の前で身繕いしていたらきっと朝から……忘れてた、俺って独身だった!
どうしても、息継ぎするように明るい外も撮りたくなってしまいます……。
充分に光量があるのに、うっかり感度を下げるのをすっかり忘れていました。
明らかに露出オーバーで没にしたカット等々を鑑みても、このAF-S DX NIKKOR 18-55mmf3.5-5.6G VRⅡはシャッター速度1/10秒までは充分に挑戦する価値があると感じました。
大口径レンズを買うのはしばらく先だな……なんてお悩みの方、実用に耐える感度域で充分手持ち撮影できますよ!
ボケの点はひとまず置いとく事にはなりますが。
又、近~中距離で奥行きのある作画の場合は四隅が甘くなるようですが(今回は開放付近での撮影が多かったもので)、中~遠距離の条件であれば実用上目くじらを立てるような画質上の欠点は感じられませんでした。
もっとも、屋外での逆行テストは出来ませんでしたけど。
おやおや?と感じるのは画質ではなく、ズームリングの操作感触ですかね……ちょっとスムーズさに欠けるようです。
ま、壊れたら買い直すか、手持ち機材のアップグレードを図るか、そんな考え方もあると思います。
初心者さんにはこのレンズでガンガン楽しんで欲しいと思いますし、ベテランさんにも「今日は本気じゃない」って時に下駄履き感覚で使ってもらいたいレンズだと感じます。
「案外イケる」と思いますよ。
「安いレンズは画質がひどい」とお考えの方がしばしばいらっしゃいますが、テキトーな製品を垂れ流せばそっぽを向かれるなんて事はどのメーカーさんも先刻ご承知でして。
高けりゃ良くて当たり前。「高い割りにこんなもんか?」なんてレンズだって結構あるかも知れませんけど……。
Nikon AF-S DX NIKKOR 18-55mmf3.5-5.6G VRⅡ
レンズ構成:8群11枚
最短撮影距離:AF時0.28m/MF時0.25m
絞り構成:7枚/円形絞り
寸法:φ66x59.5mm(沈胴状態)
重量:195g
フィルターサイズ:φ52mm
メーカー発表手ブレ補正効果:約4段
担当:松浦