こんにちは。 カメラ担当の池田です。
今回はこれからの行楽シーズンにピッタリのミラーレス一眼「EOS M3」の使用レビューです。
このEOS M3はEOS Mシリーズ3代目の機種となり、初代Mと比較をすると驚くほどの進化を遂げており、2代目のM2と比較しても大きくスペックアップしています。
進化のポイントとしては・・・
①オートフォーカスの高速化。
②チルト式液晶搭載で自分撮りも可能。
③電子ビューファインダー(別売)が取り付け可能に。
④快適に操作できる4種の操作ダイヤルを搭載。
以上、4項目が主な進化ポイントだと思います。
それぞれについて、詳しく説明していきます。
オートフォーカスの高速化
まずは①のオートフォーカスについて。
進化したハイブリッドCMOS AF Ⅲという方式により、AFの高速化と高精度化を実現しています。前モデルのEOS M2と比較すると約3.8倍の高速化となっています。
動いている被写体をテスト撮影してみました。
駅に進入してくるローカル列車。高速AFで問題なく捉えることができました。
しかし個人的な辛口意見ですが、AFは速いのですが他社のミラーレス一眼と比較をしますと、止まっている被写体でもピント合わせで迷うことが多かったように感じました。
チルト式液晶搭載で自分撮りも可能に
続いて液晶についてですが、M2までは液晶は固定式でしたが、M3よりチルト式液晶が搭載され撮影が快適に行えるようになりました。
そして自分撮りも可能に!
液晶が動けば、ローアングルやハイアングルでの撮影も楽チンです。
例えばこんなシーンに!
滝を見上げて撮影しています。三脚にセットしていますが、見上げて撮影するのは体勢的にとても疲れます。このようなシーンでは本当に重宝します。
そしてもう1枚。
最近、皆さんが良く撮影されている料理の写真。
普通、座ったままでこの写真は撮影できません。でもチルト式液晶なら手を伸ばして撮影すれば、席を立つことなく簡単に撮ることができます。
電子ビューファインダーが取り付け可能に
電子ビューファインダーの取り付けを可能にしたことは、キヤノンさんがお客様の声を吸い上げて、その声にしっかり対応してきたと思います。今回は液晶ビューファインダーを使用して撮影はしていませんが、「ファインダーが欲しい」と思う場面は多々ありました。
ファインダーは角度も変わり、ローアングルの撮影も楽に行えます。
4種の操作ダイヤルを搭載してより快適に
最後に4種のダイヤル操作について。個人的にはここが一番の進化ではないかと思っています。
上がEOS M3、下がEOS M2。
EOS M2までは撮影モードダイヤルがなく、モード変更がとても面倒でした。
EOS M3からは撮影モードダイヤルが装備され、さらには露出補正ダイヤルもできました。これにより設定変更などの操作がとても快適になりました。
以上が主な進化ポイントです。
それでは、ここからは写真とともに基本スペックのご紹介といきましょう。
まずは画質から。
あべのハルカス展望台から窓越しでF8で撮影しました。画素数は約2420万画素と前モデルよりアップしています。
その実力は・・・
一部分を拡大していますが、素晴らしい画質です。
ちなみにレンズはキットレンズのEF-M18-55/3.5-5.6 IS STMです。
もう1枚。
今度はハルカスを天王寺動物園付近から撮影。
この写真はピクチャースタイルという仕上がり設定をスタンダードにセットして撮影しています。これは見た目に近い発色で、色んなシーンで使える標準的な設定です。
ここで少し設定を変更。ピクチャースタイルを風景にしてみました。
少し色が鮮やかになり、インパクトのある仕上がりになりました。
この写真で画質をチェック!
ハルカスの最上階部分を拡大。
いかがですか?ヌケの良い素晴らしい画質ですよね!この写真もキットレンズのEF-M18-55ですよ。画質については申し分なしですね。
次は、これも画質を大きく左右する高感度撮影。
EOS M3の映像エンジンはDIGIC6で常用ISO感度は100~12800になっています。
まずはISO3200で撮影したサンダーバード号。
パソコンで拡大して見ても、ノイズはまったく気になりません。
続いて、夕暮れ時のあべのハルカスとお月さん。
これはISO6400でホワイトバランスは白熱電球にセットして撮影しています。
これまたノイズの少ないキレイな画質を実現しています。しかしISO3200の時よりは明らかにノイズが目立つようになりましたね。でも十分使える感度だと思います。
機能紹介「オートライティングオプティマイザ」
ここで「オートライティングオプティマイザ」という機能を紹介しておきます。
逆光時や明暗差の大きい場面などで、白トビを抑えながらシャドウ部は明るくできる機能で、効果は標準、弱め、強め、しないの4段階から選択できます。
効果「標準」で撮影した画像をご覧ください。
逆光で撮影していますが、「七間朝市」という看板の文字がつぶれていませんよね。これがオートライティングオプティマイザの実力です。
もう1枚。
逆光ではありませんが、明暗差の大きいシーンです。しかしハイライト部は白トビせず、シャドウ部の階調も出ています。
このオートライティングオプティマイザ機能は、逆光時の人物撮影などにも効果的ですが、逆に風景写真などで黒のしまりを出したい時には、効果を「しない」に設定する方が良い場合もあります。
機能紹介「クリエイティブフィルター」
続いて紹介する機能はクリエイティブフィルター。
7種のフィルター効果で色んな特殊表現が可能です。
この機能を使って少し遊んでみました。
まずはジオラマ風で!
あべのハルカス展望台からの写真です。まさにジオラマ!思い通りに仕上げることができました。
次は私が最近ハマりつつあるトイカメラ風。
田舎でトンボを追いかける少女です。写真の四隅が暗くなり懐かしい写真に仕上げることができます。
今回は2種類のフィルターしか試していませんが、このほかに「魚眼風」「油彩風」「水彩風」「ソフトフォーカス」「ラフモノクロ」があり、シーンに合わせて使うと表現の幅が広がります。
マウントアダプター「EF-EOS M」でEFレンズも使用可
機能ではありませんが、EOS Mシリーズでの表現力を広げるマウントアダプターについて少し触れておきます。
EOS Mシリーズのレンズとしては4本しか発売されていませんが、マウントアダプターEF-EOS Mを使用することで、一眼レフで使用している多種多彩なEFレンズを使用することができます。
私も実際にEF70-300/4-5.6L ISを装着して撮影してみました。
カメラボディに対してレンズが大きいですが、このようにLレンズも使用することができます。
これで撮影した写真がこちら・・・
こんな感じでレンズ交換の楽しみも味わえます。
最後にEOS M3で撮影したその他の写真をご覧いただければと思います。
F8 ISO100 EF-M18-55(55mm)で撮影。 兵庫県香美町「うへ山」の棚田。
雨に濡れ、しっとりした田んぼの質感がキレイに描写されています。
F5.6 ISO100 EF-M18-55(55mm)で撮影。福井県大野市。
キットレンズでもこれだけの前ボケを出すことができます。
F6.3 ISO100 EF-M18-55(55mm)で撮影。福井県大野市。
もちろん背景のボケ味もキレイです。
F5.6 ISO100 EF-M18-55(20mm)で撮影。福井県大野市。
季節はずれの紫陽花。逆光でもゴーストやフレアはありません。本当に優秀なレンズです。
F8 ISO100 EF-M18-55(18mm)で撮影。あべのハルカス展望台より。
爽やかな秋の空。とてもクリアで色も鮮やかでキレイな仕上がりになりました。
まとめ:操作性が格段の進化 描写力も文句なし
以上、今回も長々と書いてしまいましたが、3日間使用して感じたことは、とにかく操作性が抜群に良くなったこと!これは撮影者にとってはとても大事なこと。描写力も文句なしだと感じました。
オートフォーカスのスピードは確実に速くなっており快適な撮影ができるようになりましたが、ピントの迷いが多いのは改善してほしいところです。
もう一つ個人的な辛口評価をすると、連写のスピードが4.2コマ/秒と他社のミラーレスと比較をすると少ないこと。記念写真や風景写真を撮るなら問題ないと思いますが、動く被写体を撮影するにはもの足りないと感じました。
ファインダーも取り付けできるようになりましたが、個人的にはボディに内蔵しているほうが望ましいと思います。
このあたりの改善は、次のモデルに期待しましょう!※いつ発売されるかわかりませんが・・・。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで