今回はPENTAXのQシリーズ用交換レンズ「PENTAX 06 TELEPHOTO ZOOM」をテストしてみました。
Q7に装着した場合、35判換算で69mmから207mm相当をカバーする重量約90gの超軽量望遠ズームですが、なんとまぁ侮れない事に開放F値はズーム全域でF2.8通しの優れものです。
撮影にあたってはズームリングを回転させ、沈胴状態から12mmばかり繰り出された状態になりますが、この状態はズーム全域で長さが変わりません。
外装の質感は悪くありませんが、この繰り出し操作の際のクリック感は・・・正直に申し上げればかなりチープな感触ですが、PENTAX Qシリーズを愛せる方々は(私も含め)「可愛ければ許す」くらいの事を云ってのけるのではないでしょうか?
*Q/Q10では83mm~249mm相当のズーム域となります
小さく可愛く携帯性良好ではありますが、こうなるとついついイージーに構えてしまいがちです。とは云え、望遠端で換算200mm越えのレンズになりますので、手ぶれ補正内蔵ボディではありますが撮影に際してはホールディングに気を付けましょう。
それでは早速実写へ参ります。
●近接とボケ
公称ではズーム全域での最短撮影距離は1m。大手メーカーの一眼レフ用70-200mm F2.8クラスの最短撮影距離が1.1m~1.2m程度である事を考えると特に不満はありませんが、本音を云うと「もう半歩分でも寄れたらなぁ」とも感じます。
まあ、あと一歩踏み込む勇気があるかどうかは別の話ではありますが。
絞り羽根5枚構成のレンズですが、背後の輪郭が特にうるさくなる事もなく素直なボケ具合です。
マクロ的な表現であれば、06 TELEPHOTO ZOOM よりは02 STANDARDの方が向いているかも知れません。
一方、02 STANDARDで望遠端/最短付近ですと・・・
開放絞りは1段半ばかり違いますが、近接撮影遊びに関しては02 STANDARDの方が寄れるわ滲むわで向いていそうです。
望遠端209mm相当とは云っても、実際の焦点距離は45mm。背後との距離等を考えないとボケは期待出来ませんから、気を付けましょう。
ついでに、ごくごく大雑把な玉ボケチェックがこちら↓
●周辺光量/周辺画質
ズーム全域で、開放でははっきりと四隅が落ち、F4であまり気にならなくなり、F5.6で解消する、と云った具合になりましたが、周辺画質の低下も同じでした。
絞り開放では明らかに周辺部が緩く、上の写真でも画面下の窓、手すりなぞかなり甘くなっています。
一段絞ってF4ですと・・・
幾らか改善し、そう目くじら立てる事もないかな、可愛いから・・・位のレベルになりました。
今度はF5.6まで絞ります。
グリグリ拡大するような事をしなければ、周辺画質も問題無くなりました。
基画像で見ますと、上デッキの手すり等々にはっきりと顕れていた色収差も、F5.6までは目につきました。まぁ、敢えて収差の目立ちやすい被写体を使っているのですが・・・
広角側でも周辺画質を試してみましょうか。
画面中央部以外がかなり甘~い状況になっています。
こちらも一段以上絞る事で大きく改善します。
両脇の建造物等も大幅に引き締まった画質になりました。
画質優先と云う事であれば絞りF5.6以上がオススメ。
画質よりも大切なモノがある!と云う場合は絞り開放も積極的に使っていきましょう。
●逆光
普段から02STANDARDが逆光に強いわけがないと思いながら使っていますが、今回の
06 TELEPHOTO ZOOMも似たような傾向でした。画面に直接太陽はNGです。
画面からギリギリ太陽を逃がしてあげられると、やや眠いなりにもフレア/ゴーストを回避できました。
耐逆光性はちょっと残念なようなので、この06 TELEPHOTO ZOOMをお使いの際は極力フードを装着される事をオススメします(別売ですけど)。
06 TELEPHOTO ZOOM、使い始めると小型軽量化故の無理もあるとは感じますが、Qシリーズをお持ちの方々にはまず「Must Buy」なレンズだとオススメします。何しろ他に選択出来るモノが無い・・・じゃなくって、とにかく可愛いレンズですから!
PENTAX 06 TELEPHOTO ZOOM
PENTAX Qマウント
レンズ構成:10群14枚(EDガラス×2・異常低分散ガラス×1)
絞り羽根構成:5枚
レンズシャッター、NDフィルター内蔵
最短撮影距離:1m
フィルターサイズ:φ40.5mm
寸法:φ50×56mm(格納時)
重量:90g
お問合せはレモン社各店
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ブログ作成 :レモン社 銀座店 松浦