SX-70・ウォーホール/デビッド・ボウイさんにお悔みを

残念な事に先日、デビッド・ボウイ氏が他界されました・・・私は90年の「Sound+Vision TOUR」でしか生ボウイを拝顔できませんでしたが、それでも私の青春に色濃い影を残してくれた方です。合掌。

偉大なるミュージシャンであると同時に俳優活動も行っておられた方なので、彼の映画をご覧になられた方も多いかと思います。今回ご紹介するカメラは映画「バスキア」でアンディ・ウォーホールに扮したデビッドが手にしていた「ポラロイドSX-70」です・・・映画では黒革貼りでしたがそこはご容赦を。残念ながらレモン社秋葉原店には只今この1台しかありませんです(ランクB中古、¥18,000-)。

欲しいんだけど触った事は一度もない・・・今回はそんな方への「各部説明の巻」です。

バッテリはフィルムパックに内蔵されています。現在は代替えフィルムで使う事になります。

?ロゴのすぐ上の黒い部分がレンズ。最短撮影距離は26cm。レンズ上に見えるスリットは、フラッシュ差し込み部です。当時は使い捨ての「フラッシュバー」なるユニットを挿入して使っていましたが、最近は専用ストロボも流通している模様(非純正)ですね。

正面向かって左の赤ボタンがシャッターボタン、その上の黒ダイヤルがフォーカシングダイヤルです。
正面向かって右の黒窓が露出計窓、その上の白黒ダイヤルが明暗コントロールダイヤル。明るくしたければダイヤルの白部分が沢山見えるように、暗くしたければ黒部分を、と云った具合に使います。

スプリットイメージ式でフォーカシング。

インスタントカメラながら、歴とした一眼カメラですので精密なピント合わせが可能です。接眼部を覗くと、予想外に大きな視野に感動するかも知れません。

正面向かって左側面には黄色/黒のちっちゃなボタンがあります。

矢印方向にポチッとな♪

このボタンがフィルムパック挿入部の開閉ボタンでして、こいつを押し込むと・・・

フィルム面を上向きに・電池部を下向きにググッと入れちゃって下さい。

SX-70はアングリと口を開けてくれます。「フィルムまだぁ~?」とか云ってそうな顔になります。フィルムパックにバッテリが内蔵されているので、空の状態では一切作動確認が出来ないのがこのSX-70。
万一、お友達が持ってて「ちょっと欲しいかも・・・」なんて思ったのがきっかけで中古品を探すなら、お友達から「フィルムを使い切ったフィルムパック」を借りてから中古カメラ屋さんに行く方が良いかも知れませんね。フィルムが終わってもバッテリはまだ暫く使えますから、作動テストくらいは出来ますよ。

展開するとそこそこの高さのあるSX-70ですが、収納時はとってもぺったんこです。
正面向かって右手につっかえ棒的な何かがあるのですが・・・

つっかえ棒を軽く後ろに押し込むと・・・

つっかえ棒的な何かに「⇒」の刻印がありますので、素直に従って押し込みますとあら不思議!

A4用紙に余裕をもって2台並べられます。

ぴた~ん!ぺったんこ!こんなに薄くなりました。

カメラを展開させる時は、ボディ上面のファインダカバー部(判らないようでしたら、先程の接眼部の写真を思い出して下さい)側面に細かいギザギザが切ってあるのでそこを摘まんで上に引っ張るだけ。
いたってシンプルなカメラです。あとはフィルムとインスピレーションさえあればOK!

そう云えば、キャメロン・クロウ監督のほろ苦な青春/音楽映画「あの頃ぺにー・レインと」でもSX-70が登場してましたっけ。強いて音楽繋がりで云えば、ジョン・レノンもSX-70使いだった気がします・・・

デビッド・ボウイの出演した映画でSX-70が登場するのは「バスキア」くらいしか思いつきませんが、インスタントカメラと云う括りであれば、カトリーヌ・ドヌーブとの共演作「ハンガー」がありましたっけ。老いと死の不安に苦しむ吸血鬼役で、少女にポラロイドで写真を撮られてたような気が・・・
そもそも主演を務めた映画「地球に落ちてきた男」では、荒廃した母星を救う為に地球にやって来た宇宙人が、カメラ/フィルム関連の特許によって地球での成功を手にしたものの・・・なんて役回りでしたね。恐ろしいほど美しいデビッド・ボウイが印象的な作品でした。

美しいモノを美しいままに残す事が最善の事かどうかは判りませんが、写真や映画や文芸、音楽で美を残す事はできますよね。今日も楽しく一枚撮りましょう!