こんにちは。 カメラ担当の池田です。
さてさて、今回もニコンのレンズの使用レビューです。
そのレンズは前回ご紹介しましたAF-S24-70/2.8E ED VRと共に滋賀県へ持って行っていたAF-S80-400/4.5-5.6G ED VR!
24-70mmだけではズーム倍率が少なく、望遠が欲しい時に後悔しないようにと用意しておいたレンズです。使用カメラはD750(2432万画素)です。
スペックを簡単にご紹介しておきます。
①ゴーストやフレアを低減するナノクリスタルコートを採用
②手ブレ補正効果約4段分のVR機構を搭載
③最短撮影距離はAF時1.75m、MF時1.5m
④本体重量1,570g、レンズ口径77mm
などが主な性能で、80mmから400mmとズーム幅も広く、超望遠レンズを必要とするスポーツや野鳥、飛行機や鉄道以外にも、風景写真でもかなり使えるレンズとなっています。
また、DXフォーマット(APS-Cサイズ)のカメラに装着すると、120-600mmとさらに望遠効果が楽しめます。
それでは撮影した画像とともに使用レビューといきましょう!
80mm F11で撮影。
滋賀県高島市の今津は柿の産地でもあり、広大な柿畑があります。訪れた時はちょうど収穫時期で、たくさんの実をつけた木がとても印象的でした。
柿の木の配置に注意しながら、背景にはススキが入るようフレーミングしてみました。枝の繊細な部分までしっかり描写してくれています。色のりも良く、好感がもてる仕上がりです。
400mm F8で撮影。
1枚目の写真とほぼ同じ場所から、400mmにして枝っぷりの良いところを切り撮った写真です。
F2.8のような明るいレンズではありませんが、400mmという焦点距離のため、背景がキレイにボケてくれました。
そのボケ味はやわらく自然で、私が期待していた以上のボケでした。
ちなみに、よりボケる開放のF5.6で撮影せず、F8で撮影しているのは枝にぶら下がる柿の実全体にピントを合わせたかったからです。
400mm F5.6で撮影。
こちらもボケを意識した写真です。枝に残ったひとひらのイチョウの葉。背景の黄色は落葉したイチョウの葉です。
確かではありませんが撮影距離は3mくらいだったと思います。
開放での撮影ですが、ピントを合わせたイチョウの葉はとてもシャープで質感が良く出ています。
背景が同系色にもかかわらず、主役の葉が引き立つこの描写とボケ。レンズが大きくて重たいだけのことはあります。
210mm F11で撮影。
近畿の紅葉人気ランキングで常に上位のマキノのメタセコイヤ並木。ここでは多くの作品が生まれています。
前回のAF-S24-70/2.8E VRのレビューでもここの写真を掲載していますが、70mmでの撮影で迫力にかけています。
ここでは望遠レンズ特有の圧縮効果を利用して撮影することで、少し坂になった並木道を上手く表現できます。
さらに、この写真からも描写力の高さが伺うことができ、紅葉した手前のメタセコイヤの葉の解像力は素晴らしいものがあります。
116mm F11で撮影。
メタセコイヤ並木をサイドから撮影。ここはどこから撮影しても絵になります。
ここでも際立つのが描写の良さ!木の枝や葉まで繊細に描写されていて、曇天での撮影と思わせないヌケの良さは素晴らしいの一言です。
ちなみにこのメタセコイヤ並木は晴天時に訪れるのが最高ですが、これからは雪の積もった日もオススメです。
400mm F5.6で撮影。
余呉湖で被写体を探していると夏の名残りを発見。そうセミの抜け殻です。
背景には黄色く色づいた木を配置し、AF時の最短撮影距離1.75m付近で撮影しました。
近接時でのボケ味も良好で、ピント面はとてもシャープ!花を大きく撮りたいけど近くに寄れないような状況でもこのレンズならバッチリ撮れることでしょう。
400mm F8で撮影。
余呉湖でセミの抜け殻と格闘していると、水鳥の大群が私の方へやって来るではありませんか!
こんな状況を待っていましたとばかりに、400mmにして撮影。
それでも鳥は小さくしか写りません。そこでカメラの機能の中ににある撮像範囲の設定を変更して撮影しました。撮像範囲の設定を変更することで、1.2倍と1.5倍(DXフォーマット相当)のクロップ撮影ができます。
装着しているカメラは2432万画素のフルサイズ機D750。まずは1.2倍にセットして撮影。
400mm(480mm相当)で撮影。
カメラの画素数が2432万画素ありますので、1.2倍にしても約1670万画素もありますので画質としても十分です。
続いて1.5倍にセットして撮影。
400mm(600mm相当)で撮影。
ここまでクロップしても約1020万画素あります。DXフォーマットのカメラに装着すると画素数を落とすことなく400mm側では600mm相当の画角となり、鳥を撮影するのに最適な望遠になります。
現行機種(2015年12月現在)の中では連写とAF性能の高いD7200に装着したい1本ですね。
400mm F5.6で撮影。
JR雄琴駅にてトンネルから出てくる列車を撮影。圧縮効果で迫力のある仕上がりになりました。
ここで試したかったことはオートフォーカスの速さ。この写真は置きピンで撮影していますので、オートフォーカスの速さはあまり関係ありませんが、ここから列車のスピードに合わせてズームを80mm側へと動かしながら撮影したのが下の写真です。
150mm F5で撮影。
結果はクラス最高のオートフォーカス速度という表現に恥じないものでした。
F5という開放絞りで被写界深度が浅い状況にもかかわらず、列車の動きを完全に捉えています。
ボディの性能もあるかとは思いますが、動く被写体を撮影する場合は、ボディとレンズの両方にオートフォーカスの精度と速さが求められますので、そのような被写体を撮影する方には最適なレンズと言えそうです。
撮影した画像は以上となります。
今回、使用して描写力は抜群でズーム倍率も高く便利だったと感じました。全て手持ちで撮影しましたが、ほとんどブレておらず手ブレ補正もかなり効果がありました。
よく店頭で「AF-S70-200/2.8VRⅡに2倍のテレコンバーターTC-20EⅢを装着して撮影するのと、AF-S80-400/4.5-5.6VRで撮影するの、どちらがいいですか?」という難しい質問を良く受けます。
70-200のF2.8という明るさとボケはとても魅力ですから悩みますよね。でも今回の使用レビューでおわかりいただけたと思いますが、ボケは決して悪くありません。
むしろボケはキレイだと感じました。もし200mm以上の望遠を必要とする被写体を撮影する機会が多くなるなら、今回ご紹介しましたAF-S80-400/4.5-5.6VRをオススメいたします。
最後までお付き合いありがとうございました。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで