これまでに数え切れないデモンストレーターが発売されたペリカンでは、なかでも2008年にM800のデモンストレーターが発売され大ヒットとなりました。この800シリーズのパラジウムコート仕上のデモンストレーターが2015年に復刻され発売されたのがこのM805デモンストレーターです。仕入れ先には発表後にすぐオーダーを入れたのですが、希望どおりの納品数は確保できませんでした。(モデル名の805は銀トリムにつけているナンバーです)
インクを入れた場面が想像できます
いまや他社よりデモンストレーターのバリエーションが圧倒的に多いペリカンですが、もとは自社製品の機能を説明する為に作られ、発売されるたびに即完売となりました。そして不定期に特別生産品として現在も200シリーズとともに年に数本発表し続けています。
以前もご説明しましたが、インクの補充がピストン式吸入式ですのでボディにインクが入っていく様子まで見ることができるのが、やはりデモンストレーター醍醐味でしょう。また、刻印はインクを入れる事により一部のパーツ刻印がかなり鮮明に浮き出ます。
そしてこの製品には透明なボディの実現が不可欠で、一切の色素が残らないよう細心の注意で生産されているそうです。
今回のボディは無地とパーツの刻印入りが合計1,000本の限定品でした。先に入荷した無地はレモン社では完売となっており、刻印入りも今回の入荷で完売となる見込みです。
このM805でペリカンの王道ともいわれるM800シリーズの黄金の重心バランスを是非お味わい下さい。ペン先は適度な硬さで心地よいはずです。世界が認めた万年筆ですから。
ちなみに写真撮影していて重さが通常品より軽く感じて、軸の削り出しがデモンストレーターの為に多くて29gと軽いのかなという感覚でしたが、実際に数字を確認してみると、通常品が28gとほぼ同じなのに何故か手にして錯覚し軽く感じていた様です。
最後にこのスーベレーンM800オリジナルがペン・オブ・ザ・イヤーをドイツの万年筆専門書で受賞した記憶があり、いつだったか確認したところ、まだレモン社が万年筆を取り扱いしていなかった1997年の事でした。
また、M800、805ともにデモンストレーターのパーツ刻印が英語でしたが、次回はよりドイツ製らしいドイツ語刻印を期待しているのは私だけではないと思います…
■サイズ 長さ:141mm(収納時) 164mm(筆記時)
■重さ:約29g
■機能:ピストン吸入式
■素材:キャップ、胴軸:プレシキグラス
■ペン先:ロジウムプレート 18金
■限定本数 パーツ刻印入り:300本 無地:700本
■メーカー希望小売価格 70,200円(税込)
■レモン社販売価格 56,000円(税込)
※在庫は2月22日現在 MとFが残り数本です。お問い合わせはレモン社銀座店まで。
担当:カラサキ