オールドデルフト アルフィナ 38/3.5 レビュー

こんにちは カメラのナニワ京都店です。
今回ご紹介したしますレンズは オールドデルフト アルフィナ 38/3.5 でございます。


非沈胴のズマロンにも似た風貌のこのレンズ…
見慣れぬメーカー、何者だとお思いの方も多いでしょう。

オールドデルフトは、オランダのオールドデルフト市発祥のレンズメーカー。
現在も社名を変えて存続こそしておりますが、1960年代以降レンズの製造は行っておりません。
マウントはライカLマウントをはじめ数種ありますが、
このアルフィナは、スイスの一眼レフカメラ「アルパフレックス」用になります。


各マウント用を合わせても総生産数は600本程と少なく、その内の貴重な一本。
パンケーキルックの薄い鏡筒は、シンプルなテッサー型です。

純オランダ製レンズ、その実力はいかに。


河川敷

ボディはOM-D E-M5、ALPA→M4/3アダプターを介しての76mm相当での撮影です。

硬さ、柔らかさのさじ加減が絶妙で、印象派絵画のような繊細さも含んだ描写です。
露出補正無しでも暗部の黒はきっちり落ち、メリハリが良く出ています。

レンズは入荷当初、眼でわかるほど白く曇っていましたが、のちに整備に出し
可能な限り清掃されているので本来の描写力を取り戻しています。


河川敷2

空の色、雲の境界、逆光、フレアのにじみなどがとても上品。

アルパフレックス用レンズと言えば、スイス・ケルン社の「マクロスイタ―」が有名で、
筆舌に尽くしがたい色の出方と美しいボケ方をいたしますが
オールドデルフト、これもまた他にはない色味とボケ味で、
アルパの生産元であり、レンズを自社生産せず他社から供給を受けていた
ピニオン社のおめがねに適うだけのものがあったのだと思います。


錦市場 

背景のボケ方を見てみると、テッサー型特有のボケの硬さはありますが、
ピントがあっているところはふんわりしています。
色ノリもすごく濃厚なんですが、ツァイス系の濃さとは違う感じの豊かさ。

  
さすがに日中の強い日差しにはコントラストは落ちます。
操作感も独特で、出っ張った指掛けは回転距離が長いのと相まってすこし慣れがいるかもしれません。

絞りの操作はクリックのない無段階。この絞り操作感は…しいて言うなら、
ロシアのテッサー型パンケーキレンズ「インダスター50-2/3.5」が
私が触った中では一番近いかも。ニュルッとした動きでございます。


オランダ生まれのスイス育ち、唯一無二のダッチ・テッサー。
オールドデルフト アルフィナ 38/3.5
お問合せは カメラのナニワ京都店へ。