今回は広角端24mmから望遠240mmまでをカバーする高倍率ズーム、FE 24-240mm F3.5-6.3 OSSを使ってみました。手ぶれ補正能力が今一つ解らなかったので、ボディはα7S初代を使っています。いつもの通りにレンズフード装着、フィルターレスの条件です。
10倍ズームともあれば、出先でレンズ交換がまず不要の便利ズームではありますが。画質にあまり多くを望めない製品もしばしば見受けられるのですがこちらは如何に・・・
耐逆光
まずは太陽をモロに画面に入れてみました。
フレア、ゴーストはこれと云って悪さをしていませんが、幾らかコントラストの低下が認められます。もっとも、この日は都心でも風速20mを越えた日。ご覧の通り多摩川辺りは砂塵舞う晴れながらの好天、橋の上ではおばちゃんの自転車が直進出来ない有り様でして。砂嵐の影響が無いとも云えませんが・・・
むしろモロに太陽が入っていない場合で影響を受ける事も多々あります。個人的な経験としては、茂みを通して差し込む陽の光にしばしば悩まされる事があります。
ちょいと立ち位置を変える、左手でハレ切りをする、とかで対処出来るケースも多いので、初心者さんは覚えておいて損はないですよ。
勿論、その時のフレアやゴーストが美しければ構わずに撮っちゃいましょう!
周辺光量落ち
先程の砂塵舞う多摩川の画も周辺光量落ちが見られますが、広角端開放ではかなり光量落ちが見受けられます。
光量落ちが大好きな人には(私です)好まれそうな落ち具合ですね。そのままちょいと絞ってみます。
F5.6程度ではかなり穏やかになり、F8で気にならなくなる、と云った按配でした。下がF8です。
周辺画質
ところで、上のF8で撮影したカット。リサイズをかけていない元画像の周辺部がかなり残念な事になっていました。
中央部はなかなか良好な画質なのですが、周辺部はちょっと厳しい評価を下さねばなりませんかね。拡大せずとも描写の劣化にすぐ気が付くレベルですし、色収差も目立ちます。
なるべく主題は画面中央に、なんて留意が必要かも知れません。
中間の焦点距離では?
望遠端
パッと見良さそうですが、こちらも周辺部を拡大すると・・・いえ、もう拡大画像は辞めておきます。ちょっと可哀そうになってきました。
高倍率ズームの場合、広角/望遠どちらかに弱みがある事が多い印象があるのですが、この子はどちらも周辺画質に難ありの模様。
どこかしら周辺まで良さそうな画角は・・・と思って数日撮った中から探すと、35mm辺りは結構良さそうです。
枝振りも下草も、画面隅まで十分許容できる描写でした。
タマ惚け/玉ボケ
一部例外カットを除いて、大体において素直な玉ボケが得られました。
ちょっと例外的なのは次のカット。
神田川の水面、ビルの谷間から光が差す条件でしたが、何かしらそう云った影響があったのでしょうか・・・両端がちょっと何だか半月状に。
レビュー作例以外にはまず玉ボケテストをしないので、私の経験/知識不足があるのかも知れませんが・・・
その他のボケ
望遠端240mmともなれば被写界深度は浅く・・・でありながら、開放F値は望遠端F6.3。それでも寄ればボケるのが筋と云うもの。
ちょっと後の枝がウルサイですね。
中央の描写はまずまずでしたが、やはり背後の枝やら花の輪郭がザワつく印象が拭えません。尚、近接時にはよくAFがドっ外れになりました。
何とはなしに左後の花のボケが気になって、ついうっかり拡大すると。
二線ボケって奴でしょうか。
背景をそれなりに整えてあげればあまり気にはならないと思いますが、そうも行かない状況のが多いんでしょうね、きっと。
柄杓の柄、青竹のボケ方もこれ位ならそんなに気にはならないかと思いますが如何でしょう・・・
何だかあんまり褒めてあげられなかった気がしますが、それでも広い画角をカバーするこのFE 24-240mm F3.5-6.3 OSS。本気で風景写真を撮りたい方にはお奨めしたくありませんが、自在なズーミングで撮影を楽しもう!と云う方ならば楽しんでいただけると思います。
そうですね、「満足」よりも「楽しむ事」に向いているのかも知れません。
あ、そうそう、一言忘れていました。
砂塵舞う多摩川河川敷でもしも「レンズ交換しろ」と云われたら私は拒否したと思いますが、その点では実に助かるレンズではありました。
防塵防滴に「留意」されたレンズでもあります♪
SONY FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS
型名 SEL24240
レンズ構成:12群17枚
絞り構成:7枚羽円形絞り
最短撮影距離:広角端0.5m/望遠端0.8m
寸法:φ80.5×118.5mm
重量:780g
フィルター径:φ72mm
SONYαボディ・レンズのご用命は
レモン社秋葉原店
又はナニワオンラインまで