今回使ったのはソニーのEマウントフルサイズ対応標準ズーム、FE28-70mmF3.5-5.6 OSS(SEL2870)です・・・例によって、名前が長いので以下「SEL2870」と呼びます。
決して明るい標準ズームではありませんが程良い大きさ&思ったより軽い重量、それでいながら操作感触は良好なレンズでして、MF銀塩カメラ時代に「35-70mm」とか「28-85mm」といった標準ズームに馴染んでいた方には違和感なく使い込めるレンズだと思います。ちなみにα7Rと組み合わせた場合の全備重量は約760gとなり、実は80年代MF銀塩一眼+標準ズームよりちょっと軽いくらいの重さです。
フードを装着するとそれなりの長さにはなりますが、広角端28mmなので是非ともフード必須でお願いします!
初夏の陽気の中、しっかり太陽を画面に入れて一枚。左から2番目のポールあたりにうっすらフレアが出ていますが、さほど目立つレベルでもありませんでした。EVFを覗いている時にはまったく気が付かなかったくらいです。EVFを覗いてから合焦するまでもごくスムーズ。スポーツにはオススメしませんが、日常シーンで遅いと感じる事はまず無いでしょう。
周辺光量落ちもほぼ無視して良いレベルかと感じます。
広角端・開放でも四隅まで均一の露光です・・・さすがにこの条件ではちょっと四隅が甘くなりますが。
手ぶれ補正搭載のSEL2870ですが、効き目の具合は「まぁ、そこそこ」。
ASA感度をあまり上げたくなかったせいもあり少し流れてしまいましたが、α7Rのシャッターは結構キックが大きいので・・・と言い訳をば。さすがに5軸対応手ぶれ補正と比べるのは可哀相かも知れませんね。
昨今では24-70又は24-105相当が標準ズームの主流域かも知れませんが、その手のレンズの広角端では歪曲が目立つ物もチラホラと見受けられます。SEL2870はどんな具合?
少し見上げるアングルになってしまいましたが、水平の歪みは殆ど感じられませんでした。歪曲の問題は気にしなくて良いレベルと云えそうです。
光量落ち・歪曲ともに気にしなくて良いレベル・・・と云うと何やら凄いレンズのように思われそうですが、開放F値の暗さだけは厳然たる事実としてそこにあります。ちょっと感度を上げればブレは抑えられますが、ボケばかりは大口径レンズに譲ります。
ボケ量は控えめですが、決してガサついたボケではないので背景との距離を工夫すればそれなりに柔らかく表現できそうです。
開放付近でも、画面中心の描写力は立派なものです。中央のプランターの麻の質感、元画像では普及版ズームながら侮れない描写を見せています。
まぁ、割と近接・F値開放なので、四隅はかなり甘い事になっていますが雰囲気的にはOKです。
発色傾向はごく素直なもので、色の滲みも感じられない良好なものです。
ちょっと部分拡大を。
このSEL2870はα7シリーズのキットレンズとしても販売されていますが、特に「G」とか「Zeiss」と云うワケではありません。ボディ単体とキットとの価格差が比較的小さい場合が多いので「まぁ、それなりのレンズなんだろうよ」とお考えの方も多いとは思いますが、持っていれば使う機会は沢山ありそうなレンズ、と云うのが今回使った感想です。
主に、α7シリーズを「マウントアダプターで使う」と云った方にも、普段使い用として使っていただきたいレンズですね。中古相場でもSEL2870は3万円強。取り敢えずキットで買ってみて、必然性をお感じいただけなかったら買取りや委託に出されてみる、なんて手もありますよ♪
SONY FE28-70mm F3.5-5.6 OSS(SEL2870)
αEマウント/フルサイズ対応
レンズ構成:8群9枚(非球面レンズ3枚・EDガラス1枚)
絞り構成:7枚/円形絞り
最短撮影距離:広角端0.3m/望遠端0.45m
寸法:φ72.5x83mm
フィルター径:φ55mm
重量:約295g
担当:松浦
ご用命はレモン社各店
又はナニワグループオンラインまで