お客様寄稿文:『ポートレート写真を楽しもう』山縣敏憲様

今回は古くからのレモン社のお客様であります塾長こと山縣敏憲様からいただいた寄稿文を掲載させていただきます。
お忙しい中御寄稿いただいた事、厚く御礼申し上げます。


『ポートレート写真を楽しもう』

ポートレート写真とは、人物を中心に置いた写真のことです。全身が写っている必要は無く、顔の一部だけとか、顔が隠れていてもテーマの中心に人がある限りポートレート写真に分類されます。自分で自分を撮ったものは「セルフ・ポートレート」といいます。人物の描写というのは、古く絵画の時代からあり、モナ・リザはその代表例ですね。

ポートレート写真にはさまざまな撮影機材や撮影テクニックが駆使されます。昔は女性を撮る場合に70ミリから90ミリ前後の中望遠レンズが多く利用されたことから、このレンズのことを「お姉ちゃん用レンズ」とか「婦人科レンズ」などと言っていたこともありました。また、被写体に対してどのように光を当てるかなど、ライティングのテクニックも必要です。その中でも、とくに人物の斜め後ろから光を当てて被写体の輪郭を浮かび上がらせる手法は、光と影のコントラストが特徴的だった画家の名前にちなんで、「レンブラント・ライト」と呼ばれて有名です。しかし、後ろから光が来ると顔が暗くなりますよね。今では被写体を逆光に立たせ、被写体の後ろから来る光をレフ板で反射させて顔を明るく照らして撮る方法が一般的なようです。


(被写体の背後からの光にレフ板を使って顔に当てています)


さて、ポートレート撮影のレンズですが、他の人と一味違った描写を求めるのは今も昔も変わりません。ボケ描写の美しさやフレアを求めて、へリヤーやニコラペルシャイドなどの古典的なポートレート用ソフトフォーカスレンズもありました。

ライカ社にもタンバール(Thambar 9cmF2.2)というソフトフォーカスレンズがありました。

(タンバールとその作例)

ソフトフォーカスレンズは、キヤノンやミノルタ、ペンタックスなどからも販売されていました。

(左がケンコーソフト、中央がキヨハラソフト、右が自作のベス単レンズ)

これらの作例はソニーのα7かニコンのD800Eに付けて撮影していますが、昔はソフト効果の効き目など、フィルムカメラでは直ぐに確認できなくて仕上がりが不安でしたが、デシカメはその場で確認できますから、大変楽な撮影になりました。

キヤノンにはEF 135mm f2.8 SOFTFOCUSというAF撮影が出来るレンズもあり、大変優秀な写りをします。

(キヤノンEF 135mm f2.8 SOFTFOCUSと作例)


さあ皆さんも一度、ソフトフォーカス・レンズでポートレートに挑戦されては如何でしょうか。


塾長こと山縣敏憲


?山縣敏憲様寄稿文