HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR レビュー in クラシックカーミュージアム


こんにちは、カメラのナニワ京都店です。
今回ご紹介しますレンズはペンタックス・DAリミテッドシリーズ初のズームレンズ
HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR です。

20-40という焦点距離はタムロン・シグマなどにはありますが、
メーカー純正では珍しい2倍のズーム域。

高級感のあるアルミ削り出しの質感にクラシックな指標がにくいですね。
AFレンズながら、MFで使いたくなるデザインですが、
もちろんクイックシフトフォーカス搭載で、AF中のMFも可能でございます。

それでいて、ペンタックス得意の防塵防滴であります。

さて、その実力はいかに。


今回試写に訪れたのは、大阪港。
ボディはK-xを使用しております。

大阪港と言えば海遊館が有名ですが、
今年に新たにオープンしたジーライオンミュージアム
赤レンガ倉庫を改修したレトロな外観にクラシックカーが絶妙にマッチしており
展示台数常時100台以上、ヴィンテージ好きにはたまらないスポットです。


屋内展示エリアは撮影禁止ですが、一部の屋外展示は撮影可とのことで
バシバシ撮らせていただきました。広角20mmでは周辺に光量落ちが見られ、
また、歪曲収差は広角から望遠端まで、全域で出ますね。


"1941年式キャデラック・シリーズ61セダン"
全体的に解像力は優秀。
クルマのフロントグリルも細部まできちんと表現しており、
拡大してもその網目の一つ一つまで確認できるほどです。

古き良き高級車の特徴である、ボンネットに冠した「マスコット」は
その作りの良さが当時のアメリカの繁栄を感じさせてくれます。

思い切って寄ってみましたが、
このレンズは最短0.28mまで寄れ、近接描写にすぐれています。
枚数9枚の円形絞りだけあって優雅なボケ方ですね。
絞り開放だと柔らかい描写ですが、絞るごとに固さが増す感じです。


"1948年式ビュイック・ロードマスター"
カメラで言えばニコン1型やオリンパス35 1型と同じ生まれ年であります。

流麗なフォルム、光沢のあるブラックとクロームメッキのボディに
決めてはホワイトリボンタイヤ。

パースを付け、レンズ自体の歪曲を生かして迫力を出してみました。


"1960年式 ロールスロイス ファントムV"
こうしてアンダー目で雰囲気を出して撮ってみると、
周辺の光量落ちも逆に程よい「味わい」となっております。
現代的な写りだけにこだわらない、リミテッドレンズならではの楽しみ方ですね。


入口にあるカフェでは、クラシックカーを鑑賞しつつ、コーヒーを楽しむこともできます。

1900年から数えて100年分の歴史を体感できるという車の展示は圧巻でした。
驚いたことに展示された車の殆どは販売されており、購入可能だそうです。

時折本来撮影禁止の館内を開放しての「フォトコンテスト」も行っているそうなので、
普段なかなかお目にかかる機会のないであろうクラシックカーを
撮影してみたい方は一度是非、チェックしてみてはいかがでしょうか。


(ペンタックスオート110用 ズーム20-40と共に)
確かな作りの良さと、一筋縄ではいかない使い心地。
ペンタックスが撮影に込めたメッセージのような、その性能はまさに「リミテッド・ズーム」名の通りの働きです