今回は、当店に新入荷した カールツァイス ディスタゴンT*2/28mm ZF についてレビューします。
撮影日は午前中10時頃まで強い雨で、その後は強風が吹き荒れました。
強風のなか、なんとか身体を支えながらの撮影となり、とにかくぶれないようにするのが大変でした。
まずは、商品のご紹介です。
新入荷「ツァイス ディスタゴン 28/2 ZF」
フード、FRキャップ付
ランク AB ¥70,000-(税込)
外観は、ヘリコイドリングの塗装に細かな剥がれが見られますが、レンズ内部はキレイな状態です。
ヘリコイドリングの動きも滑らかで、良好です。
惜しまれつつも生産が完了したモデルです。メイドインジャパンの緻密な作りが手に心地よい、孤高のコシナ製マニュアルフォーカスレンズです。
撮影に使用したボディは「ニコンD7000」です。Ai-Sレンズと同等の使い勝手となりますが、画角はフルサイズ換算で42mmほどです。
もともとディストーションがとてもよく補正されたレンズ設計なので、センサーサイズがAPS-Cのカメラだと、絵にほとんどネガティブなところが無く再現されると期待できます。
早速そのアドバンテージを確かめるべく、絞り開放無限遠の周辺光量落ちと、逆光のフレア・ゴーストを試します。
周辺光量落ちは気にならないレベルです。また、画面左下に反射で入っている太陽のフレアの影響はビルの壁面上方に見て取れますが、画面全体への影響は微量です。
良好なヌケのよさとフレアコントロールを実現しています。
続いて、解像度と色収差をみてみましょう。
コントラストが高めのなかなかシャープな画像です。
壁面のラウンドした感じがよく表現されていて、立体感と奥行きを感じさせます。
ただ、窓枠を拡大してみると、エッジに色にじみが確認できます。
光学ガラスに鉛を使用していた頃のツァイス双眼鏡も、同様のにじみが見られましたが、このレンズと同じように立体感の再現に優れていたことを思い出しました。
最短撮影距離を絞り開放で試しましょう。
30cm未満で撮影。フローティング機構を採用していて、近距離でもコントラストとシャープネスは良好なようです。
また、ボケがうるさくなく、芯がありながらもたいへんキレイで感動ものです。
次に、無限遠で開放とF4に絞っての比較をしてみます。
露出補正は無しでF4ではオーバー目に出ていますが、拡大して確認するとやはりF4でのシャープネスが心地よいです。
開放では、被写体に独特の存在感を引き立たせる感じがします。
あとはおまけカットです。
強風の中を歩く
旧淀橋浄水場蝶型弁の内部
今回使用してみて感じたことは、コンパクトなレンズなのにずっしり重く、高級感がありヘリコイドの操作感がAFレンズと段違いによいことでした。
描写性能も、優秀なコーティングとフローティング機構の恩恵を感じさせるものでした。
主な仕様 :
商品は2015年12月11日現在、レモン社新宿店において販売中です。また、オンラインショップでもお求め頂けます。