今回はパナソニックのマイクロフォーサーズレンズ、「LUMIX G25mm/F1.7 ASPH.」をテストしてみました。35判換算で標準レンズに相当する焦点距離ですが、今まで個人的にはフォーサーズ系の25mmにハズレが無かったので期待しつつ、実売価格の安さから「大丈夫かいな?」と云った軽い不安があるのも事実です・・・
そんな不安を煽るかのように、大口径ながら手にすると拍子抜けしそうなくらい軽いレンズですがキッチリと金属マウントを採用しており、操作感も悪くありません・・・フォーカスリングくらいしか弄るところがありませんけどね。レンズフードが付属品として含まれており、わざわざ別に手配する必要がないのも嬉しい点です。フード自体はそこそこの大きさなので、無造作にバッグに放り込んでおきたい方は市販のネジ込み式のフジツボ型フードを使うのも手だと思います。今回は純正フード装着でE-M5との組み合わせで撮影です。
オリジナル画像を拡大すると背後のボケ部分に幾らか色滲みが出ていますが、雰囲気的にはアリだと思います。絞り開放の条件ですが、この時の周辺光量落ちは予想より少なめのでした。
ところで大口径レンズを手にすると、ついつい夜戦に臨みたくなるもので・・・
開放で臨むなら感度を上げるまでもない条件でしたが、APS&フルサイズ機と比較すると高感度がやや弱いとされるフォーサーズ系フォーマットでは感度を上げずに使えるのは嬉しい点の一つです。
緩~く周辺光量が落ちていますが、これも予想を下回る落ち方です。絞り開放ですが割と平面的な撮り方をしたせいか、四隅までちゃんとメニューが読める画になりました。ところでムール貝とアサリの白ワイン蒸しが400円って気になりますね・・・
テスト以外では撮らない被写体、イルミネーションを開放で。周辺部がやや変形していますが、これは高価なレンズでもよくある話でしてこの価格のレンズでは充分過ぎる出来だと感じます。所々で同心円状のボケが出ているのがちょっと不思議な味付けかと。
幕末の頃の写真撮影は、湿板の感度がとても低かった為に長時間露光とならざるを得ない場合が多かったようですが、さすがに坂本さん、ピクリとも動きませんでした。1/250Sec.ですから気にしなくて大丈夫ですよ!
今度は陽の当たる時間帯で撮影を。
幾らか絞ってF5.6。フォーサーズ系の25mmレンズは2.8~5.6程度でベストな画質になるように感じる物が多いのですが、LUMIX G25mm/F1.7 ASPH.も同じ傾向のようです。
標準ながら短い焦点距離のフォーサーズ系レンズ故か、奥行きを取った構図ですがF5.6で手前の植え込みから奥の入り口までしっかり被写界深度に入ってくれます。
画面下の水平線を意識しての撮影ですが、歪みねぇな!と云える真っ直ぐさでした。かなり見上げるアングルでしたので、当然歪みが出ると思って意地悪したんですが・・・
背後の枝が煩かったので絞り開放で。AFターゲットをギリギリまで小さくしての測距ですが、どこか緩い感じが・・・夜景ではあまり気にせずに開放を使ってましたが、こういった場合は少し絞った方が良いのかな・・・?
少しだけ絞ってF2.2。ちなみにLUMIX G25mm/F1.7 ASPH.の名前の通り、開放絞りはF1.7ですが1クリック絞るとF1.8・・・ほぉ・・・F2.2は開放から3クリックでした。
ほぼ最短撮影距離0.25mでカンザクラの花を。ここまで寄れば、開放から1段絞ってますが充分にボケてくれます。LUMIX G25mm/F1.7 ASPH.の兄貴分として、DGズミルックスを名乗る開放F値1.4の物がありますが、倍近い価格のレンズであり、最短撮影距離は0.3m。ポートレートもテーブルフォトも撮りたいけれど、まずは気軽に単焦点標準レンズが欲しい♪と云う方にはLUMIX G25mm/F1.7 ASPH.の方がオススメかも知れませんね。
ソメイヨシノはまだまだ先ですが、梅は既に程良く咲き誇っております。
梅の木が数本・・・甘い香りに酔いそうです。
「君ならで 誰にか見せむ 梅の花 色をも香をも 知る人ぞ知る」
古今和歌集から紀友則さんの歌でした。
ところで、何とかして逆光でフレアを出させようとしたのですが。いわゆるゴースト的なアレがなかなか出てくれません。ハレっぽくなってコントラストがグっと下がる傾向はあるようですが・・・で、とにかくゴーストを出そうと無理して撮影したのがこちら。
やっとゴースト発生です!ただゴーストを出す為だけに、またつまらぬ写真を撮ってしまいました・・・と、ここで思い出したかのように夜景の写真を再び。
先ほど申し上げた、コントラストが下がる件でした。
明るめ・近接の写真が続いたので、今度は少し暗め・ちょい引きの写真を。
何かしら理由があったのでしょうが、明らかに人為的に壊された石像がいたたまれずに撮影。
陰鬱な陰も黒つぶれしませんでした。
すぐ脇におわしたこちら様も無残な事に。
ハイライトからシャドーまで階調の広い状況でしたが、充分な質感を再現してくれたと思います。
すぐ近くに「稲荷」と書かれた石碑がありましたが、ここにおわした石像の幾つかは明らかに狐ではなく、御犬様とか御眷属様とか呼ばれる「ニホンオオカミ」の様にお見受けしました。こんな所でもニホンオオカミは絶滅してたんですね・・・
あれこれとLUMIX G25mm/F1.7 ASPH.を弄ってみましたが、ズバ抜けてここが凄い!的な事は無さそうながら充分な描写力を持っており、強いて云えば「これだけ写せてこの値段!?」的なコストパフォーマンスが特筆すべき点でしょうか。
とにかく軽いレンズですので、軽量タイプのボディと組み合わせてもバランスは良さそうです。
パナソニックLUMIX G25mm/F1.7 ASPH.
レンズ構成:7群8枚(非球面x2・超高屈折ガラスUHRx1)
最小絞り:F22
絞り構成:7枚円形虹彩絞り
最短撮影距離:0.25m
寸法:φ60.8x52mm
フィルターサイズ:φ46mm
重量:125g
担当:松浦