商品レビュー:フジ XF23mmF2 R WR

今回試用したのは富士フィルムのXマウントレンズ、XF23mmF2 R WRです。

以前からXF23mmには開放F値1.4の大口径モデルが存在し、その人気も根強いモノがありますが、こちらのXF23mmF2 R WRは一回り小型軽量かつ防塵防滴仕様となっており、大変取り回しの良いレンズに仕上がっている模様です。

XF23mmF2 R WR シルバーもあります。

●外観・操作感触
取り敢えずレンズをX-PRO2に装着してみますと、明らかにF1.4モデルよりもAFが素早くなっているのに軽い喜びを感じます。

MF操作も程よい感触で、ストレス無くピントを追い込めます。

強いて難点を挙げるなら……付属のフードは小振りで収納性に富みますが、美観にうるさい方には嫌われるかもしれませんね。

ちょっぴりユーモラスなルックスではあります。

好みの別れそうなドームフード。

私個人は手持ちの単焦点レンズの殆どにドームフードを装着しているので、何ら違和感を感じません。

バッグから素早く引っ張り出す際にも、妙に気取ったデザインのフードより取り回しやすいように感じています。

それでは実写へと参ります。

先月、部屋の片隅にあった「鴨川ホルモー」や「有頂天家族」やらを読み返して以来、「そうだ、京都に行こう」な気分ではありましたが……なかなかに箱根の関は越え難く。

近場でそれっぽく古都の香り漂う処、と云う事でいざキャバク・・・いえ、鎌倉へと足を運びました。サービスタイムにゃまだ早い!

*カラー作例は全てASTIAモードを使用しました。

●絞り開放・最短付近が美味しいです。
先行モデルのF1.4と比較するならば1段暗いのは事実ですが、それでもF2は十分明るいレンズです。

こう云ったレンズを使うに際しては、どうにも絞り開放を楽しみたくなってしまうものです。

ちょっと絞れば優等生らしい写りをするのはもはや最近のお約束。「これは仕事」と思いつつも、絞り開放を楽しみたくなってしまうのです。

F2(絞り開放) 1/2700Sec.

合焦部もほんのり柔らかく、背後は神経質なボケにもならず。何かしら霞がかかったかのような、なかなかソフトな描写です。

今度は絞り気味の画像を。

F7.1 霞が晴れたようにスッキリと。

最短付近ではこの霞っぽい傾向が更に目立ち、最新レンズとしては異例な独特の甘さがクセになるかも知れません。

F2 1/1100Sec.

部分拡大すると。

トリミングしました。

実際には霧も霞もかかっていませんが、予想以上にソフトな描写はちょっぴり古典レンズ的? ソフトフィルター等、使用しておりません。

少し絞ってF4にしますと……

F4 1/340Sec.

最短付近でも、F4辺りから締まった描写へと態度を変えますが、それでも硬い感じはありません。

最短でもないし、開放でもないF2.8では・・・?

F2.8 1/800Sec. まだどこか、ほんのりとした描写

又、絞り開放でもある程度被写体との距離を取った状況であれば、抜けの良い描写を得られます。

F2 1/6000Sec.

高価でデカいAPDレンズではありませんが、絞り/距離と描写の関係を何となく掴んでおくとあれこれ描写の使い分けできそうです。

●絞り気味で
寄ってボカすのも楽しいですが、このXF23mmF2 R WRは35判換算で35mm相当の画角の準広角レンズです。

ちょいと絞って被写界深度を稼ぐのも本来の使い方ではあります。その時の描写は……。

F5.6 1/240Sec. 白文字に色滲み無し!

平面的な被写体ではありますが、石碑のほぼ全域をキッチリ鮮鋭に描写。

小姑染みた事を云いますと、画面下の両脇が極々僅かに甘くなってはおりますが……おおまかに「画面の中央あたり」については、F5.6で絞れば実用十分になると感じました。

F5.6 1/120Sec.

↑尊そうな方々一通りはF5.6で手堅く描写です。

F6.4 1/340Sec.

苔むした岩の手前に合焦させていますが、奥はややアウトフォーカス気味。手前の画面隅については、実用十分なレベルになりつつある、と云った印象でした。

折角X-PRO2との組み合わせなので、何となくACROSも。

F9 1/1400Sec.

F6.4 1/420Sec.

鎌倉辺りの聖域は16:00で閉門となる処が多いようなので、夕刻には海へと向かいました。

F4 1/1900Sec.

F5.6 1/450Sec.

あれこれと材木が積まれていますが、ここは由比ヶ浜海岸です。

材木座海岸ではありません(材木座海岸はギリギリ画面から外しております)。

6月の頭ではありますが、既に海のYeah~♪の準備中と云った処でしょうか?

この日はまだ、目立った周辺光量落ちを体験できていないので改めて絞り開放で、とテストしたのですが……。

光量落ちをこよなく愛する人には物足りないレベル、全域で均等でないと気持ちが悪いと云う方には微妙なレベル、でしょうか。

あれこれと試したものの、結局露出をかなり切り詰めて、ようやく個人的に「受け入れられる」周辺光量落ちを得られました。はい、私は光量落ちが大好きなのです。

F2 1/7000Sec. ASA250 -0.7補

右手前のカラスに合焦していますが、流石に全体的に緩めの描写になりました。
ちょい絞りでF5.6ですと。

F5.6 1/850Sec.

本当は晴れ渡る渚に遊ぶ移り気なカモメ達・・・なんてシチュエーションが欲しかったのですが、今回は曇天にカラスさん御一行にご登場願う事に相成りました・・・そろそろ関東も梅雨のようです。

F4.5 1/2500Sec. ASA250

梅雨だろうがゲリラ豪雨だろうが、このXF23mmF2 R WRは防塵防滴仕様です……けれど、流石に今回「防滴テスト」は省かせていただきました事、白状いたします。

レモン社 松浦

お問合わせはナニワグループ各店、又はナニワグループオンラインまでどうぞ。

https://cameranonaniwa.jp/shop/g/g4547410328820/

富士フィルム XF23mmF2 R WR
レンズ構成:6群10枚(非球面レンズ2枚)
絞り構成:9枚・円形絞り 1/3ステップ
最短撮影距離:0.22m
最大撮影倍率:0.13倍
寸法:φ60×51.9mm
重量:180g(付属品含まず)