今回は、「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mmF3.5-5.6IIR」を「OLYMPUS PEN Lite E-PL6」に装着してテストしてみました。
このレンズは、いわゆるキットレンズで標準系ズームレンズですが、テストしてみるとなかなかどうして大変バランスのとれた優秀なレンズでした。コストパフォーマンスと軽量・コンパクトさ、そして性能と全てが求められるわけですから重責です。多くのユーザーが最初に手にするこのレンズでブランドが判断されるとなると、うかつなモノを作るわけにはいかないのです。
ボディは一世代前の機種ではありますが、その性能は既に高い評価が定着していて、まだまだ現役機材として活躍しています。
非常に強い夏の光線下ですので、このカメラの売りでもある「ISO LOW 」ISO 100相当、に設定して出来るだけレンズ性能が出やすいようにしました。
撮影地は、観光の方達で超絶的な賑わいを見せる浅草の浅草寺界隈です。
久しぶりに訪れましたが、聴いていたとおり外国からの観光客一色といった様相です。飛び交う言語を聴いていると日本じゃないみたいです。
駅出口近くにあるレストランテラスの照明を使って、タッチAFの使い方を確認します。
モニターに映し出されたランプの一番手前を、画面を直接指でタッチしてフォーカスします。スマホと同じです。
ランプシェードが立体的に描写されますね。
単色の被写体で出やすい、ノイズ感を見てみます。拡大してお見せしないと分かりづらいのですが、整った粒子に感じます。でも、ベタッともしていません。見た目に近い朱色で、好感が持てます。レンズの解像性能もコントラストとのバランスが良いのでしょうね。
黄色も素直な発色で、炎天下での見た目に近い色に描写されました。
望遠側で、仲見世通りを圧縮して表現。これ、準望遠・望遠で良くやるんです。あまり性能と関係ないんですが、好きです。背面ディスプレーがチルト&リバース式なのでハイアングル撮影が楽です。こういう混雑時の撮影では、やはり可動式の液晶ディスプレイが付いていると助かります。カメラを頭の上に構えても、ちゃんとフレーミング出来ます。
今度はワイド側で、低めに構えて撮影。こちらの絵の方が、人が空いているような印象になります。ブルーの発色が良いですねー。
さて、マイクロ4/3のサイズでボケはどうでしょうか。フルサイズ機やAPS-C機と比べると、少々センサーサイズが小さ目なので、ボケにくい印象がありますが…
標準焦点距離では、絞り開放近距離でも背景説明が割と情報量多めに描写されます。もっとボカすには解放値の大きいレンズが必要でしょうか。でも、満足いくボケ具合となりました。
望遠域で開放で撮れば、このように背景のボケ量は大きく、さらに満足。
ただ、気を付けなければならないのは、作例の様に同じ焦点距離と絞りの設定でも、僅かに撮影距離を遠くしただけでもこのように一気にボケなくなりますので、被写体との距離関係には神経を使わなければなりません。慣れでカバーできると思います。
タッチAFを使うと、前後の被写体へのフォーカスの切り替えが非常に簡単です。スマホで慣れてますよね。
先程の仲見世通りと同じく、望遠域で絞って圧縮。照りつける暑さと熱気が感じられますか?
縦位置でのショットですが、オリンパスが提唱するレンズのテレセントリック設計の効果を期待して撮りました。
ボディは小さ目のセンサーサイズをあえて採用し、レンズと撮像センサーの大きさをバランスさせることで、センサー周辺まで光を真っ直ぐに届けることを考えたのです。結果、広角レンズでも画像周辺部まで良好な画質を得る事が出来るわけです。
確かに良く解像してます。キットレンズといえども侮れません。軽量・コンパクトながら良く練られているようです。
あとは、おまけ写真ですが、暗部の再現性もなかなかであるところも見て下さい。
「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R」仕様
焦点距離 | 14-42mm(35mm判換算28-84mm相当) |
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最大口径比/最小口径比 | F3.5 (14mm) - F5.6 (42mm) / F22 |
レンズ構成 | 7群8枚(非球面レンズ3枚) |
画角 | 75° - 29° |
AF方式 | ハイスピードイメージャAF(MSC) |
最短撮影距離 | 0.25m(焦点距離14-19mm) / 0.3m(焦点距離20-42mm) |
最大撮影倍率 | 0.19倍(35mm判換算 0.38倍相当) |
最近接撮影範囲 | 91 x 68mm |
絞り羽枚数 | 7枚(円形絞り) |
フィルターサイズ | 37mm |
マウント規格 | マイクロフォーサーズシステム規格 |
大きさ 最大径×長さ | O56.5mm x 50mm |
質量 | 113g |