ライカ親爺のうんちく(まだまだ)

  焦点距離区分


 以前、実焦点距離のお話をさせて頂いた。手持ちの書籍に、資料があったので、記載させていただく。

 加工品は公差が決められている。その中でもレンズは、プラスマイナス1/100台の公差で研磨される。貼り合わせレンズは、トータルの公差が決められているが、薄いレンズ同士や厚いもの同士では、公差をオーバーする。その為、厚い物+薄い物で無駄が無いように組み合わせる。それでも、生産したレンズは設計値と異なることが有り、ライカはそれを律儀に表示していた。繰り出し量の異なるヘリコイドを用意して、距離計の基本設計値である51.6ミリの移動量と同等にして、無駄が無いようにしていた。

 レンズ交換可能なC型の時、始めは使用するカメラの番号の下3桁が刻印されたものしか、使えなかった。それはレンズをそのボディに合わせて調整したためで、基準がなかった。それではまずいという事でフランジバックを28.8ミリに設定し、対応レンズでの互換性を維持し、距離計連動カムが付いた時、バラつきを補正して問題の無いシステムが構築された。

距離計カムのあるレンズであれば、互換性は維持されているので、刻印を見つけても気にする必要はない。安心して使って欲しい。


エルマー50/3.5              ヘクトール50/2.5                                       48.6     3              50.5     0     

49.6     1              51.0     2

50.5     0              51.3     6

51.0     2             ズミター/ズミタール50/2

51.3     6              51.6     7

51.6     7              51.9     8

51.9     8              52.2     A


クセノン/ズマリット50/1.5        エルマー50/3.5(M)

51.1     2              51.3     X

51.32    D              51.6     Y

51.45    G             エルマー50/2.8

50.9     C              51.6     Y

                        51.9     Z

                        52.2     W

朝日ソノラマ刊 中川一夫著 ライカ物語より