マウントアダプターの役割と種類

カメラボディのレンズマウント規格とレンズのボディマウント規格が一致しない場合、両者を仲立ちして装着・使用を可能にするためのアクセサリーをマウントアダプターと言います。

マウントアダプターは一般的にただレンズをカメラボディに取り付けるだけのものであり、通常は自動絞りや絞り値連動・オートフォーカスや電力・信号接点などの機能まで変換するものではありません。

マウントアダプターはフランジバックの長い規格のレンズを短い規格のボディに取り付けるためには使えるますが、逆に短い規格のレンズを長いボディに使うことには色々問題が生じます。その代表的な理由は接写リングを挟んだのと同じ状態であることで、無限遠側のピントが出ず近距離専用となることです。

この問題を解決するためにマウントアダプターに補正用の光学系を内蔵することにより、レンズ側が要求するフランジバックよりも長いフランジバックを持つカメラで使えるようにしているマウントアダプターも存在しますが、
・内面反射が増えること
・焦点距離が変化してしまうこと
・写りに大きな影響を及ぼす最後玉に非純正レンズを採用することへの抵抗感

などにより、敬遠される方が多いです。

また、フランジバックが近接している場合、マウントアダプター分の厚みが確保できない場合があります。更に、マウント口径の大小や、突起物の干渉によっても制限を受けマウントアダプターが存在しない場合があります。そして最後に物理的な問題ではなく、マウントそのものの人気・普及度(需要度)から存在しない場合があります。


マウントアダプターの繁栄はデジタルカメラ、特にミラーレスの普及によるものです。
現代の画一的な写りのレンズだけではなく、フィルム時代の銘玉もデジタルで楽しむ機会が増えたことになります。これにより、写真作品の製作や自己表現の幅が大きく拡がりました。


1、マウントアダプターの役割

マウントの形状と径の変換とフランジバックの調整


2、マウントアダプターの種類

・スタンダード
・マクロ(ヘリコイド付き)
・シフト、ティルト

左:スタンダードタイプ/右:マクロタイプ

左:ティルト&シフト機能付きタイプ/中央:スタンダードモデル/右:シフト機能付きタイプ

※ティルト、シフト機能はレンズのイメージサークルの大きさが重要になります。すべてのレンズ用があるワケではありません


3、フランジバック

一部を掲載します。また、フィルム時代のレンズをマウントアダプターを使用して撮影を楽しんで頂きたいので、ご参考までにブログの掲載も行っております。

マウント フランジバック タイプ ブログ掲載日
ライカLマウント 28.8mm スクリュー 2016/02/11
ライカMマウント 27.8mm バヨネット 2016/04/08
ライカRマウント 47.15mm バヨネット 2016/05/10
ニコンFマウント 46.5mm バヨネット 2016/06予定
ニコン1マウント 調査中 バヨネット 掲載予定なし
キヤノンEFマウント 44.0mm バヨネット 掲載予定なし
キヤノンFDマウント 42.0mm スピゴット 掲載準備中
キヤノンEF-Mマウント 18.0mm バヨネット 掲載予定なし
コンタックス/ヤシカマウント 45.5mm バヨネット 掲載準備中
コンタックスNマウント 48.0mm バヨネット 掲載予定なし
京セラAFマウント 45.5mm バヨネット 掲載予定なし
プラクチカ(M42)マウント 45.5mm スクリュー 掲載準備中
ペンタックスKマウント 45.5mm バヨネット 掲載準備中
ペンタックス67マウント 84.95mm バヨネット 掲載予定なし
ペンタックス645マウント 70.87mm バヨネット 掲載予定なし
ペンタックス110マウント 調査中 バヨネット 掲載予定なし
ペンタックスQマウント 9.2mm バヨネット 掲載予定なし
オリンパスOMマウント 46.0mm バヨネット 掲載準備中
オリンパスペンFマウント 28.95mm バヨネット 掲載準備中
フォーサーズ 40.0mm バヨネット 掲載予定なし
マイクロフォーサーズ 20.0mm バヨネット 掲載予定なし
ミノルタSRマウント 43.5mm バヨネット 掲載準備中
ミノルタAマウント 44.5mm バヨネット 掲載準備中
ソニーEマウント 18.0mm バヨネット 掲載予定なし
コニカFマウント 40.5mm バヨネット 掲載予定なし
コニカARマウント 40.5mm バヨネット 掲載準備中

ハッセルブラッドなど未掲載のものがまだまだ多くあります。適時、更新して参ります。