今回はコシナより2015年8月に発売されたULTRON Vintage Line 35mm F1.7 Asphericalです。
コシナの新製品は歴史的な名作とされるクラシックレンズを範とするスタイリングに、現代的設計の光学系を組み合わせた“ヴィンテージライン” の準広角レンズです。非球面レンズの採用で、絞り開放から優れた光学性能を発揮します。最新性能をクラシカルなスタイルで楽しめる、趣味性の高い交換レンズに仕上がっています。
[商品仕様]
- 焦点距離:35mm
- 口径比:1:1.7
- 最小絞り: F16
- レンズ構成: 7群9枚
- 画角: 62°
- 絞り羽根枚数: 10枚
- 最短撮影距離: 0.5m
- 最大径×全長: φ53×50.9mm
- フィルターサイズ: φ46mm
- 重量:シルバー330g(付属品なし)/ブラック238g(付属品なし)
- マウント: VMマウント
- カラー:シルバー(真鍮製)・ブラック(アルミ製)
- その他: 標準フード付、別売スリット入り金属フード・シルバー(真鍮)・ブラック(アルミ)
テスト当日は曇天のため、いつもの逆光テストは出来ず。また使用したカメラのセンサーにゴミがあったため周辺光量落ちも・・・。
最短撮影距離が50cmというのはスゴい。一眼レフ用の35mmはもっと寄れますがレンジファインダー用のレンズでは特筆すべき点です。
テスト用でLeica Mを使用しましたが、発色は地味でオールドレンズを意識してのレンズ設計&コーティングなのでしょうね。カメラの恩恵ではなくレンズの性能ととらえておきたいです。
会社に帰り画像をチェックしたところセンサー上のゴミにより大半の画像が使用出来ず、代替機としてSony α7を使用してスナップ写真を撮りました。
コントラストの低さによる地味さはカメラを替えても否めず。
F5.6以上に絞り込むと全画面でカリッとした仕上がりをみせてくれます。35mmなので歪みも気になりません。
曇天でもハイライトとシャドーが明確で開放~F4まででは 、現代のレンズとは違った甘い描写になります。やはり大口径レンズは開放から2段までの絞りが面白いと思います。
本レンズは開放F1.7なので大口径レンズとは言いがたいのですが、やはり開放から2段までの絞りが面白いと感じました。
F2.8でピントを5mで撮影しました。敢えてピントを合わせずの撮影です。最近、私がスナップで使用する時によく使用する設定なのですが、以前は2.5mだったのを意識して引いて広く撮るようにしています。
最後に使用しての感想ですが、
- ターレットの加工に不満があります。やはり山でも谷でもギザギザは欲しかったです。
- ヘリコイドの操作感は良好です。
- 絞りリングの操作感はヘリコイドのそれと比較すると、まぁーまぁー良好と言ったところです。
- 絞りの形状は最少絞りで円形になりますので、点光源は期待しないほうが無難です。
- コシナはデジタル、フィルムで良好と言っていますが、到底両立はしないかと思いますが、フィルムでテストしたくなるレンズです。
- 最短撮影距離50cmはミラーレス機にとっては有難い。