商品レビュー:M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro

今回のレビューは「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」です。
カタログ公表数値では最短撮影距離0.095mとなっておりますが、これはセンサー面からの距離の事でして。油断するとレンズ先端が被写体と触れ合い兼ねない近接能力となっています。又、重量128gと云う軽さも大きな魅力の一つです。

軽い・安い・寄れる!


そして、オリンパスレンズの中では決して高くない部類のレンズですが、あの「深度合成」に対応しています!ちょっとワクワク・・・ですが、私のPEN-Fは深度合成非対応・・・やはりここはE-M1シリーズに手を出せ、と云う事なんでしょうか。

メーカーさんとしては専用のレンズフードを用意していませんが、この近接能力を考えれば当然の事かも知れません。とは云うものの、レンズ保護の観点から念の為に私はドーム型フードを装着。

発売が晩秋となった事もあり、既に昆虫たちはすっかり鳴りを潜める季節ですが・・・まぁ、こんな場合は花でしょうかね。

マクロレンズの楽しさの一つは、普段気が付かなかった新しい世界を目の前に見せてくれる事でしょうか。まずは、いつも通勤中の足元に「何かあるな」位に思ってた、桃色のフワフワした変な花に接近してみます。

F6.3 1/320Sec. この時点で、いつもと違う姿に見えています

普段は丸ぽっちい不思議なモノ位に感じていたのですが、既にこの時点で「意外とギザギザ」な姿を露わにしてくれました。では、今度は行けるところまで寄ってみますか。石の上にカメラを乗っけつつバリアングルを・・・っと。

F4.5 1/160Sec.

本当は、もう一息寄れるのですが。あまりに寄りすぎると、カメラ&私が影になりそうなので・・・
ここまで寄ると極端に被写界深度が浅くなるので、合焦位置には気を使わなければなりませんね。既に背景は完全にトロケています。

水辺の苔類なんかを狙ってみても、遠目に見るのとは大違いな世界が現れます。

F3.5 1/1000 バリアン使用の片手撮り(低振動モード) 意外とチクチクしそうです

マクロで見ると、意外と苔って背が高いんですよね。
開放のボケ味、この被写体だとあんまり綺麗に感じないかも知れませんね。

標準マクロの領域なので、草むらにガサゴソと頭を突っ込みながら撮影する季節が待ち遠しい・・・と思いつつ、脇の草っぱらに目を遣ると。すっかり諦めていた被写体「昆虫」発見(ただし幼虫)。

F4.5 1/200Sec.

こんな時、むしろワーキングディスタンスの長いレンズだと手前の草達が邪魔になりがちなものです。今回のM.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macroでは、影を作らないよう気をつけながら草をかき分けて接近しました。
撮影時にはすっかり幼虫に気を取られていましたが、後で拡大すると画面右端にももう一匹何かしら昆虫がいる事に気が付きました。こんな事もマクロ撮影のお楽しみだったりします。

寄るだけでなく、標準域の普段使いにも使えれば・・・と思いながら、マクロ以外の使い方を。
まずは絞り開放の遠景撮影を。

F3.5 1/800Sec. 開放から四隅もしっかり。

開放から十分風景に使えそうです。ちょっとだけ周辺光量落ちがあるかも?

念の為にF5.6、それ以上も試しました。

F5.6 周辺光量落ちはすっかり解消。

F5.6で「ちょっと脇が締まったかな」位の印象で、F8以上絞る必要は特に感じませんでした。

今度は中間距離で、ちょい絞り撮影。

F6.3 1/800Sec.

ボカすだけじゃなく、ちょいと引いてしっかり描き込むのも任せられますね。

とか云いつつ、持ってるとやっぱり寄りたくなるのもマクロレンズの魔力でしょうか・・・

F3.5 1/100Sec.

逆光を試そう、と思った訳でもないのですが。たまたま構えたらフレアっぽくなったシーンを。

F6.3 1/250Sec.

流石に、ちょっとばかりコントラストの低下が解ります。

それなら、フレアごと楽しむのも宜しいかと。

F5 1/640Sec. +2.7over

ほんのりエッジに色滲みが出ました。色収差が無いとは言えませんが、この状況ではOKかな、とも感じます。

基本的にAF作動は早い部類ですが、近接時等に背景に引っ張られる事も無きにしもあらず。フォーカスリミッターも有りません。今回は全てS-AF/MFモードに設定、迷いそうだったらMFで大まかな位置に移動させてからAF、の流れで撮影しました。

本当の最短撮影距離ではどんな具合に切り取れるのか?と云う点をチェック。まずは被写体にちょいと寄った位で。

F3.5にて

で、今度は最短撮影距離(ほぼほぼ)です。

F3.5 既にレンズ先端がカメラに触れています・・・

本当の最短を目指したものの、この時点でレンズ先端が被写体に接触してしまいました。
又、これ以上寄ると被写体に私&カメラ+レンズの影がカブるので、ここらが今回の限界でした・・・本当はもうちょびっとだけ寄れるようです。
かなりお安めなレンズで絞り開放・最短撮影距離の条件なので、ちょっとRの文字に色滲みが出てはいますが、コストパフォーマンスの極めて高いレンズと言い切れると思います。


時間の都合で「円形ボケの按配」等チェック出来ていませんが、その辺りも随時追加していきたいと思います。

M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
レンズ構成:6群7枚(DSAレンズ1、EDAレンズ1,非球面レンズ1)
絞り構成:7枚円形絞り
最短撮影距離:0.095m
フィルターサイズ:φ46mm
寸法:φ57×60mm
重量:128g