今回のレモン社新宿店ブログは、新品 「キヤノン EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM レンズ」をご紹介します。
手ごろな価格のコンパクト望遠系ズームレンズですが、最新ステッピングモーターを採用する軽快感に優れるレンズです。瞬発力のあるトルクを発生するモーターで、AFの動作がクイックで静かです。35mm換算で望遠側は350mmを超える超望遠域に達します。
イメージスタビライザー採用と軽量・コンパクトさで、全焦点域手持ちで撮影出来てしまいました。撮影にあたっては、サイズ的に相性抜群の「EOS KissX8i」を使用しました。
それでは早速レビューに移りたいと思います。
まず、高倍率望遠系ズームレンズのテーマとなる、望遠側絞り開放での色収差を試します。
拡大して確認しても、鎖のエッジと鳥の輪郭部に色の滲みがまったく見られません。ボディ側の収差補正は、オートに設定しましたが、それにしても見事で関心してしまいます。入門クラスの望遠ズームレンズなのにですよ。では、55mm側ではどうなのか確かめたくなります。
こちらも、船舶の輪郭部や艦橋部の各エッジをみても、色滲みは確認できません。うーん、すごいですね。トーンの再現も良く、船体の曲線が再現されていますし、背景の雲とも分離して描写できています。全田的にヌケがもう少しほしい印象ですが、撮影日は大気の透明感があまりよくありませんでした。
続いて、55mm側絞り開放で周辺光量落ちの具合と解像力変化をみてみます。
連続して絞りを変化させてみましょう。
周辺部に光量の変化はみられません。やはり望遠系ズームなので、絞り開放から画面の均一性が保たれているようです。メーカーのMTF曲線をみても中間画角からの落ち込みが少ないですよね。
絞りの変化による解像感の違いは僅かに感じられます。
F4とF5.6を部分的に拡大比較すると、やはりF5.6の方が文字などのエッジがシャープに描写されています。
次は、またも55mm側で絞り開放で、逆光でフレアやゴーストなどみてみます。
少しフレアの影響を受けて、全体が白くベールを被った印象です。ヌケがもう少しほしいと感じましたが、トーンは出ているので実用上は文句ありません。
続いて、350mm超の望遠圧縮効果を試します。200mmを超える望遠となるとついやりたくなるんです。
?遠近感が希薄になり、被写体の前後が分かりづらく描写されます。なにか不安感ににも似た感覚を味わえる気がします。
さて、ファミリーユースとしてこのレンズが活きるのは、やはり高倍率の画角変化だと思います。豊富な焦点距離が、この1本のレンズの中に含まれているわけで、被写体と背景が劇的に変化します。
人物が主役なら、家族写真に表現の幅がうんと広がります。
あと、このレンズ、250mm側でマクロ的な撮影に向いている面があります。
古い洋館のバスルームのアンティークなシャワーヘッドです。立ち入ることの出来ないシチュエーションでも、遠いワークディスタンスでも、ご覧の通りマクロの領域にまで引き寄せることが出来るのです。なかなか質感描写に優れています。
あとは、おまけショットのご紹介でございます。