こんにちは。 カメラ担当の池田です。
なかなか撮影に行く機会がなくて、久しぶりの商品レビューとなります。
今回ご紹介するレンズは、ニコンAF-S300/4E VRです。
このレンズの一番の魅力は何と言っても大きさです。
今まで発売されていたAF-S300/4Dと比較をすると、その差は歴然です。
左がAF-S300/4Dで重量は1440gで手ブレ補正機能もありません。そして右が今回ご紹介するAF-S300/4E VRで重量はなんと755g!今までのモデルの約半分の重さで、とてもコンパクトになっています。しかも手ブレ補正機能付き。
小型、軽量の設計にはなっていますが、画質が劣っていることはありません。逆に良くなっているくらいです。
その理由は、ニコンが開発したPF(位相フレネル)レンズを採用しているから。このPFレンズは光の回折現象を利用して色収差を補正するレンズで、PF素子と通常のガラスレンズを組み合わせることで、抜群の色収差補正能力を実現しています。
PFレンズの光学技術のことを、ここで書いても理解しにくいのでこれ以上は書きませんが、とにかくPFレンズはコンパクトで描写力の優れたレンズだと言うことです。
今回はこのAF-S300/4E PF VRを持って、冬景色を撮影してきましたので、その使用レビューを書いてみたいと思います。ちなみにカメラはD810です。
まずは描写力のテストから・・・
F4 ISO100で撮影。 滋賀県高島市マキノにて。
開放F4での遠景の撮影です。中心部分を拡大してみます。
開放での撮影ということを考えると、とても解像力が高いと思います。
続いては少し絞った写真・・・
F8 ISO100で撮影。
同じく拡大してみます。
F4でもかなりの解像力でしたが、F8まで絞ることでさらにシャープで解像力の高い描写になりました。山の木々までしっかり描写されています。絞り開放でも十分使えるレンズですが、遠景の撮影ではF8ぐらい撮影すると良いのではないでしょうか。
描写力の高さを証明したところで、この日撮影した画像をご紹介いたします。
F8 ISO100で撮影。 滋賀県高島市新旭にて。
東の空には厚い雲があり、朝陽を見る事ができませんでしたが、時間が経つにつれ、雲の隙間から少しづつ光が入り始めました。この写真は手前の杭のようなものにピントを合わせて撮影しています。望遠レンズならではの圧縮効果で、雲の隙間から光が射す湖面を表現してみました。
F8 ISO100で撮影。 滋賀県高島市新旭にて。
上の写真と同じ場所から撮影したものです。太陽は雲の層を抜け出し、強い光で湖面を輝かせています。この逆光のようなシーンでも、ナノクリスタルコーティングのおかげでゴーストやフレアはなくキレイな描写をしてくれました。いつも思いますが、ニコンのナノクリはやっぱりスゴイ!!
F4 ISO100で撮影。 滋賀県高島市新旭にて。
足元に目を向けると、雪の中に枯れ草を発見!背景の雪の輝きがキレイだったので、この枯れ草を主役にして撮影してみました。このレンズの最短撮影距離は1.4m、最大撮影倍率は0.24倍ということで、花などの植物を撮るのにも最適です。背景のボケは単焦点ならではのやわらかくて美しいボケ味。単焦点沼にハマってしまいそうです(笑)
F8 ISO100で撮影。 滋賀県高島市マキノにて。
畑に薄っすら積もった雪。このモコモコっとした感じが個人的には大好きです。この写真は拡大はしませんが、雪の質感や輝き、そして私が表現したかった立体感が見事に表現されました。
F8 ISO400で撮影。 滋賀県高島市マキノにて。
ここは棚田のようになった田んぼとその影が美しくて撮影しました。手前の田んぼの畦にピントを合わせ、背景の棚田を少しボカしてます。この滑らかでやわらかいボケは良いですね。
F8 1/1000秒 ISO400で撮影。 福井県南越前町南今庄駅にて。
最後は動体の撮影。私の大好きな鉄道です。この南今庄駅は北陸トンネルを抜けたところにある山間部の駅で、積雪量の多い所です。狙いは雪の中を疾走する特急列車。オートフォーカスも速くて、動く被写体もバッチリ捉えることができました。
今回はFXフォーマット(フルサイズ)のD810に装着しましたが、DXフォーマット(APS-Cサイズ)カメラ、特にD500やD7200との組み合わせでも使ってみたいですね。電磁絞り機構で高速連写でも安定した露出が得られますので、野鳥や飛行機などの撮影にもオススメの1本です。
以上、使用しての感想は、とにかく軽量コンパクトで機動性、携帯性に優れた1本だということ。。単焦点ならではの描写力とボケはとても優秀。300mmの単焦点ということで、ズームレンズ慣れした私に使いこなせるか心配でしたが、意外と使うシーンが多く、改めて単焦点の良さを再認識いたしました。
ズームレンズ派のみなさん、一度単焦点レンズを使って魅力を感じてくださいね~。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで