今回使ったレンズはパナソニック LUMIX G 20mm/F1.7Ⅱ ASPH. H-H020A、名前はとっても長いんですが、レンズ全長はたったの25.5mm、とっても短い大口径パンケーキレンズです。
2009年にデビューした前モデルと光学系は共通ですが、軽量化が進み自重約87g。これで開放F値1.7と来れば、マイクロフォーサーズ使いであれば魅力を感じて当たり前!なレンズの一つです。まぁ、35判換算で40mm相当の画角が合う/合わないと云った問題はあるでしょうが・・・
大口径レンズともなれば日中から絞り開放を使いたいけど特に陽射しの強いこの季節は・・・なんて昨年までは思っていましたが、今回はオリンパスPEN-Fに装着しての撮影ですから状況に応じては電子シャッター使用で最高1/16000Sec.まで対応可能。余裕のヨッちゃんなのです。
早速開放付近で撮影、気になる周辺光量落ちを様子見です。
周辺部、程良く落ちてくれました。落ちない方が性能的に優秀なのかも知れませんが、落ちた方が面白い使い方が出来ると云った立場もありまして、私は完全に後者の立場です。
光量落ちを嫌われる方の場合はF4位に絞ると殆ど均質になるようですので参考までに。
開放付近のボケ味も具合を見てみます。
合焦部からなだらかにボケてくれます。
素直なボケを見せつつ、高い解像力も発揮してくれるレンズのようです。
でも、時としてボケがちょっとだけ煩わしく感じられる事も。
細かい事を云いますとこのレンズ、ときとしてボケた部分に色滲みが出やすいように感じられますが、それも「色気」の一つとして許しちゃいます。なんたって、こんなに小さなレンズなんですから。このボケ部の色滲みはパナライカのDGズミルックス25mm/F1.4ASPH.も同じような印象です。
今度は木漏れ陽を入れつつ・・・
アウトフォーカス部が少しフレアっぽくなったかも。
実は今回、勿論逆光テストも勿論試したのですが。画面に直接太陽を入れない限り、ゴーストは発生しませんでした。無理矢理ゴーストを出させた画を載せるのもアレなんで今回は非掲載と云う事で。個人的な印象として、このレンズ逆光には強いらしいです。
(今回はガラスを外したφ46mm径フィルター枠に市販のドームフードを装着して使用しました)
ちょっと絞るとキリリとした画を見せてくれます。
絞り開き目でも中央部はとってもシャープ。
信号機中央の銘板の刻印が、拡大するとギリギリ読めてしまう解像力です。
もっとも、お仕事写真ならいざ知らず。プライベートな写真はそんなに拡大して楽しむものでは無いと思いますが。
ところで原型となったレンズは2009年の登場なのですが、AF性能も2009年当時のものである事ははっきり明言しておきましょう。
お散歩スナップで不都合を感じる事はあまり無いと思いますが、DGズミルックス15mm/F1.7ASPHの爆速AFとは比べようも無いのは事実です。
AFは滅多に迷いませんが、一度迷い出すとキリがありません。近接時にその傾向が多いような気がします。
中央電球のフィラメントに合焦しているように見えますが・・・実はその手前の花にAFターゲットを合わせているんですがね。頑固に電球に合焦させたがるんですよ、何故か!
「違う違う違う そうじゃ そうじゃなあい~♪」なんて鼻歌交じりに許すしかありませんでしたが、AFモードをS-AF/MFにしておいて「迷い だしたらMFで無理矢理焦点位置を移動させて」再度AF、の手順で殆どのケースは対処できるようでした。
風に揺れるドライフラワーと背後の電球をボカして・・・と思いつつ、AFモードをC-AFにしてテスト。
う~む!C-AFは無いものと考えて・・・と思ったら、撮影後にパナソニックさんの製品案内でスペックを確かめたところ「コンティニュアスAFには対応していません」と明記されていました。なるほど。
純粋なスナップレンズってところですかね。
と云うものの、このコンパクトさでこの大口径はとっても魅力的。写りも上々です。
今現在、マイクロフォーサーズ規格の軽量な単焦点レンズはどれもこれも魅力一杯なモノばかりですが、このLUMIX G 20mm/F1.7Ⅱ ASPH.もまた悩ましい存在である事は間違いないようです。
パナソニック LUMIX G 20mm/F1.7Ⅱ ASPH. H-H020A
レンズ構成:5群7枚(非球面レンズ2枚)
絞り構成:7枚羽根 円形虹彩絞り
寸法:φ63x25.5mm
フィルター径:φ46mm
重量:87g
お問い合わせはレモン社又はナニワオンラインまで
担当:松浦