今日は1月26日。ブログのネタに困ってパソコンに「126」と入力した途端、126フィルムの事を思い出しましたので今回はそんな感じで行こうかと・・・丁度手元には「コダック インスタマチック」のジャンクがる事ですし。ところでタイトルの通り、このフィルムは絶滅種となっております。
1963年に生産が始まった126フィルムの特徴は、カートリッジ式故に装填・交換時のミスが無い「誰でも気軽に使えるフィルム」である事です。一部のモデルにレンズ交換式一眼タイプ等もあり、ローライやツァイスからも「高級っぽく見えるヤツ」が発売されていましたが、126カメラの代名詞的存在「コダック インスタマチック」はお気楽固定焦点・お気軽固定露出、有無を言わさずにトイカメラ風に仕上がるレンズ搭載ですね。映画「アメリ」で主人公が少女時代に使っていたのも(ウサギさんのような雲を撮ってましたっけ)、どのタイプかは判りませんが「コダック インスタマチック」で間違い無さそうです。
フィルム自体は現行の135mmフィルム(こちらもレッドデータ掲載種となりつつありますが)と同じ物をベースとし、画面サイズは26x26mmの正方形フォーマットです。故に、理屈の上では現行の135mmフィルムから空カートリッジへの再装填が可能なのですが、樹脂製カートリッジが劣化している場合が結構ありまして、無理してカートリッジを開けると「割れる」とか「篏合部の隙間がデカい」等の事態も起こり得ます。再装填後はテーピングとかした方が良いかも知れませんね。ベースが同じだけでパーフォレーション数は135mmフィルムと異なり、一画面/一個・しかも片側だけです。
フィルムは一方通行で、当然巻き戻しは不要。途中でうっかり裏蓋を開けてしまっても、1枚犠牲にするだけで済みます。それはそれで悲しいですが。
このパーフォレーション穴の違いが厄介なようで、テキトーに135mmフィルムを装填、穴にピンが引っかかったからOK!なんて思っていると給送がバラツキ、穴の無い位置に送りピンが来てフィルム面の平面性が(もともと大した平面性を持っていないのに!)等々の問題も起きるようですが・・・「だが、それがいい」と割り切れる方も結構いらっしゃるようですね。
この126フィルム、本家コダックでは21世紀を待たずに生産終了となり、数年前まで何とか生産されていた「ソラリス」ブランドの製品もどうやら終了となった模様です。
一説にはより小型の「110フィルム」の登場が126フィルムを追い詰めた、等とも云われますが、その説を額面通りに受け止めるならば、昨今猛威をふるっている高画素信仰がちょっと「アレ」に思われない事もないです・・・
ところで今日が1月26日なら、きっと明日は1月27日・・・ついでに127フィルムも少しだけ。
こちらの歴史は126フィルムよりも古く、戦前には・・・いえ、第一次世界大戦の前ですけど・・・生産されていました。
1912年、「コダック ベストポケット」と共に発売され、名前の通り「ベストのポケットに入る」くらい小型なカメラ用のフィルムとして登場しました。
標準的な120のフィルムが概算6cm幅であるのに対し、127フィルムは幅4cm。4x4画面のカメラでは12枚撮りとなります。
近年までクロアチア製モノクロフィルム「エフケ」が流通していましたが、先年生産設備が修復不能となった模様で生産終了となりました。ローライブランドからも「クロスバード」なるカラーフィルムが(比較的最近)発売されたように思いますが、ネットで調べると「在庫切れ」の表示ばかりが目につきます。こうなると、購入にあたっては北海道の「かわ〇そ商店」さんしか頼れないのかな・・・とも思いますが、やはりこちらも「ガッツのある方」は自作されるんですよね。120フィルムから切り出して127スプールに巻きつける、口で云えばそれだけの事ですから、試す方はそりゃいらっしゃるでしょう。120判のジャンクカメラをベースにフィルムカッターを作っちゃったなんてお客様もいらっしゃいましたっけ・・・
一時期はレモン社でも127フィルムカッターの取扱いがあったのですが、現在は仕入不能の状況です。
写真向って右のカメラはローライフレックス4x4、人呼んで「ベビーローライ」、127フィルムを使います。女性向けに造られたなんて説もある通り、小振りで洒落ています。ピントフードを起こさないとシャッターが切れないと云う安全機構も、女性に優しい設計なのかも知れませんね。
その昔120から切り出した127を購入、ベビーローライで使いましたが、フィルムの頭出しはほぼ勘頼りながら12枚以上撮れると云う余徳がありました。ありましたが・・・フィルムカウンターが12までしかありませんので、以降の給送はやはり勘を頼って程々に巻き上げる事になります。
又120からの切り出し品の多くは、本来フィルム幅より僅かに大きい筈の裏紙がフィルムとまったく同じ幅で裁断されているので(おまけにフィルム自体を長く巻いているので)、両脇に光線被りが起きる可能性があります。
126/127のいずれのフィルムを使うカメラに関しても、今尚「使いたいと」云う若い方が多いようではありますが、DPEショップに現像を依頼する際には必ず次の事をお店に伝えましょう。
「カートリッジ、戻して下さいね」とか「スプール返却で!」とか。
再装填し、次の機会を楽しむ為にもお忘れなく。