商品レビュー:XF18-135mmF3.5-5.6R LM OIS WR

GWのど真ん中、深夜から風が強まり明け初める頃まで強い雨となり・・・そんなこんなで、レビュー用の撮影に出るのがちょっと億劫になりましたが、困った事に今回試用したFUJIFILM「XF18-135mmF3.5-5.6R LM OIS WR」は防塵防滴仕様でして「荒天につき撮影中止!」なんて言い訳も通用しそうにありませんでした。

防塵防滴・手ぶれ補正搭載の高倍率ズーム「XF18-135mmF3.5-5.6R LM OIS WR」

8時半にはすっかり太陽が我が物顔で照らしつけてくれる有様ですが、風があるのが幸いか心地よい陽気。とは云え強風は相変わらずで、手ぶれ補正以前に身体ごと揺さぶるような風が吹いています。

F6.4 1/640Sec. 28mm(42mm相当)

この「XF18-135mmF3.5-5.6R LM OIS WR」(名前が長いので、以下XF18-135)、7.5倍の高倍率ズームレンズで35判換算では27-202mm相当の画角となり、日常シーンの殆どをカバー出来る便利なレンズです。レンズ交換無しでこの画角域を持つので、山行・旅行等々重宝することかと思います。

広角端18mm(27mm相当)

このアングルから、居ながらにしてズームアーップ!

望遠端135mm(202mm相当)

最短撮影距離は約45cm。広角側では一寸物足りない印象を受ける方もいらっしゃるとは思いますが、望遠端で45cmとなれば、まぁそれなりに楽しめる近接能力でしょう。

F7.1 1/52Sec. 93mm(139mm相当)

躑躅の花に昨夜の雨の名残が見えて一枚。

F8 1/80Sec. 135mm(202mm相当)

今年最初にみた紫陽花。早速スタンバってますね。望遠端開放絞りはF5.6。今回は1段絞っていますが、背景のボケも7枚絞りながら嫌味が無いと感じます。流石に単焦点マクロの切れ味には及びませんが、高倍率ズームとしては充分に頑張ってますね。

F8 1/120Sec. 135mm 花の番人さん発見

ほぼ最短距離の近接時には極度にピントが浅くなり、被写体も風に揺らぐ日でしたのでF8を多用しましたが、このXF18-135は中心部に関しては開放からキレのある描写を見せてくれます。ところでこのXF18-135、操作部の感触は概ね良好なのですがズームリングの望遠端間際だけ作動が重くなるようで、135mmのつもりで撮影したものの、データを確認すると123mm前後だったなんて事がしばしば発生。
開放では周辺部がやや緩めになりますが、ちょこっと絞るだけで大きく改善するようです。

F6.4 1/950Sec. 31mm(46.5mm相当)

勿論、緩くなっても全く構わないシーンでは積極的に開放を使うのもまた楽しい事で。

F5.6 1/180Sec. 135mm

F5.6 1/750Sec. 135mm


広角端18mmは、35判で28mmを使い慣れた方には大変扱い易い画角でしょう。ただし、アングルによっては28mmよりも強いパースを感じるかも知れませんね。

F9 1/140Sec. 18mm(27mm相当)

なんだか、フジの機材を持つと無性に空や緑色の被写体を入れたくなります・・・本当は肌色の多い被写体が欲しいんですけどね!

F8 1/600Sec. 18mm

上の写真では画面に太陽を入れてみましたが、比較的善くフレアを抑えられています。

F3.5 1/1900Sec. 18mm

広角端・絞り開放・太陽はギリギリ画面外ですが、充分にヌケの良い描写をしてくれます。

 

F7.1 1/420Sec. 135mm

望遠端135mmは、35判換算云々以前にケレン味の無い圧縮効果が出始めます。元画像の背景部を拡大すると、なにやら陽炎らしきモノを感じられてすっかり初夏の気分♪

F7.1 1/340Sec. 49mm

風に揺らぐ風鈴が奇跡的に(ほぼ)真っ直ぐになったタイミングでレリーズできました!気温も25°を越える日でしたから、こんな被写体もありですよね。(一年前からずっとぶら下がっていますが)

F5.6 1/70Sec. 123mm

望遠端・絞り開放で・・・と思ったんですが、先程申し上げましたようにズームリングが望遠端で重くなるもので、135mmのつもりで撮影した123mmの一枚orz・・・ま、充分にボケてくれてますけど。

F5.6 1/125sec. 93mm

石工さんの精緻な彫り仕事もきっちり描写。神社ごとに個性的な狛犬さんがいて楽しいもんですね。
でもこちらの狛犬さんは、アングルと陰影次第ではちょっと水木センセイの描く砂かけ婆ぁちっくに見えなくもないです。
こんな感じ。

F5.3 1/320sec. 79mm

F8 1/160Sec. ASA800 18mm

明暗差の大きい条件でも雰囲気を残してくれました。背景の空の色が如何にもフジ。


F7.1 1/500sec. 31mm

こちらはたっぷり空を入れて。強風の為、あらぬ方向にたなびいている鯉も・・・

望遠・開放を利用してもう一枚。
山門の下の日陰にに涼しげな仁王様が。ただし金網越しにてござらっしゃる。

F5.6 1/60Sec. 110mm

望遠・開放で被写界深度を浅くして・・・ついでに露出アンダー気味に設定して、金網の描写を沈めてみました。と云うか、適正露出では金網が「ボケながらも煩かった」ので、対処しました。
結構暗いシチュエーションでしたが、シャッター半押しでしっかりと手ぶれ補正が作動しているのがファインダ越しに判り、安心してレリーズできました。

天候とスケジュールの都合上あまりみっちりとXF18-135とはつきあえませんでしたが、大変便利なズーム域とタフな防塵防滴仕様、そこそこ寄れて、ちょっと絞れば良好な画質・・・等々魅力のあるレンズだと感じます。レンズサイズはスペック的に適正なサイズだろうとは思うのですが、使うカメラサイズによってはやや大きく感じる方(女性ユーザーさん?)もいるかも知れません。ただし、ホールディングは良好でした。

きっと、X-T1に装着した場合が最上のホールディングでしょう・・・キットレンズだけに♪

富士フィルム XF18-135mmF3.5-5.6R LM OIS WR
レンズ構成:12群16枚(非球面x4・EDx2)
絞り形式:7枚円形絞り 1/3ステップ
寸法:φ75.7x97.8mm(広角端)/158mm(望遠端)
フィルターサイズ:φ67mm
重量:490g(本体のみ)

松浦

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