タムロン SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD 使用レビュー


今回、ご紹介させて頂くレンズはタムロン SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USDでございます。


まずは簡単なスペックから・・・

①フルサイズのイメージサークルをカバーするDiレンズ

②高級特殊硝材XLDレンズを使用

③VC(手ブレ補正)搭載

④レンズの長さ、広角側70mm時で約150cm、望遠側300mm時で約210cm

⑤最短撮影距離、ズーム全域で1.5m ・・・等があげられます。

②で上げた、高級特殊硝材XLDレンズとは・・・

従来のLD(Low Dispersion-異常低分散)レンズより、さらに分散性が低く、蛍石に近い低分散性を有する特殊硝材のことをXLD(Extra Low Dispersion)レンズと呼びます。

簡単に言うと、「色収差」を補正して高コントラストでシャープな写真が撮れるレンズということです。


今回、大阪駅周辺で実写してきたので、紹介させていただきます!

今回の撮影は、キヤノンの60Dに付けて撮影をしたので、35mm換算で約112-480mm相当の写真になります。


まずは、絞り値別の解像度のチェックです。


広角側70mmでF4、F8、F22で比較してみます。?こちらの写真の真ん中にあります、赤い四角い部分をトリミングして拡大してみます。




こちらが開放F4の写真です。少し収差による滲みが見れますが、開放値のF4と考えれば、中々の解像度です。




続いて、F8です。やはりF4と比較して、かなり解像度が増しています。遠景の撮影ではこのあたりが一番、おいしい絞り値です。




こちらがF22の写真です。やはり回折現象の影響で解像度が落ちてしまっています。

キヤノンの純正レンズの場合、キヤノンの画像編集ソフト「Digital Photo Professional」に入っている「デジタルレンズオプティマイザ」という機能を使えば光学的な収差や回折を補正してくれるんですが、今回はタムロンのレンズですので「Digital Photo Professional」での補正はできません。

「Digital Photo Professional」の「デジタルレンズオプティマイザ」の効果については以前、書かせて頂きましたEF70-200mm F4L IS USM使用レビューにありますので、ぜひご覧ください。


続いては、ボケ味のチェックです!


焦点距離300mmで開放絞り値F5.6の写真です。

今回の撮影は60DとAPS-Cサイズのセンサーサイズなので周辺部の収差はチェック出来ませんが、背景の光源に口径食が出ています。



前ボケ、後ボケ共にザワつきもなく綺麗にボケてくれます。


その他、撮影してきた写真を張らせていただきます。



焦点距離70mm ・ISO400 ・1/8000秒 ・F4で撮影




焦点距離70mm ・ISO400 ・1/8000秒 ・F4で撮影



焦点距離70mm ・ISO 1600 ・1/6秒 ・F7.1で撮影


今回、「タムロン SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD」を使用して感じたことは、全ての焦点距離で解像度も高く、シャープで高コントラストな写りをしてくれる、素晴らしいレンズと感じました。

ですが、気になった点もいくつかあり、キヤノンで使用する際のズームリングの方向が逆ということ。

キヤノンの画像編集ソフト「Digital Photo Professional」に入っている「デジタルレンズオプティマイザ」が使えない、といった所が気になりました。

この問題は純正メーカーではない、レンズメ―カーとして、しょうがないことなので多少の妥協が必要かも知れません。


これらのことを踏まえても、素晴らしい描写でお手頃価格なので、望遠レンズをお考えの皆さま、ぜひ一度「タムロン SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD」を検討してみてはいかがでしょうか。