こんにちは、カメラのナニワ京都店です。
京都では七月一日より祇園祭。
四条通りには提灯がともりました。
カメラのナニワ京都店前道路も鉾の巡行ルートに入っており、
格好の撮影ポイントでございます。
さて、祇園祭真っ只中の今回ご紹介いたしますレンズは、
smc PENTAX-DA 60-250mm F4 ED [IF] SDM。
2009年発売、35ミリ換算92~383mm相当の4倍ズームF4通しで
中望遠から超望遠の画角をカバーでき防塵防滴を備えた活動範囲の広いレンズです。
さて、その実力やいかに。
巡行する鉾
今回ボディはK-5を使用しております。
ひびく祭囃子とともに豪快にやってくる鉾は圧巻。
望遠レンズでギュッと圧縮してその迫力をお伝え出来たらと思います。
今年は格段に来場者数の多い年となっております。
例年以上の人ごみに押されつつ、望遠レンズの強みを生かして隙間より撮影。
こういったときもインナーフォーカスによって鏡筒が伸びないため扱いやすいですね。
ただ、1,040gと重みのあるレンズなので振る時に周囲に当たらない様、取回しには十分注意が必要です。
蟷螂山 焦点距離128mm シャッター1/160 F5.6 ISO200 EV -0.3
雨のぱらつく中での巡行でしたので各鉾・山にはビニールカバーがかけられた状態でしたが、
一部ビニールカバーがかけられていない部位があり、幸いにして蟷螂山の蟷螂様は被っておらず、
その仕組まれたからくりが動くたび周囲から歓声が上がっておりました。
こんな風に動きます。
曇天で動きもの、露出の難しい条件でしたが、露出補正を駆使してなんとか納められました。
SDM内蔵だけあってフォーカスは速いです。
金色の出方や深みのある赤を再現するのにはちょっぴり苦労しました。
綾傘鉾 焦点距離200mm シャッター1/80 F8 ISO200 EV +0.3
傘垂がりにかかれている図は手前が「飛天の図」、後が「四季の花」です。
流石はDA☆、日本画特有の繊細なタッチもしっかり再現されています。
描写自体はすっきりとした印象ですね。
綾傘鉾棒振り囃し 焦点距離170mm シャッター1/1250 F4 ISO400 EV +0.3
綾傘鉾の周りには棒を振ったり太鼓を叩く棒振り囃しの方々が。
その独特な姿は古来の芸能に由来するそうです。
実際撮ってみると、このレンズは開放から描写力があり、
ポートレートにも十分な実力を備えていることがわかります。
船鉾
船鉾はその名の通り豪華絢爛な船型で撮りがいのあるフォルム。
色収差の補正は良好で、ペンタックスらしい朱色系統の色も出てます。
この発色は朱色の使われることの多い日本の祭や仏閣撮影などでは良い出方をしてくれるなあと、
以前伏見稲荷を撮影した時に感じたものです。
船鉾 先端部の鷁 焦点距離170mm相当 シャッター1/500 F4.5 ISO400 EV +2
先端に立っているのは鷁(げき)という名の
たいへん縁起の良い想像上の鳥だそうです。
ハッキリとした金色を出すために露出補正を上げて浮き上がらせて見ると、
褪せた部分との対比が明確になりました。
後のボケ味も自然で優しい感じです。
たかはし的鉾撮影のおすすめポイントは、鉾に掛けられた「前懸け」「胴懸け」「見送り」です。
特に、画像3枚目。先陣を切る「長刀鉾」は今年からは狩野派の名絵師、伊藤若冲の「旭日鳳凰図」を基にした見送りとなっており非常に見応えあるものとなっております。
一部は海外で織られたものもあり、意外にも世界の図案を見ることができました。
smc PENTAX-DA 60-250mm F 4 ED [IF] SDM
デジタル専用設計だけあって、フレアも出にくく操作感もしっかりとしたレンズであると感じました。
重量は少々重めでしたが、手持ち撮影でも全然いけました。
三脚座つきですので、今回のようなシチュエーションでなければ
三脚に乗せてじっくり撮ってみたくもありますね。
7年前に発売されたレンズですが、ボディの性能が発売当時より飛躍的に向上し、
高感度等にも強くなってきた今、より可能性も広がってきたレンズだと思います。
ご入用の際は、カメラのナニワ京都店までどうぞ。
担当 たかはし