万年筆のおすすめ1本 パイロット ジャスタス
ここしばらくは新入荷のお知らせが続きましたが今回は自分が所有している万年筆の中からダントツに使用頻度が高く、1本で数本分のお得気分になるパイロットのジャスタスを紹介します。入手したのはもちろん中古でしたが、今までにない機能にはビックリしました!以前このブログにてパイロット95周年の復刻版となるジャスタス95の新品の取扱をお知らせしましたが、今回はその95でなく初代のジャスタスです。ジャスタスとは調節を意味するAJUSTに由来しJUST(ちょうど)+US(私たち)を組み合わせ“私たにちょうどいい”を表す造語とのことです。
ジャスタス95の元箱。初代のロゴは残念ながらは見た事がありません…
以前、レモン社では逆輸入のパイロットナミキブランドのナミキ・ファルコンという万年筆が爆発的にヒット商品となり海外からの輸入が足りない時期があったくらいでしたが数年前にナミキブランドでの生産がなくなり現在はパイロットブランドでエラボーとして生産は続いていますが、この2本のオリジナルの発売が70年代後半で、ほぼ同時だという事を恥ずかしながら最近になって知りました。ちなみに、その当時のジャスタスは現在とはもちろん物価は違いますが、定価が1万円(95の定価は現在3万円+消費税)だったようです。
左が初代で右が95です。一回り以上ニブが大きいのです
そしてこのジャスタスの機構についてですが、首軸にコントローラーとなるアジャストリングがあり、これを回す事によりペン先の板状にみえる部分がスライドしペン先のしなりをS(ソフト)からH(ハード)へと設定ができる仕組みになっています。1本でもペン先のタッチを柔らかく、または硬く調整できるのです。(ペン先が柔らかいといってもファルコン、そしてエラボーほどの柔らかさではありません)その後、ナミキ・ファルコンの生産が無くなり2013年に復刻されたジャスタス95を購入しましたががオリジナルと比べるとSとHの変化が少ないように感じます。
アジャストダイアルの刻印です
上がH、下がSサイドですが、明らかにタッチと字の太さが違います。
さらなる初代との違いは明らかに違うサイズでした。同軸が太く、長く、重さも、そして当然ですがペン先まで全てビッグサイズになっているのです。これが自分の第一印象でした!どちらかというと重くない万年筆といえるモンブラン145、ペリカンはM400を選んだ人間にはこのサイズの違いが大きく見えました。これに関しては人それぞれの好みなので良いとも悪いとも言えません…
毎回の様ですが長さ比べです。95はペリカンのM800より長いんです!
国産の万年筆は他のメーカーにもオリジナリティな作品が多く存在しますがパイロットの技術力と商品化は素晴らしいと思います。数年前にはカクノという金ペンではない安価(樹脂軸、特殊合金のペン先で実売価格が千円以下)の万年筆が2013年にグッドデザイン賞となりなした。次はキャップレス、エラボー(ファルコン)、ジャスタスの様なオリジナルのあっと驚く発想となる金ペンの登場を期待しております!!!
最後に6本で長さ比べも。もちろんカクノも購入しています。
担当:レモン社 銀座教会堂店 カラサキ