ライカ親爺のうんちく(まだ、やります)

シンクロ撮影
ライカ発売当初は、ストロボやフラッシュ撮影は対応できなかった。まず、ストロボ自体が存在せず、フラッシュバルブも電球自体が無く、マグネシュウム粉を使ったポンだき状態だった。1930年代に、フラッシュバルブ(閃光電球)が発売されたが、シャッターに同調することが出来ず、間に合わせで同調させる時代が続いた。底蓋にフラッシュガンが取り付けられ、シャッターブレーキのタイミングで同調させたものや、高速シャッターダイヤルに3カ所凸部のあるものに交換して、ダイヤルの回転に合わせて同調させることが続いた。フラッシュバルブには、ガラスの破損防止にビニールコーティングがされているが、戦前にはされておらず、破片が飛び散ることが多かったので、飛び散ったら現場から一目散に逃げたという話を、大先輩からお聞きしたことがある。
戦後、Ⅲfからシンクロ同調が可能になった。高速ダイヤルの下に、コンタクトナンバーという数字がある。使用するフラッシュバルブに対応する数字を合わせ、使うのだが完璧な同調となり、製造のばらつきもわかるほどだったという。生産途中で、シャッタースピードの変更があり、初期はコンタクトナンバーが黒、後期は赤にペイントされている。ストロボの場合、ブラックシンクロは1/30で2にセット、レッドダイヤルは1/50で20にセットすることで撮影が可能になる。なお、36万番台からのシンクロ改造品は、コンタクトナンバーが異なるので、注意されたい。
フラッシュバルブは、糸状にした発光材入っており、瞬間的に燃えるのではない。このため光量がピークに達した時に、シャッターが走り始め、閉じるときに燃え尽きる必要がある。ストロボは、瞬間的に光るので、シャッターが全開している時に光ればよい。このため、シンクロのタイミング調整が必要になる。このため、Ⅲfでは、各々の調整を行った。
Ⅲgになって、各々の調整をせずに撮影が可能になった。国内メーカーのカメラでは、接点は同じで、切り替えスイッチのあるものや、X接点(ストロボ)とFP接点(フォーカルプレーンシャッター用閃光電球)の2つの接点のあるカメラが存在する。ライカも時代に伴い、M4-Pの末期からFP接点が廃止され、X接点のみとなり、ホットシューと2カ所になった。
フラッシュバルブは、プリントゴッコにも使われた。フラッシュバルブは知らなくても、プリントゴッコを知っている世代と、知っている物が逆の世代がいる。あなたはどちら?
あっ、すみませせん、どちらもご存知でしたね!


ⅢGのダイヤル。コンタクトナンバーが無い


ⅠFのダイヤル。レッドダイヤルタイプ