今回試用したのはマイクロフォーサーズレンズ「ライカ マクロエルマリート45mmF2.8ASPH.MEGA O.I.S.」です。
個人的にはOM-D/PEN系ボディにMFレンズ「Canon NewFD50mmF3.5マクロ」を装着して使う事が多いのですが、時折「やっぱAFも欲しいかな」と思う事もありまして、ちょいと気になるレンズではありました。
ところで古い世代の人間としては、最近のマクロレンズは前玉が奥まっていない事に軽い違和感を感じたりします。
普段使っているNew FD50mmマクロなんてかなり奥まった処に前玉がありますもので。
そんなこんなで、マクロレンズはフード要らずくらいの感覚で過ごしてきましたが。ちょっとだけ気になる事が・・・
使う前から気になっていたのは、付属のフードが思ったよりも短い事です。
私物のDGズミルックス25mmF1.4のフードよりも短いってどういう事?こんだけせり出した前玉なんだから、もっと効果的にフレアカットする気概を見せて欲しかった!そんな疑念が頭をよぎりました。
けども。植物に顔をくっ着けんばかりに接近した時に、手前の草にフードを引っかけたりしないようにと云う配慮なのかも知れませんね。
何しろ最短撮影距離0.15mを誇るこのレンズ、最短距離ではフードが被写体に触れるちょいと手前に位置する事になります。
条件によっては光を遮る事にもなりかねないかも知れません。
メーカーさんが云う事には、レンズの手ぶれ補正機能は1m以下の距離では寄るに従って暫時低下するとの事です。
2009年デビューのレンズなのでそこは仕方の無い事でしょうし、ボディ内5軸手ぶれ補正機をお使いの方にはまったく関係無い話ではあります。
いかに5軸手ぶれ補正機であろうと、膝が笑ってはブレ以前にピンが来やしません。
足場の悪い事も多い野外マクロ撮影、しっかり踏ん張りたいとは思いますが。あまつさえ風が吹く日はもう歩留まりの問題になってしまいます。
開放付近では充分なボケが期待できるので、背景の整理も容易です。
被写体次第の面もありましょうが、全体的に柔らかい印象の描写です。(ま、開放付近ですから)
少し距離を取ってちょい絞り気味で。
ちゃんとピンが来ても、カッチ~ンとは成り難いレンズかも。
も少しソリッドな被写体を試します。
中央のレリーフ、とてもシャープに描写してくれました。
水滴に合焦、絞り開放。も少し絞った方が良かったようです・・・
遠景の具合はどうでしょう?
風景写真もきっちりこなしてくれそうです。垂直線の歪み等も問題無し。
ソリッドだけどどこかしら柔らかく表現して欲しいのが煉瓦建築物。
描写は良いのですが、本当はもっと違った光線条件で撮影したかったかな、と。
開放時の周辺光量落ちを試してみると・・・
やや光量落ちが認められますね。個人的には「光量落ち大好き」派なので問題ありませんが、複写等の際にはF5.6以上に絞るべきでしょう。
中望遠域のレンズなのでスナップに使うとなると、歩きながらかなり狭い範囲を見取って切り取る感覚になりがちですが、通りの反対側を狙うにも程良い距離感だと思います。
日陰の被写体ですが、良い雰囲気の発色をしてくれました。
そうそう、冒頭でのフードの話ですが。逆光撮影は・・・?
前玉が太陽光を浴びている事を確認してから撮影(普通はそんな事しませんが)しましたが、フレア・ハレ等は感じませんでした……。
と云うか、再来週には夏至となる頃合いです。太陽が高くて、なかなか逆光条件を作り難かった事、白状します。
これ一本で一日全部まかなえ!なんて云われたらそこそこ悩んでしまいますが、近接から遠景まで程良く柔らかく描写してくれるライカ マクロエルマリート45mmF2.8ASPH.MEGA O.I.S.でした。
担当:松浦
お問い合わせはレモン社
又はナニワオンラインまでどうぞ。
ライカ マクロエルマリート45mmF2.8ASPH.MEGA O.I.S.
*マイクロフォーサーズ規格
レンズ構成:10群14枚(非球面レンズ・EDレンズ各1枚)
絞り構成:7枚羽根・円形虹彩絞り
最短撮影距離:0.15m(撮像面から)
最大撮影倍率:35判換算で2倍
寸法:63x62.5mm
フィルター径:φ46mm
重量:225g