ニコンは未だにMFレンズの販売をしています。今回は広角レンズの代表格であるAI Nikkor 28mm f/2.8Sを試写しました。
今のナノクリスタルコートとは違い、フレアやゴーストの発生は逆光撮影では普通のフードでは防ぎようもありません。
太陽が低いこの時期にハレ切りは必需品だったものです。
フィルム時代に空を落として青を強調し、雲を浮かび上がらせるには下の写真のようにアンダーに撮る方法が手っ取り早かったのですが、デジタルの場合は同様な方法以外に上の写真のようにWBを変えるのが手っ取り早い方法ですね。
みなさんも色々試されていらっしゃると思いますが、結果が直ぐわかるデジタルの良さですね。
広角レンズと言えばパンフォーカス。
それでも開放値F2.8でも被写体にググッと寄ってしまえば、前も後ろもボケてくれます。広角レンズの場合、「被写体にどれだけ迫れるのか?」が使いこなす一つの鍵だと思います。
上記2枚の写真は中間リングを使用して、最短撮影距離より更に寄って撮影しています。
気になる周辺光量落ちですが、流石にF11まで絞り込んでも影響があります。アスフェリカルの登場を待たないと改善はされません。
1/15 F2.8 ISO200 WB:晴天 撮影地:隅田川
デジタルなのでディストーションもボディ側で抑えられますが、ここはレンズのテストですから素のままで撮影しました。
フィルム時代から撮影されている方なら、この程度は当たり前ですし、これが広角レンズと言えます。
最後は夜景を一枚。
流石にフレアが発生しています。ごく僅かな光ですが致し方ないこと。
ボケは綺麗な円形と言えます。
デジタル時代に敢えてフィルム時代に設計されたレンズを使う価値があるのか?新品を買う価値があるのか?
それは個人の価値観の問題と言えます。
購入をオススメし難いのが正直なところですが、"写真を撮ってる"感は十分味わえます。中古レンズでも楽しめますので、ニコン派なら初めてのMFレンズにいかがでしょうか。
[商品仕様]
焦点距離 | 28mm |
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最大口径比 | 1:2.8 |
レンズ構成 | 8群8枚 |
画角 | 74°(35mm判一眼レフカメラ、FXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ) 53°(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ) DXフォーマットデジタル一眼レフカメラ装着時: |
撮影距離目盛 | ∞~0.2m、1.7ft(併記) |
最短撮影距離 | 0.2m |
最大撮影倍率 | 0.25倍 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
絞り方式 | 自動絞り |
最大絞り | f/2.8 |
最小絞り | f/22 |
測光方式 | 開放測光 |
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) | 52mm(P=0.75mm) |
マウント | ニコンFマウント |
マウントアダプターFT1適否 | MF |
寸法 | 約63mm(最大径)×44.5mm(長さ:バヨネット基準面からレンズ先端まで)、全長約53mm |
質量 | 約250g |