ヤシコール5cm/2.8 Lマウント レビュー


こんにちは、カメラのナニワ京都店です。

今回ご紹介するレンズは、ヤシカ ヤシコール5cm/2.8でございます。

絞り・ピントリングが黒く、海苔巻のようなこのレンズは、
ニッカ最後の機種にして、ヤシカ買収後も残ったYEの標準レンズとして造られ
Lマウントの中でも数少ない「クセノター」型のレンズ構成。貴重でございます。

はたして、その実力やいかに。


朝の四条河原町。

ボディはPEN E-P1、アダプターを介しての使用。湿度感のある「ツァイス系」な描写ですね。
クセノター型はローライの二眼レフなど中判に多くみられるレンズ構成で、
ガウス型の前群とトポゴン型の後群を組み合わせることによって両者の持つ
色のりの良さと良好なシャープネスを受け継いだ描写が特徴です。


四条大橋からの京都・南座

日差しがありつつ、もやのかかった朝早くの時間帯は夕焼けとならんで
オールドレンズらしいゆったりとした描写を楽しむにはもってこいですね。


逆光でのフレア。
盛大に出ておりますが、初期製造年度が1959年当時のコーティング技術が未成熟だったことに加え、
この個体のクモリ・拭きキズなども関係していると考えられます。
光源をファインダーから外しても結構な量がでますが、シャープネスは健在。


やはり色の出方は濃く、ボケ方は太目。
経年劣化による味も加わってます。
当時としてはかなりレベルの高いレンズであったのではないでしょうか。
最短撮影距離はレンジファインダー用としては標準的な60cmです。


「yashikor」銘のLマウントレンズはこれとyashikor f2の2本のみ。

レンズはかの「富岡光学」の設計によるものです。


マイナーながら使えばわかる、潤沢で味わいのある描写。
数少なきLマウント クセノター ヤシコールL5cm/2.8

なかなかにいいお味でした。