こんにちは、カメラのナニワ京都店です。
今回ご紹介いたしますはD610+AF-S NIKKOR 300mm f/2.8G ED VR II
描写力に余裕のあるFXフォーマットのD610に
8群11枚構成、EDレンズ3枚使用に加え最新のナノクリスタルコートをまとった
憧れのニコン「サンニッパ」果たしてその実力やいかに。
モノレール大阪空港駅にやってまいりました。
去年はキヤノンのEF300mm/F4Lで電車を撮影したので、
今回は飛行機を撮影してみます。
大阪国際空港ターミナルビル4F、展望デッキ”ラ・ソーラ”に向かいます。
6:00~22:00(最終入場時間 21:30)まで開放されており
軽食などを楽しみながら飛行機の離着陸を撮影可能です。
時刻は夕方。
普段は手持ち撮影が多いのですが、今回は重量があるレンズなのに加え
夜間撮影も見越して三脚の出番です。
私の使用しているスリック マスターデラックスは質実剛健かつ
雲台が縦横に動くスリック独自の2WAYのフリーターン式なので
直線移動である滑走路からの離着陸には向いています。
なお、展望デッキの落下防止壁はある程度高さがあるので
三脚を使用するならば、高さは最低150cm以上ないと厳しいと思います。
ボーイング767 ISO400 シャッター1/400 絞り5.6
フライトを終えた機体が手前に向かってきました。
低速でのタキシング(路上走行)なので気楽に撮れます。
駐機中。
はっとするような流石の質感描写力。
航空機のジェラルミンの肌のなめらかで流麗なライン、コクピット窓のコーティングの複雑な色合いと、窓枠に打ち込まれたリベット(鋲)までびしっと決まり、
航空機の持つ魅力をしっかりとらえております。
ボーイング B737 ISO400 シャッター1/1600 絞り5.6 露出補正-0.7
腹に響くような轟音は離陸の合図。
すかさずレンズを向けて追いかけます。
300/2.8のAFレスポンスと食いつきはとにかく速く、瞬間的なチャンスを逃しません。
D610の連写も秒間6コマと、フルサイズ機としては健闘していて
撮影中通しても、特に不満はありませんでした。
ボンバルディアCRJ200 ISO400 シャッター1/2000 絞り5.6 露出補正-0.7
「リージョナル・ジェット」と呼ばれる小型ジェット旅客機も頻繁に見受けられました。
離陸後は山のある方向に向かって空路を取るので
夕暮れの山岳の淡い色合いとカッチリとした飛行機の対比が映えますね。
レンズに施されたナノクリスタルコートのおかげで逆光、フレアにもめっぽう強く
コントラストが大気の効果で低くなりがちな遠距離でもしっかり維持されています。
夜のタキシング ISO400 シャッター1/100 F6.3 露出補正-1.3
夜間は飛行機の前照灯や識別灯が点灯し、
正面からだと強逆光となるので露出設定には注意が必要です。
夜の飛行機撮影は工夫が要り、シチュエーションに合わせて
露出補正は都度、試行錯誤してイメージに合わせる必要があると感じました。
ボンバルディア DHC-8-Q400 ISO400 シャッター1/80 F2.8 露出補正-1
流石に暗くなってきて低輝度限界を迎えてくるとAFが迷ってきますので
レンズについているA/M切替スイッチを柔軟に使わないと追えなくなってきます。
それでも識別灯の光や客室窓の明るさを頼りに最低限追ってくれるのですが、
どうしてもAFが迷って見失いかけた時は素早くMFで戻しつつ撮影していました。
シビアなシーンで使うほどM/AおよびA/M切替の恩恵はすばらしいと感じます。
おかげで離陸からのランディング・ギアを格納する過程までしっかり納める事が出来ました。
空港の夜景 ISO1600 シャッター1/60 F2.8 露出補正+1
識別灯や町の明かりで彩られた夜の空港滑走路は、昼とはまた違った世界が拡がり
さながら宇宙のような美しい光景で、写真撮影には事欠かないこと請け合いです。
大阪国際空港、ぜひ、一度訪れてみてください。
使用した感想ですが、最初は一般的な300mm望遠とは思えない
迫力あるサイズと重量に戸惑いましたが、
使って実感したその素晴らしい描写、機能の完成度の高さには、
多くのプロカメラマンがあこがれたというお話にも納得してしまいます。
昔と比べ、ナノクリスタルコートやカーボンフード、各種切り替えスイッチなど
現代ならではの技術もふんだんに盛り込まれ、使っていて充実感がありました。
憧れのサンニッパ、大変高額ではありますが…その目が覚めるような素晴らしい描写力、
ニコンファンの皆様にはぜひ一度経験していただきたいレンズであります。