カメラ沼の深層 レモン社 新宿店

ライカ親爺のうんちく(1)

旧ライツ社社屋

旧ライツ社社屋

ライカパーク

ライカパーク

 

1、シャッタースピードは、1.1/2.1/5.1/10.1/25.1/50.1/100.1/250.1/500.1/1000の国際式と呼ばれる系列から、現行の等倍式(1.1/2.1/4.1/8.1/15.1/30.1/60.1/125.1/250.1/500.1/1000)に替わった。

バルナックタイプでも、Ⅲfのブラックダイヤルとレッドダイヤルでも替わっている。そのときは、シャッター幕速の変更によりシンクロ同調スピードの変更が行われ、その関係でシャッターダイヤルの表示も変更された。

 

シンクロコンパーがライトバリューの考えを導入し、電気露出計がカメラに搭載され、プログラムシャッターの考えが入ってくると、等倍で替わった方が計算しやすいことが、M3のシャッタースピードを変えた理由の1つと思われる。以前、国際式配列の露出計のない国産カメラで、リバーサルフィルムを使ったことがあり、フィルム説明書は等倍式のスピード表示なので、微調整をすべきかどうか悩んだことがあり、心持ち絞りを調整した記憶がある。

ただし、それ以降、そのカメラでリバーサルを使うことは無かった。カラーネガであれば、国際式でも気にする必要はなく、等倍式と同じように使えば良い。ライカM型用の純正露出計であるMCメーターには、国際式あるいは等倍式の2タイプあるので購入の際は、注意が必要である。しかし、MCメーターは、セレンの劣化により精度が出ていないことが多く、実用として考えるのであれば、フォクトレンダーVCメーター等の使用をお勧めする。

M4の時代に発売されたMR-4メーターとの違いは、飛び出ているMRメーターの測光スイッチに巻戻しの際、クランクがスイッチにぶつかるために位置変更されたが、機能に変更はない。MR-4メーターでもM3へのセットには問題はない。気分的にはM3には、スイッチの飛び出ているMRメーターだ。

MRメーター新

MRメーター新

MRメーター旧

MRメーター旧

 

2、レンズの絞りも変更があり、スクリューマウントは、戦後に変更された。6.3/9/12.5/18は大陸絞りと呼ばれ、現行タイプは国際目盛りと呼ばれる。Mマウントに大陸絞りはない。MLリングを使って、戦前のスクリューマウントレンズを使う場合は、注意が必要である。

3、シンクロ接点は、独自の接点を採用している。現行のシンクロ接点は、通称ドイツ接点と呼ばれる。M3式はカメラから抜けにくいのはよいのだが、他のカメラが採用したことはなく、M4以降はドイツ接点となった。現行のシンクロコードを使うために、カメラの接点に差し込むアダプター(通称ニップル)が販売されており、レモン社には在庫がある。1970年代初めの日本カメラショーのカタログを見ると、カコストロボ(業績悪化にともない倒産の後、日立コンデンサーが引き継いだが撤退した。プロ用ストロボも生産しており、その流れはプロペットにつながる)のページには、ライカM3用のシンクロコードが存在する。電球マークではなく、稲妻マークがストロボ用接点だが、現在の一眼レフのシャッターと違うのは、横(長辺方向)にシャッター幕が動くタイプ(横走りという)なので、ストロボ同調は1/60と1/30の間にある赤い稲妻マークに合わせる必要がある。(1/50)シャッタースピードを高速に合わせたときは、画面の一部しか写らず、速くなればなるほど、写る範囲は、狭くなる。

4,使用上差し支えない、外観の変更は数回されている。巻き戻しノブのマーク変更(横棒から丸1個になり2個へ)Rレバーの長さ変更、巻き上げレバーの長さ変更、マウントボタンのプロテクターの切り込みの変更、裏蓋の最高感度変更、ボディ側ストラップ取り付け金具の変更、上カバーの止めネジの本数変更があげられる。具体的に、いつから変更されたかライツ社から公表されていないことが多く、その為M3だけをコレクションされている方がいらっしゃると聞く。ある国のライツ輸入元が、残っていたパーツを集めてM3を作ったことがあり、フレーム切り替えレバーとセルフタイマーレバーの留めネジが、表面に穴のあるタイプではなく、穴のないネジで止めてあると聞いたことがある。しかし、事実関係を確認するだけの資料を、筆者は持ち合わせていない。

ボディ初期

ボディ初期

ボディ後期

ボディ後期

 

5、どうでもいい話コーナー
西ドイツ政府から、英国のエリザベス女王に、ライカが数台献上(つまりお土産)されており、女王がM3を持っている英国切手がある。漫画ちびまる子ちゃんに出てくる、たまちゃんのおとうさんが持っているのは、一眼レフではなくライカM型だが、クランクが斜めで、レンズの左右にレバーがあるので、M4と判断出来る。その関係からか、ライカのフィルムコンパクトカメラに、ちびまる子ちゃんバージョンが存在する。

ライカパーク写真提供  市川泰憲

ライカ親爺のうんちく(2)


新宿店もライカに関してのブログを掲載しています。初心者向けですが、面白い内容です。是非、ご一読下さい。

 

 

 

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