今回は宮崎光学のアポクアリア28mm/2を試写しました。前回の35mmに引き続き2回目の試写です。
レンズの非球面化により高性能・大型化になった広角系のレンズが多い中、宮崎さんはガウスタイプにこだわり軟らかさを探究して作ったレンズとのこと。
28mmがなかったことが不思議なくらいで、広角使いの方の中には待ちに待ったレンズではないでしょうか。
ソニーα7を使い撮影慣れしている隅田川にてテストを行いました。カメラ側の機能は全てOFFにしています。
開放から何段絞っても周辺光量落ちが認められましたので中間の写真は割愛致します。
現代のレンズのように全絞りで均一な写りをするワケではなく、漠然とオールドレンズを試したい方に開放よりで使用すれば要求を満足するレンズと判断致します。
各種収差を抑え切れていないのが、本レンズの味だと思います。
ここまで暴れるのかと思うほど、耐逆光性能は低いです。
それならば太陽を隠してしまえば、特に問題なし。
次ぎに斜光でテストすると、ゴーストは発生しますが、太陽の下でトリムしてしまえば、何とか絵作りは出来そうな気配がします。
太陽を背に被写体を見上げる形で撮影しました。この季節に赤が目をひきます。発色は極めてノーマルなのですが、撮影条件によっては派手に感じる時がありました。
煉瓦、鉄の扉と壁の質感は煉瓦の質感が一番被写体に近い描写です。軟らかい描写のレンズなので金属の描写は目をつぶらないといけないかも知れません。
無いわけではないけど、ディストーションは非常によく抑えられています。
カメラの性能の恩恵で明暗比の高い構図でも絵になってしまいます。
色の濁りもなく自然な感じはします。
コンタックス645用のプラナー80/2.8に近い描写と感じました。周辺の流れがいい味となって、オールドレンズ風な現代のレンズではないでしょうか。
白が映えるレンズとの判断で白を撮影しました。非常に抜けがよく綺麗な白を撮ることができました。
また、本レンズで桜を撮りたい衝動に駆られました。
レンズの軟らかさと被写体の軟らかさで、ハイライトを上手に捕らえられれば幻想的な写真の仕上がりが期待できます。