今回使ったのはフルサイズをカバーするSONYのαEマウントレンズ、「Vario-Tessar FE24-70mm F4 ZA OSS」ですが。例によってあまりに名前が長いので、以下「SEL2470Z」と略させていただきます。
SONYからは一回りコンパクトな「SEL2870」がα7のキットレンズとして存在しますが、こちらは「ZEISS」の冠を持ち広角域も24mmに拡大されています・・・重量もちょっぴり増えますが、そこは何かしらトレードオフする、と云う事でご理解いただければ・・・
SEL2470Zは開放F値をF4固定としていますが、広角側・最短付近で撮影してみますと。
流石に24mmと云えどもかなり被写界深度は浅いですね。敢えて背後に電線を入れていますが、然程神経質なボケ方にはなりませんでした。周辺光量落ちもそれなりに認められますが、開放付近ではやや甘い描写になるので軽いシェーディング効果と思えばよろしいかと。
35mm付近でちょっぴり絞ると、一気に端正な描写となります。
基画像を拡大すると、屋根の苔もしっかりと描きこんでくれていました。
曇天でなにかとフラットになりがちだったので、露出は-1ばかりアンダー側に補正をかけていますが、緑色にも色々あるのもちゃんと再現してくれました。
続いてまたアンダー気味にして。和式建築の土蔵の扉です。
ギリギリのところでシャドーが潰れない、階調再現性の広いレンズのようです。何だか扉の向こうに「絶対に開けちゃダメなつづら」的なモノがしまい込まれていそうな気が・・・
「SEL2470Z」の最短撮影距離は全域で0.4m。特別際立ったスペックではありませんが、普段使いには十分な近接能力でしょう。
今回は天候に恵まれませんでしたが、好天時に同じ状況で発色を比べてみたいものです。
望遠側でちょい絞り条件で解像力を試してみましたが、これがまた見事な斬れ味でした。
画面中央の瓦を拡大してみますと。
このSEL2470Z、決して安いレンズではありませんが、「そりゃ安くはないだろうよ」と納得の解像力です。安ければ尚結構なんですが・・・
個人的には、28mm以上の広角レンズに関して「散漫になりやすいから要注意」と云った考え方を持っておりますが、室内撮影での扱い易さから24mmの画角はオススメです。
正座の状態で撮影したので、やや下からのアングルとなりました。その為に画面端付近の障子の桟が少し上すぼまりですが、嫌な歪みはありません。
都心では紅葉の盛りまでまだ間がありますが、このところの秋めいた空模様の為かちらほらと気の早い葉っぱもありますね。
厳密にみれば僅かに色収差も見受けられますが控えめな印象で、決して下品な色滲みではありません。正直な話、かえってこれくらいが写真らしいのかも、とも感じます。もっとも、晴天時にはまた違った印象を持つことになるのでしょうが。
本当は晴天下で色抜け/色ノリの具合、耐逆光性等も確かめたかったのですが、ここ数日如何せん機材を持ち出す度に雲が出る有様でした。
それでも、縁があれば晴れ空の下でもう一度いじくり回してみたくなるレンズ(それなりなお値段ですけど)であることは事実です。
SONY SEL2470Z Vario-Tessar FE24-70mm F4 ZA OSS
レンズ構成:10群12枚(非球面x5・EDx1)
絞り構成:7枚羽円形絞り
最短撮影距離:0.4m
フィルター径:φ67mm
寸法:φ73x94.5mm
重量:426g
お問合わせはレモン社又はナニワグループオンラインまで
レモン社銀座店 松浦