一眼レフのレンズ交換時、ゴミやホコリが入るのを防ぐコツ

さて今回は、


「一眼レフのレンズを交換する際、カメラ内部にホコリが入らないようにするコツ」

をご紹介します。


言うまでもありませんが、様々なレンズ交換することであらゆるシーンで写真を楽しめるのがレンズ交換式の特色。
しかーし!交換出来るという事はレンズが外れる!ホコリ入るぢゃないか!(当たり前なんですが大事な事ですので・・・)
という事で構造の違いとホコリが入らないようにするコツについて説明させていただきたいと思います。


一眼レフの構造の違い

一眼レフと一言で言いましても、大きく分けて「フィルム一眼」「デジタル一眼」「ミラーレス一眼」の3種類に分類されますので、それぞれの注意点とワンポイントアドバイスをさせていただきます。

では、まず「フィルム一眼レフ」の場合。

一部を除き基本的には、ほとんどのフィルム一眼レフの仕組みは同じですので、今回は「ニコンF100」を使用してご紹介いたします。


はい、まず装着しているレンズを取り外すと、いきなりフィルム面が見える訳ではなく、ファインダーに像を映し出すためのミラー(鏡)があります。レンズ交換時にホコリが入ってきた場合のほとんどが、まずミラーに付着します。


次に、カメラのシャッターを切るとミラーが上がり、その奥にあるシャッター幕が見えてきます。
シャッター幕は、フィルム一眼レフカメラで撮影する上で必ず必要になってくる部分で、ここでフィルム面に光が当たる時間を調整しています。
そして、ミラーをすり抜けたホコリも、シャッター幕に付着することになります。


最後に到着するのがフィルム面です。
「ミラーとシャッター幕があれば、フィルム面までホコリが来る事は無いのでは?」という疑問を持つ方も居られると思いますが、ミラーやシャッター幕はシャッターを切る度に駆動しますので、付着していたホコリは舞い上がりフィルム面まで到着する事があります。
上位グレードの機種では入ったほこりが舞い上がりにくくする素材や、入ったほこりを吸着させる部分というのを設けたものも有りましたが効果としては「こまめな清掃」には勝てません。
ですが、「フィルム」に万が一ホコリが付いてしまっても、シャッターを切る度にフィルムは次のコマに送られ、ホコリも一緒に流れて行きますのでホコリが写ったとしてもそのホコリが入っていたコマのみと言うのが殆ど。ですので「全部の写真にホコリが写り込む」という事は、非常に稀です。


その非常に稀な例として実際有りましたのが「フイルムのコマ上に筋状のホコリが写っている」というもの。
プリント時の問題も考えられたので機材点検やそのお客様の前後にプリントした写真の再チェックも行いましたが異常は無し。

失礼ながらお客様にお電話しご来店の際にカメラをお持ち頂き拝見しました所・・・

シャッターの走る溝に毛が挟まっていた!

後にも先にも現場で20年近くカメラ販売、写真プリントに携わらせて頂いてて1回だけの経験でした。

次は「デジタル一眼レフ」の場合

こちらもフィルム一眼レフ同様、まずはミラーがあります。
ごく一部ミラーが透過式(SONY αシリーズ一部機種)で、ミラーが動かない機種がありますが、ここでは一般的なデジタル一眼レフの「キヤノンEOSKISSX4」を使用します。


こちらもミラーの後ろにはシャッター幕があります。
ここまではフィルム一眼との違いは無いですね。

ではシャッターオープン!


デジタル一眼レフの特徴である「撮像素子(CCDやCMOS)」が見えてきます。
この部分に光が当たる事によって、光の情報を電気信号に置き換え、映像(写真)を作り出します。
で、重要なのがこの部分で、フィルムの場合は一コマずつ送られていくのでホコリが写り込むのは一コマだけでしたが、撮像素子は一つしかありませんので、ホコリが付着した場合、同じ場所にずっとホコリが写真に写り込みます。
ですが、最近のデジタル一眼レフには、撮像素子に付着したホコリを振動で振るい落とし、その下にある吸着面に落とし、ホコリを除去する機能がほとんどの機種に付いていますが、それだけでは完全に落としきれない場合があります。

では最後に「ミラーレス一眼」の場合

こちらも一般的な機種の「ソニーNEX-6」を使用します。


「ミラーレス。。。」言葉の通り「ミラー」がありません。
という事は「レンズを外す→即、撮像素子」という流れになります。
ミラーレス一眼の場合は、他の2タイプ以上に慎重に取扱した方が良いです。
当然ホコリが付く事も注意しないといけませんが、撮像素子がむき出しですので傷を付けないという事にも気をつけなければいけません。
ですが、当然ミラーレス一眼にもダストリダクション(ホコリ除去機能)が付いている場合がほとんどですので、多少のホコリは、この機能で防ぐ事ができます。

カメラ内部にホコリが入らないようにするには

では、「どうしてもホコリが写りこんでしまう」「ホコリの掃除、お手入れをしたい」場合はどのようにすれば良いのかご紹介いたします。

レンズ交換時、カメラを上に向けて交換している方はいませんか?
それ「ダメよ!!ダメダメ!!」


地球には重力があるので、ホコリは上から下に降ってきます。
さらに、カメラ内部に混入しているホコリもそのまま留まってしまいます。
必ず、カメラを下に向けて素早く交換しましょう。
※この時、カメラ、レンズを落とさないように注意して下さい。


カメラに付いているホコリを払い落とす場合は、間違っても口で「フーッ」と吹いたりはせず(唾液が付く可能性がある為)、市販のブロアーを利用してホコリを落としましょう。
この時も上の写真と同じように、カメラは下に向けて掃除しましょう。
ミラーの内側を掃除したい場合は、フィルム一眼の場合に限り「バルブ」や「30秒」などのスローシャッター、あるいはミラーアップ機能を使用してミラーを上げる事が出来ます。


ですがデジタルカメラの場合、長時間露光をさせると撮像素子に電気が流れ、静電気により逆にホコリを吸い寄せてしまう可能性があるので、必ず「撮像素子の清掃」というメニューを選択して、ミラーアップのみ行い、ブロアーで清掃する様にして下さい。

後、お客様よりよくある質問で「スプレー缶のエアダスターは使ってもいいの?」と言うのがありますが、

これこそ「ダメよ!!ダメダメ!!」


外装やカメラバッグなどのホコリを飛ばすのには良いのですが、販売されているメーカー様もカメラやOA機器の内部には使用しないで下さいと記載されています。

その理由はスプレー缶エアダスターの中身は液化ガス、内部に使うと使い方によっては中身が液体のままセンサー前のフィルター部に飛び散りシミが残る(逆さ使用OKのものでも使い方によっては万全ではないです)や勢い良く吹きすぎて精密部分の変形に繋がったりもします。そして、何より怖い・・・

吹いた勢いでノズルが外れてフィルター直撃!修理!!

これ・・・本当に洒落になりませんがノズルの差し込みが弱いとやってしまう事あります。本来の用途であるOA機器の清掃とかで経験された方もおられるのではないでしょうか。
ん??そこまで熱く語るって事は誰かカメラでやった事あるのかって・・・

「はーい、私でーす!!(泣)」

高校生当時の私、フイルムカメラでしたが「おー!取れる取れるー」と裏ブタ開けてフイルム室ブッシューっと勢い良く吹いていたら・・・

「スポン!と勢い良くノズル飛び出し・・・シャッター幕死亡・・・」

某用品メーカー様の商品でしたが、「カメラ内部には使用しないでください」の一文に気付いたのはシャッター死亡後。高校生に○万円の修理代は高い勉強代でした。

少々脱線してしまいましたが、その他、ホコリの多い場所でのレンズ交換や浜辺での交換の場合は、砂やホコリが入る可能性が高いので、出来るだけ静かな場所でレンズ交換を行いましょう。

そして、どうしても取れない場合はメーカーサービスセンターでのクリーニングサービスをオススメします。

という事で、簡単ですがホコリの清掃方法のご紹介でした。