こんにちは、カメラのナニワ京都店です。
前回は国産一眼レフをご紹介いたしましたので、
フィルムカメラ好きが増えて下さることを祈りつつ、
第2弾としておすすめのレンジファインダーを
5選、ご紹介したいと思います。
はじめに
レンジファインダーを中古で購入する際、基本注意して見るべき点は
ファインダーを覗いた際に、二重の像がちゃんと表示されていて、
合わせた際にきっちり像が重なっていてズレが無いかということと、
シャッター幕の素材が布・ゴムであることが多いので穴が開いていないか、
シワが寄ったりカビが生えていないかということをチェックしましょう。
初めての一台をお探しの際は遠慮なくスタッフにお申しつけ下さい、
分かりやすく、初めての出会いをお手伝いさせていただきます。
浅くも深くも知ったスタッフがお待ちしております。
①ライカ IIIf
入手難度★★☆☆☆
マウント:L39スクリュー
レンズ:L39スクリュー
レンジファインダー機と言えば、まずこれを紹介せずに何を紹介する!
オスカー・バルナック博士の設計した「バルナックタイプ・ライカ」
数多くの写真家が愛し、そして写真の歴史に残るカメラです。
数あるバリエーションの中でIIIfがおすすめなのは、
バルナックライカの中でも最も生産数が多く、値段が手ごろ、
戦後生産で品質が安定している為、使いやすい個体が多いことが理由です。
とはいえ1950年~1957年製造と時間は経っていますし
レンジファインダーは構造上、修理・メンテナンスにお金がかかるので
出来れば触れる店頭で、状態をしっかり見てからにしましょう。
フィルム装填を底面から行うなど、「お作法」とも言える独特の操作が多いですが
その手間が「写真を撮っている感覚」として楽しめれば、もう一人前です。
②ライカ M3
入手難度★★★☆☆
マウント:ライカM
レンズ:ライカM/L39(アダプター経由)
バルナックライカの進化形。
バルナックの弱点を改善し、ファインダーは見やすく、
フィルム装填も容易になりました。
「ライカの王様」などと呼ばれることもある名機だけあり
今回挙げている中では高額ですが、それも納得の
機械のつくりの良さが生み出す、滑らかな操作感が気持ちよく
特に「チャッ」とささやくような上品なシャッター音が素晴らしいです。
後のMシリーズもこのM3を超えられなかっただけでなく、
これは到底超えられないと一眼レフに舵を切り日本のカメラメーカーが大躍進を遂げるきっかけになった点でも歴史的な1台かと。
Mマウントレンズはどれも高額ですが、
場の空気を切り取るような描写にはため息が出ます。
(使い方はレモン社のこちらの記事をどうぞ)
③キヤノンIVsb/IVSb改
入手難度★★★☆☆
マウント:L39スクリュー互換
レンズ:L39スクリュー互換
キヤノンの歴史も、最初はライカを見倣った「真似」から始まりました。
しかしそこは技術国日本、本家の特許に触れない為、また越える為の改良を重ねに重ね
1953年登場のIVsb位になってくると、もはや別物と言っていいくらいの完成度となり
角ばったボディライン、レンズによって倍率切替可能なファインダー、
自動復元するフイルムカウンターなど、随所に日本のこだわりを感じる事が出来ます。
マイナーチェンジモデルのIVsb改は基本構造は同一ですが、
ダイヤル表記などの操作に関する、細かな改良が行われています。
キヤノン純正のLマウントレンズはガラス硝材や、固定ピッチ、バルサムなどの関係で、くもりやすいという欠点がありますが、現代のキヤノンレンズの描写とはまた違った、すっきりとした描写が楽しめます。
④コシナ・フォクトレンダー ベッサR
入手難度★★★★☆
マウント:L39スクリュー互換
レンズ:L39スクリュー互換
クラシカルな外観ですが、シリーズの初出は1999年と
比較的最近で最終型は2,007年まで生産されていました。
Lマウントを現代によみがえらせた立役者です。
製造時期が新しいだけあって、耐久性のある機械式シャッターや
LED式表示の露出計を搭載しつつ、軽量。
たいへん使いやすいカメラとなっています。
ライカMマウントになった「ベッサR2」、
距離計無しの目測専用「ベッサL」などのバリエーションがあります。
後に発売されたライカMマウントと同規格のVMマウントを採用したR2,3,4Mシリーズは外装にマグネシウムを採用するなど「道具としての品質の高さ」も上がってきました。
コシナ・フォクトレンダー製のL、Mマウントレンズは写りに定評があり
標準レンズも優秀ですが、特に広角レンズに面白いものが多いです。
⑤ロシアFED工場 ФЗД(フェド)2
入手難度★★★☆☆
マウント:L39スクリュー互換(たまに合わない)
レンズ:L39スクリュー互換(これまたたまに合わない)
ロシアにはライカをコピーしたフェドとゾルキーが存在します。
ゾルキーが最終モデルまで底面からフィルムを入れる方式を貫いたのに対し
フェドは1956年登場のフェド2からは背面から装填できるよう改良されていて
使いやすいので、こちらのほうをお勧めします。
フィルム巻き取り軸に爪を付けてしっかり巻けるようにしたりと
一部の機能はライカより地味に進化しています。
シャッター音が静寂な本家とくらべ大きく荒っぽいのが
なんともロシアというかソビエト連邦。
先の紹介文で(たまに合わない)(これまたたまに合わない)なんて言っていたのも、事実品質のばらつきであったりします、ハラショー!。
レンズはカールツァイスのコピーの物が多く、あなどれない写りをします。
製造品質にかなりのばらつきがあるので、レンズもカメラも現物を見て品質の安定した「あたり」の個体を探しましょう。
(レビューがありますのでこちらもどうぞ)
今使ってみたいレンジファインダー、気になる物はありましたでしょうか。
ニコン、コンタックスも名機と呼ばれるレンジファインダーを作っていますが
今回はレンズの種類が豊富なL・Mマウントを中心に選んでみました。
レンジファインダー、最初は敷居が高いかもしれませんが
その独特の操作感や、一眼レフとは見える像が実際とは違うことから
また違った写真が取れるという魅力がありますから、
興味のある方は是非、経験してみて下さい。