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オリンパス PEN-F 使用レビュー

今回ご紹介するのは、オリンパスPEN-Fです。この名前を聞いて、ピンッときた方は多いのではないでしょうか。

そうです、同メーカーが1963年に世界最初のハーフ判一眼レフカメラ「オリンパスペンF」と同じ名前のデジタルカメラなんです。

1963年に発売された「オリンパスペンF」も当時の新機構を多く内蔵した画期的なカメラだったのですが、今回のデジタル版「PEN-F」も沢山の新機能が搭載されています。

 

シボ革

前面ダイヤル

パッと見た感じでは、デジタルカメラとは分からないほどクラシカルなつくりになっています。1963年発売のフィルム「オリンパスペンF」にそっくりで、ボディ前面に付いていたシャッタースピードダイアルと同じ位置にダイアルがついていたり、バリアングル液晶を裏返して折りたたむと全面シボ革になりフィルムカメラの様な外観になったりと、そのデザインからPEN-Fに対する、オリンパスの想い・・・ペンシリーズ、OMシリーズを生み出した伝説的設計者、米谷美久氏へのオマージュと言い切ってもイイくらい素晴らしい造りと遊び心にあふれた仕上がり。

早速、簡単なスペックです・・・

①PENシリーズ、初のEVF内蔵

236万ドット有機EL、ファインダー倍率1.23倍と高コントラスト、高精細のとても視認性の高いファインダーです。
配置もOM-Dシリーズと違い左寄りですが、ファインダーを覗いてかまえた時に、シャッターなど各操作系と干渉せずバランスはとてもイイ感じ。

②新開発20M Live MOSセンサー

これまでラインアップされているオリンパスのカメラで最高画素数は、「OM-D E-M1」の1628万画素でしたが、PEN-Fでは有効画素数2030万画素のセンサーが搭載されています。

それに伴い、ハイレゾショットも40M(OM-D E-M5 Mark2搭載)から50Mとさらに高解像になっています。

③世界最高レベルの手振れ補正効果

5段5軸の手振れ補正でファインダー像を安定させ正確なフレーミングが可能です。また、ボディ内手振れ補正なのでオールドレンズを含むすべてのレンズで手振れ補正の効果を発揮します。

④「クリエイティブダイヤル」「カラー/モノクロプロファイルコントロール」で思い通りの作品作りが可能

3枚目の写真に写っているボディ前面に位置するのが「クリエイティブダイヤル」です。このダイヤルでCOLOR(カラー)MONO(モノクロ)ART(アートフィルター)CRT(カラークリエイター)の四種類を瞬時に変えることができます。さらに、COLOR、MONO設定時にモードダイヤル下のレバーを動かすと「カラープロファイルコントロール」「トーンカーブ」「シェーディング効果」等、細かな設定を行えるので自身の好みに合った絵作りを楽しむ事ができます。

⑤10コマ/秒の高速連写が可能

最大10コマ/秒のフォーカス固定連写と最大5コマ/秒のAF追従連写を搭載と動きものにも対応できます。同社のOM-Dシリーズのフラッグシップ機E-M1も最大10コマ/秒と考えると、その凄さがわかりますよね。

などなど紹介したい機能が山ほどあるんですが、どんな写真が撮れるのか試写してきたので紹介させて頂きます。使用レンズはキットレンズでもある「Mズイコー デジタル ED 12mm F2.0」です。

 

まずは、高感度チェックです。

この写真の中央部辺り、黄色い四角の部分を感度別にトリミング拡大表示で比べてみます。絞りは全てF5.6です。

ISO1600 F5 四角

以下、トリミングした写真です。

ISO3200 トリミング

ISO3200

 

ISO6400 トリミング

ISO6400

 

ISO12800 トリミング

ISO6400

 

ISO12800 トリミング

ISO12800

 

ISO25600 トリミング

ISO25600

 

感度ISO6400までが常用感度といったところです。それ以上になると感度に比例して画質の劣化がみられますが、ノイズリダクション効果で解像感の大きな劣化は見られません。それよりも色調の崩れの方が気になる結果になりました。

 

続いては50Mハイレゾショットの解像度を見てみます。

ハイレゾ 前 四角

この写真の中央部、黄色の四角をトリミング拡大で比較します。

 

ハイレゾ 前 トリミング

ハイレゾショット前 20M

 

ハイレゾ 後 トリミング

ハイレゾショット後 50M

さすが50Mの高精細画質といった写りです。他社のフルサイズセンサーのカメラも上回る解像感です。ですが解像度は高いものの、ブレにかなりシビアでカメラは完全に固定させないと、本来のハイレゾショットの高精細な描写は出せません。被写体や天候の見極めが重要です。

 

以下、「アートフィルター」「プロファイルコントロール」「トーンカーブ」等、機能を使用した作例です。

P2070018

「ISO200 F2 1/6400秒」 設定ノーマルで撮影

 

P2080086

「ISO200 F8 1/125秒」 アートフィルター「デイドリームⅡ」

 

P2080142

「ISO400 F13 1/320秒」 モノクロプリセット3「クラシックフィルムIR」+粒状フィルム効果「大」

 

P2080133

「ISO400 F11 1/400秒」 アートフィルター「クロスプロセスⅡ」

 

シェーデイング

「ISO200 F9 1/250秒」 モノクロプリセット3「クラシックフィルムIR」+粒状フィルム効果「大」+シェーディング効果マイナス

 

逆シェーディング

「ISO200 F8 1/500秒」 モノクロプリセット3「クラシックフィルムIR」+シェーディング効果プラス

 

ローアングル

「ISO200 F8 1/2000秒」 モノクロプリセット1

 

P2080162

「ISO400 F13 1/320秒」・カラープロファイルコントロール「イエロー+1」・トーンカーブ「ハイライト+1、シャドウ+1」

 

今回撮影してみて、このカメラはカラーバランス、トーンカーブ等をその場でその瞬間、画面で確認しながら撮影できるので「写真を撮る」というよりも「作品を創る」という楽しみ方が出来るカメラです。

 

正直、今までM4/3(マイクロフォーサーズ)のセンサーサイズでは小さすぎるのではないかという思いがありましたが、高い高感度耐性やハイレゾショットの高精細な描写はフルサイズセンサーを積んだカメラと、それほど大差が無いように感じました。

また、最近ではM4/3マウント対応の大口径レンズも数多くラインナップされているので、大きな背景ボケも出すことが出来たりと、十分にメイン機として使うことのできる素晴らしいカメラに仕上がっています。

 

 

 

 

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