今回は、前回 FUJIFILM X-A2をレビューした際に用いた、FUJIFILM XC16-50mmF3.5-5.6 OIS IIについて、レンズテストリポートとして取り上げさせていただきたいと思います。
35mm換算で、24mm~76mmをカバーする標準ズームレンズです。
新しくリニューアルされてより磨きがかかっているようです。非球面レンズが3枚も採用されていたり、異常分散ガラスが使われていたりと標準ズームなのに贅沢設計ですね。ワイド側で最短撮影距離が15cmと、これから写真を始められる方には、かなり本格的なマクロ撮影も出来て楽しいことうけあいです。レンズ単体で 195g とかなり軽量ですが外観は高級感があり、初めにそろえて頂いていいレンズだと思いますです。はい。
夜景モードですが三脚なしのきわどい手持ち撮影です。夜景というと華やかなイルミネーション撮影のイメージですが、こういう渋ーい感じの被写体で試すのが好きです。このような光量の少ない状況下でも、色の彩度がクッキリしています。フジノンレンズの系譜の色合いを感じます。やはりボディだけでなく、レンズの色再現も良いのですね。
背面モニターの角度を調整して、ローアングルショット。焦点距離16mmの広角を備えていると、ついローアングル撮影がしたくなりますよね。それにしても、明暗のコントラストがきついシーンで、よくガチガチになりませんね。とてもダイナミックレンジが広く感じられます。白とび黒つぶれがないですもの…
こういう諧調再現のよいレンズやボディに助けられていると、撮影が楽で写真がいっそうへたくそになっていきそうで怖いです。
ワイド側開放で無限遠解像力を試してみます。
画面四隅まで、十分に解像しています。歪曲も抑えられています。クレーンのケーブルなど空に食われることなく描写されています。全体的に眠い被写体ではありましたが、標準的なズームレンズでこれだけ色とトーンが出るのは立派です。特に船舶の白と、左右のビルの白の濃淡が上手く描き分けられていて驚きます。快晴ではない空のトーンも難なく描写されています。
望遠側での解放・無限遠のテスト。ううーん、良く解像してますねー。コントラストと諧調のバランスがとても上手く同居してます。 もともと中望遠域の解像力が良いレンズは多く存在し、画面全体に均等に高画質傾向ですが、ワイド側もおざなりにせず望遠側でもこのクォリティーを、標準ズームで確保するのは立派じゃないでしょうか。
橋梁の細かいパターンや画面右の小型作業船の描写など、実にシャープで厳しい状況下でも色再現が良いです。
最後に最短撮影距離15cmのスペックを使ってマクロ撮影。
目が怖い…。カメラの使い勝手が良く、フォーカスさせやすかったです。
テストを通して、AF動作が軽快スムーズで使い心地が良く感じました。
失礼な話、標準ズームレンズには過度に期待はしておりませんでしたが、どうしてどうして、とても良く作られていました。オールガラスレンズ構成を採用している点からも、富士フィルムさんの気合度が伝わってきます。
型番 |
XC16-50mmF3.5-5.6 OIS II |
レンズ構成 |
10群12枚 |
(非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚) |
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焦点距離 |
f=16-50mm |
(35mm判換算:24-76mm相当) |
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画角 |
83.2°- 31.7° |
最大口径比(開放絞り) |
F3.5-F5.6 |
最小絞り |
F22 |
絞り形式 |
羽根枚数 |
7枚(円形絞り) |
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ステップ段差 |
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1/3ステップ(全17段) |
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撮影距離範囲 |
標準 |
0.6m - ∞(ズーム全域) |
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マクロ |
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広角:15cm ~ 10m |
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望遠:35cm ~ 10m |
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最大撮影倍率 |
0.2倍(ワイド端) |
外形寸法:最大径×長さ(約)※先端よりマウント基準面まで |
o62.6mm×65.2mm(ワイド端)/98.3mm(テレ端) |
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質量(約) |
195g |
※レンズキャップ・フード含まず |
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フィルターサイズ |
o58mm |
略称 |
F XC16-50MMF3.5-5.6OISII (ブラック) |
F XC16-50MMF3.5-5.6OISII S (シルバー) |
ご来店お待ちしております。