今回、ニコンAF-S50ミリF1.4Gを使わせていただきました。
昔、マニュアルのAiS50ミリF1.4を使っていたことがありまして、このレンズはf8からf11ぐらいに絞り込むと非常にシャープにピントがくるのですが、解放時は像がにじんでコントラストが低下し、蛍光灯下の白黒撮影では黒が締まらず眠い写真になってしまうという性格を持っておりました(後に多階調印画紙を使用するようになって号数を上げることで黒を絞め、ピントは甘いですが雰囲気のある仕上げにできることを発見しました)。AFレンズの世代を経て、この解放時の性格がどうなっているのかを見てみました。
意地悪な夜景です(構図が不安定ですみません)。
左側が開放f1.4、右側がf11です。
ISO400 f1.4 1/15sec
ISO400 f11 2sec
部分拡大してみましょう。
f1.4開放の真ん中付近です。点光源がにじみ、コントラストも若干弱くなっております。
これがf11ではどうなるかというと
にじみもなくなり、くっきりと写っています。
この弱い光の中でこれだけシャープに写るのは驚きです。
周辺部、左の建物の上の部分拡大です。まず開放から…
手ブレしたかと思うような写り、でも窓は四角を保っている…
周辺の収差というものを初めて目の当たりにしました。
これをf11に絞り込むと…
絞り込むと…
込むと…
見違えるような写り!点光源やにじみの説明は写真に任せて窓の人影まで描写しています。
提灯です(用語ではありません。そのままです)。
左 ISO100 f1.4 1/250sec
右 ISO400 f5.6 1/60sec
この写真ではf5.6までしか絞ってませんがそれでも写りに差がでております。
個人的には開放の提灯にいざなわれます。
このレンズで久々に電車を撮ってみました。
もともと電車を撮りたくてカメラを始めたもので、鉄道写真の分野でも50ミリは最初のレンズと昔は言われておりました。
50ミリ=標準レンズ
その画角は人の視野に最も近いといわれる一方、
望遠風にも広角風にも撮れるという万能レンズ
特に解放F1.4の50ミリは各メーカーが力を入れていたレンズと聞き及んでおります。
今回、ニコンDfにこのレンズを装着したクラシックな組み合わせで初めてのフルサイズデジタル一眼レフ撮影に臨みました。
マニュアルレンズに比べてひとまわり太くなった鏡筒は今のグリップがあるデザインのカメラボディにちょうど合います。
静かで速いオートフォーカスはそのバランスと重さからくるホールディング感のよさで撮影に集中できます。
作例1
阪神 野田―福島 ISO400 f2.8 1/500
編成写真の定番・カーブのアウトハイ(外側を上から)が街の真ん中こんな身近なところに。
これは通り過ぎる電車ですが手前の線路を向かってくる電車だとぴったりはまりそう。雨の飛沫の描写がすごい。
作例2
JR東西線 海老江 ISO100 f6.3 1/15sec
望遠風に
ひじをひざの上にのせて手ぶれ補正
作例3
阪急 阪神国道付近 ISO400 f.2.8 1/125sec
ビール工場跡地から一望
すべて1コマ撮影
以上、お粗末な写真 失礼いたしました。
今回アイレベルが多かったのですが角度をつけたり縦の構図など標準画角の可能性の広さについて確認できました。
また、絞り解放時の甘さはDXフォーマットで標準画角ではなく周辺を切り取った中望遠画角で魅力を感じます。
絞り込んだら夜景でさえあの描写力、
撮り方でさまざまな表現を可能にしてくれるレンズだと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。