コラム レモン社 銀座教会店

お客様寄稿文:『ポートレート写真を撮ろう』山縣敏憲様

?今回は古くからのレモン社のお客様であります塾長こと山縣敏憲様からいただいた寄稿文を掲載させていただきます。
前回は「ポートレート写真を楽しもう」を掲載しました。併せてご一読下さい。
お忙しい中御寄稿いただいた事、厚く御礼申し上げます。


 

『ポートレート写真を撮ろう!

ポートレート撮影には特別なレンズが必要というわけではありません。人物を撮影するのに適するレンズをポートレート用レンズと呼んでいます。どんなレンズでも、自分の持っているレンズで撮影に工夫をして、独自の世界を作り出すのが写真撮影の楽しさでもあります。自分の好きなレンズ、撮影が楽しくなるレンズ、そしてそのレンズを使うと良い作品ができるのが一番です。

?必ずしも高価なレンズや、高性能なレンズがポートレート用レンズというわけではありません。では、どんなレンズを使えばよいのか、作品作りを前提に僕の使っているレンズで述べましょう。

?ポートレートと言っても、風景を活かして中に人物を入れる場合から、全身撮影、上半身撮影(バストアップ)、顔だけの撮影などとあり、又、撮影アングルもハイアングルからローアングルまで、女性、男性、子供と多彩です。そこでまずはモデルをどう撮影するかを考えることから始まります。(ここでは女性ポートレート撮影を例にあげました)

?一般的に言えるのは、被写体の実体を表現するのに適し、質感表現に優れ、ボケがきれいで立体感が表現できるレンズが好ましいでしょう。

?僕は普段の撮影にはニコンの24mm~70mm f2.8標準ズームレンズと80mm~400mm f4.5~5.6の望遠ズームを常用しています。

しかしポートレート撮影では300mm f2.8単焦点レンズやタンバール90mm f2.2、バリソフトロッコール85mm f2.8、キヤノンEF135mm f2.8 SOFTFOCUS、自作ベス単レンズなどというソフトフォーカスレンズも好んで使っています。

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(AF 300mm f2.8単焦点レンズと作例。大きく重くて普段は使いません)

300mmの望遠単焦点レンズなども使われますが、大きなボケがきれいではありますが、ワンパターンになりがちなので注意が必要ですね。

さて、僕が好んで使うソフトフォーカスレンズについてご紹介しましょう。

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(タンバール90mm f2.2とその例。ライカMデジで良く使います)

このレンズは木村伊兵衛さんが昭和11年に原節子さんを撮影したのでも有名になりました。ソフトフォーカスレンズの代表的レンズですね。

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(バリソフトロッコール85mm f2.8と作例。SONYのα7で使うと使い易いです)

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(自作ベス単レンズとその作例。ニコンのD800Eで使っています)

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(キヤノンEF135mm f2.8 SOFTFOCUSとその作例)

この写真は銀塩カメラでの撮影ですが、今はキヤノンのボディーが無くてお蔵入りしています。AFが使えるので使い易く秀逸なレンズです。

レンズの開放値が大きいものは被写界深度が浅くなり後ろも綺麗にボケます。80mm~135mmぐらいのポートレート用レンズと言われるものには、ボケがきれいなレンズが多くあり、顔の立体感を出せ、歪がほとんど出ないので、ポートレートに適します。またモデルさんとの距離が近すぎて、モデルさんが緊張するようなことも無く、かといって遠すぎることもなく、適度な距離がとれるのも使い易いといえます。大勢のカメラマンが集まる撮影会では、あまりモデルさんに近付かないのもマナーです。

 

さあ皆さん、楽しくポートレート撮影に挑戦してください。    山縣敏憲


 

?山縣敏憲様寄稿文

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