今回試用したのはオリンパス「M.ZUIKO ED14-150mm F4-5.6II」、35判換算で28-300mm相当をカバーする高倍率ズームです。試してみて良かったら入手しようかな・・・?なんて目論見を胸に秘めつつの撮影でした。
利便第一の高倍率ズーム/ある種のキットズームでもありますので、画質には過度な期待を抱かずに、むしろ軽量にして防塵防滴機構である事が大きな魅力と考えて・・・
実を申しますと以前に高倍率ズームを数本試しましたが、まぁM.ZUIKO ED12-100mm F4 IS PROは別格として。某社さんの14-140mmに「値段以外には特に不満無し・四隅の甘さは許す!」と云った感想を抱いた以外はあまり良い印象を持てないものでして。軽い不安を抱いていたのも事実です。
*M.ZUIKO ED12-100レビューはこちら
M.ZUIKO ED12-100mm F4 IS PROとはグレード・価格の問題から比較するのは野暮ではありますが、いずれも着けっぱなしで天候を気にせず使えるレンズではありますが、価格・サイズ・重量の点ではM.ZUIKO ED14-150mm F4-5.6IIがとても魅力的に思われます。
M.ZUIKO ED14-150mm F4-5.6IIは格納全長83mm。これは同社のマイクロフォーサーズレンズ12-50mmや40-150mmと同じ長さです。重量は285gですが、これはM.ZUIKO ED12-100mm F4 IS PROの561gに対してほぼ半分。歩き倒す時なんか、このちょっとの差が後々効いてきそうです。
●逆光撮影から始めましたが・・・四隅もついでに。
すっかり太陽の高くなった6月。まずは逆光撮影です。28mmではちょっとカメラを上に振らないと太陽が入らないAM10:00です。
*縦位置画像以外、クリックで画像拡大できます
逆光ながらコントラストは維持されて・・・などと思いつつ、隅の日の丸を見るとちょっと緩いですね。広角端、流石に絞り開放では四隅も厳しいかな、と。
少し絞った条件で撮影してみますと。
例によってマイクロフォーサーズにお馴染みの桃紫のビーズのようなゴーストがチラホラと登場です。
ほぼ標準域までズーミングしていますが、この条件では四隅も「ほぼ」しっかり結像しています。
●きっと望遠開放は甘いと思いますが。
M.ZUIKO ED12-100mm F4 IS PRO程の高性能は期待していませんでした。そうですとも。でもひょっとしたら・・・と思ってしまうのが人情です。結果は無情でしたけど。
画面中央部を除いては、ゆる~い結像となっています。
1段絞ってF8で再挑戦してみますと。
あまり有意な差が認められない、とお感じの方もいらっしゃるでしょうか・・・中央部付近の細かい部材のエッジが改善、四隅はちょびっと改善したかな、と云った程度です。
望遠側100mmあたりを試しましたが・・・
前回M.ZUIKO ED12-100mm F4 IS PROで撮影した時と同じアングルで撮りたかったのですが、丁度イベント設営の真っ最中のようで立ち入り不可。微妙に前回とはアングルが違いますが・・・なんでF11で撮ってるかってお聞きなさる?それは、F8でも煉瓦の目地が流れて締まりの無い画像だったからです。正直、回折が気になる処ではありますが・・・
望遠側では、それなりに絞っても周辺部は甘い傾向が強い印象です。この点はP社の14-140が上手かな、と感じますね。
↑砲身、給弾ベルト共に緩いですよね・・・
この日は横浜大桟橋に、たかみな・・・じゃなくて護衛艦「たかなみ」が来ていました。13時から乗船可能だったそうですが・・・今回は断念。
それでも換算300m相当の画角、換算しなくとも150mmの焦点距離は圧縮効果が期待できますので、回折も恐れずシッカリ絞って楽しむのもよろしいかと思います。
周囲は緩いなりに、欲しい被写体を素直に真ん中に持って来て構わないなら実用性は十分です。
開放ではややピントも甘いように感じていたので、F8で。
親しげながら用心深い雀なので、連写しながらジワジワとにじり寄って撮影です。
周囲が甘い・緩いなら、ズーム全域での最短撮影距離0.5mを活かしての撮影も楽しめますね。
絞れば画質が良くなるのは当たり前だ!なんておっしゃる方もいらっしゃいましょうが、どうかこのレンズが高倍率ズームである事をお含みおきいただきまして。
中間域の焦点距離も、ちょっぴり絞ってあげるべきでしょうね。
レモン社 松浦
M.ZUIKO ED14-150mm F4-5.6II
レンズ構成:11群15枚(DSA/ED非球面/EDレンズ各1枚・HRレンズ3枚)
絞り羽根:7枚円形絞り
最短撮影距離:0.5m
寸法:φ63.5×83mm
フィルター径:φ58mm
重量:285gレンズフード付属
お問合せはレモン社各店
又はナニワオンラインまでどうそ