こんにちは。 カメラ担当の池田です。
今回もまたまたレンズの使用レビューです。
そのレンズは2014年6月に発売された超広角ズームEF16-35/4L ISで、上位モデルのEF16-35/2.8LⅡに匹敵する描写と手ブレ補正機能搭載で人気の高いレンズです。
今回はフルサイズ機EOS5D MarkⅢに装着して撮り歩いてきました。
このレンズの最大の魅力は手ブレ補正機能が搭載されたことで、シャッタースピードで約4段分の補正効果があります。ちなみにキヤノンの超広角ズームに搭載されたのはこのレンズが最初です。手ブレ補正機能が搭載されたことで、写真表現に幅が出るようになりました。
そしてもう一つは描写力。大口径両面非球面レンズとUDレンズが採用されており、歪曲収差や倍率色収差が大幅に軽減されているとのこと。満足のいく結果が得られるのでしょうか。楽しみですね~。
その他のスペックとしまして、最短撮影距離は28cm、防塵防滴、フッ素コーティングなどなどです。
それでは、写真とともにこのレンズの実力に迫っていきます。
まずは画角比較と画質チェックの作例から・・・
16mm F4 手持ち撮影。 神戸 布引の滝。
16mmともなると視角を超えた画角で新鮮ですね!そしてここで注目いただきたいのが画質です。中心部分を拡大してみます。
開放のF4とは思えない素晴らしい画質!ここでは中心部分しか拡大していませんが、画像周辺でも素晴らしい画質を実現しています。
35mm F4 手持ち撮影。
街スナップに最適な見慣れた画角ですね。この写真も中心部分を拡大してみます。
35mm側も文句なしの画質で、岩の質感が繊細に描写されています。正直、開放F値でこれだけシャープできれいな画質が得られるとは思っていませんでした。良い意味で期待を裏切ってくれました(笑)
続いて手ブレ補正効果のテスト!
最初に言っておきます。広角レンズだからブレにくいというのもありますが、かなりスゴイです。
23mm F11 1/2秒 手持ち撮影。
本当にブレていないか、中心部分を拡大します。
いかがですか? 1/2秒ですよ! 凄くないですか? まさか三脚なしで滝の水を流して撮れるとは思ってもいませんでした。この1枚だけが成功したのではなく、成功した写真の方がはるかに多かったのです。なので、ここまで手ブレ補正の実力を強調しているのです。1/2秒でかなりの確率で成功するのなら、1/4秒や1/8秒ならほぼ100%かもしれませんね。これだけ補正効果があれば、写真表現の幅が広がりますので、本当にありがたいです。
ちなみに、三脚を使用して写真もあります。
26mm F16 1.6秒 三脚使用。
手ブレ補正機能もありがたいですが、やはり滝撮影には三脚は必需品ですね。1.6秒までシャッタースピードを遅くすることで、水の流れ方がキレイになりました。
ここからは、一挙に写真をご紹介していきます。
16mm F5.6 手持ち撮影。 大阪ステーションシティ。
逆光という厳しい状況での1枚ですが、ゴーストやフレアはありません。逆光にもかかわらずヌケの良いクリアな写真に仕上がりました。最新レンズのコーティング技術は素晴らしいものがあります。また屋根の繊細なところまで見事に解像しています。
16mm F5 手持ち撮影。 大阪ステーションシティ。
私のレンズ試写の定番ポイント。いつもは望遠系レンズや単焦点レンズでボケ味を確認するポイントなんですが、今回は超広角レンズということで狙いを変えてみました。16mm側で雪だるまにピントを合わせて、射しこむ夕陽とそれによってつくり出される影を狙いました。このような遠近感のある写真が撮れるのも超広角レンズの魅力です。
35mm F7.1 手持ち撮影。 梅田スカイビル。
夕陽に照らされたスカイビルと青空のコントラストが美しい時間帯。ビルの窓に映るブルーがとてもキレイで撮影した1枚。ホワイトバランスはオートではなく太陽光にセットして青味、赤味を強調しています。ビルの窓のラインがとてもシャープに描写されていて、レンズの描写力の高さが実感できます。
16mm F4 手持ち撮影。 梅田スカイビル。
今度はスカイビルの真下で見上げて撮影した1枚。この写真も開放F4で撮影していますが、16mmですので画像全体にピントがきています。上にも書きましたが、開放での描写が素晴らしく、周辺光量落ちもほとんど見えません。
31mm F5.6 手持ち撮影。 神戸北野。
広角レンズはボケにくいと言われていますが、そんなことはありません。広角レンズの特性の一つに最短撮影距離が短いということがあげられます。このレンズも28cmまで近寄ることができボケをつくることもできます。上の写真は季節はずれのコスモスがにピントを合わせ、背景の風見鶏の館を少しボカしてみました。F4にしなかった理由としては、広角と言えども撮影距離が近いと被写界深度が浅くなってしまうので、1段絞ったF5.6を選択しています。ボケは大きくないものの、なめらかでキレイなボケ味ではないでしょうか。
16mm F5.6 手持ち撮影。 神戸北野。
超広角レンズはただ広く撮るレンズではありません。撮りたいものに近寄って撮ることで遠近感を出すことができます。上の写真も手前の被写体にグッと寄って撮影しています。あまり良い写真ではありませんが、このような写真は広角レンズならではの表現ですね。
写真は以上で終了です。
使用しての感想は、描写力は想像以上で文句なし。手ブレ補正機能の効果も大きく使いやすい。今回は体験できませんでしたが、最短撮影距離28cmは花の季節には広角マクロとしてかなり有効だと思います。
上位モデルのEF16-35/2.8LⅡとの選択が難しいところですが、個人的には今回ご紹介しましたEF16-35/4L ISで十分だと思います。どうしても暗い状況での撮影等でF2.8の明るさが場合は別ですが、手ブレ補正機能が搭載されているEF16-35/4L ISの方が何かと使い勝手が良いです。そして、価格も定価154,000円(税別)とお手頃?なのはユーザーにとっては嬉しいですよね。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで