今回は先日値下げしましたレモン社秋葉原店在庫、Kern-Paillard社「YVAR13/1.9AR(Dマウント)」をご紹介します。
シネレンズやALPA用レンズで名高いKern社のDマウントレンズです。
現状、Dマウントレンズをデジカメで活用するとなると選択肢としてはPENTAX Qシリーズしか無いのですが。QシリーズはQ7からセンサーサイズが大型化され、13mm前後のレンズでも四隅がケラれてしまう物が結構あるのですが・・・本日、たまたま持っていたQ7に装着したところ、ケラれ無く使えそうではありませんか!そんなワケですっかり嬉しくなったもので、後半で実写サンプルも掲載いたしますが。QシリーズでDマウントレンズを使う場合は、電子シャッターを使う事になりますので、コンニャクみたいな歪みを見せる「ローリングシャッター現象」には十分ご注意下さい。
まずは外観等のご案内をいたしましょう。
正直申し上げますと、外観は結構使い込まれていますが、ぶつけたような痕跡は見られません。
絞りリング回転操作はちょっぴり油劣化の感触があり、フォーカスリング操作時にはやや回転ムラを感じます。
光学系は普通に肉眼で見る分には問題無さそうですが、ルーペで覗くとチリの混入が見られます。
ついでにLEDライトで照射してみますと・・・
何やら色々と不可思議なモノが見えてしまいました。カビのようです。
この「色々」が一体どんな影響を及ぼすのか?一抹の不安を抱きつつ、実写です。
Q7はDマウントレンズが使えるとは云っても、そもそも互いのイメージサークル/センサーサイズに相違があるので、周辺部は甘い・暴れる傾向にありますが、それもDマウントレンズのお楽しみです。
ごく僅かに樽型の歪みが見られますが、これは如何ともしがたいモノと受け止めましょう。
周辺光量落ちの様子見をば。
古いレンズなので、かなり大きな光量落ちが見られるかと期待しましたが。某社の現行レンズ28mm F1.8Gと同等か、もう少し大人しいくらいの印象です。光量落ち自体はF4辺りで殆ど気にならなくなるようでした。
被写体まで充分に距離を取っていますが、きちんと結像しているのがほんの画面中央付近だけなのがお判りいただけますでしょうか?(クリックで画像拡大します)
ビルのエッジもかなり緩~くなっております。開放時のこのトロ~んとした描写は持ち味の一つと云えます。
少し絞って比較しますと・・・
ビルの輪郭はまだ緩い部分がありますね。これがDマウントレンズの特性・・・と諦めないで、今度はF16まで絞ってみます。
基本的には、ギリギリ結像できるのは絞っても「正方形構図」程度の範囲とお考えいただいた方がよろしいでしょう。
最短撮影距離は約0.2mですが、頃合良く桜の花も綻び始めましたので近接撮影を・・・と試みました。
割と花の密度が濃いアングルで撮影しました。アウトフォーカス部が段々と崩れていく独特の描写です。
絞り開放では、かなりはっきりとグルグルボケっぽくなります。
逆光時にはフレアっぽくなりますが、これも避けられない事です。昔の映画っぽく・・・と、割り切って積極的に逆光の弱さを楽しみましょう。
ところで外観チェックの処で「ヴィジュフォーカス」に触れましたが、聞き慣れない方の為に軽くご案内を。
仕組みとしては、設定された絞り値に応じて被写界深度スケールが目視直読出来るナイスなからくりの事です。
流石に焦点距離13mm、被写界深度はかなり稼げますね。絞りF8・フォーカス1m固定でパンフォーカス出来てしまいます。
まぁ、勿論それは理屈の上でのお話です。どうにも両側周辺部の甘さは残ります。
もっとも、キチンと精細な描写を好む方がDマウントレンズに手を出されるとも思えませんから、今回の撮影は余計な詮索だったかも知れませんね。
LED照射した際に見えた色々なモノも、今回の手短な撮影においては影響を感じませんでした。
ご興味お持ちになられた方は、レモン社秋葉原店
又はナニワオンラインまでどうぞ。
Kern-Paillard YVAR13/1.9AR(Dマウント)
レモン社秋葉原店中古在庫
PLUコード:2111040006629
付属品:無し
2017年4月2日現在 税込¥9,000-
*レビュー作成時にカビを見つけましたので、ランクC相当と判断し、4月2日現在ランク表記を更新処理中です。