フジ XF100-400mm/4.5-5.6 R LM OIS WR 使用レビュー

こんにちは。 カメラ担当の池田です。
ちょっとサボっておりまして、久々の商品レビューとなります(笑)

さて今回ご紹介する商品は、フジフィルムの新製品レンズXF100-400/4.5-5.6R LM OIS WRです。

Xシリーズの超望遠レンズとして2016年2月18日に発売されました。35mm換算で152~609mm相当をカバーします。

主なスペックは・・・

①5段分の手ブレ補正機能

②リニアモーターによる高速静音オートフォーカス

③色収差を低減するEDレンズを5枚、スーパーEDレンズを1枚と贅沢に使用

④防塵・防滴、-10℃の耐寒性能

⑤最短撮影距離1.75m 本体重量1.375g(フード、キャップ、三脚座を除く)

などなどです。


実写レビューの前に、このレンズのフードについて少し書いておきます。


このレンズフードは、フード装着したままでもPLフィルターなどを回転させるのに便利な窓が付いています。風景写真などを撮影する方にはとてもありがたい構造ですよね。


それでは実写レビューといきましょうか。

今回はこのXF100-400/4.5-5.6R LM OIS WRを持って、和歌山県へ撮影に行ってきました。

最初の目的地は御坊市を走る紀州鉄道。御坊駅から西御坊駅までのわずか2.7kmを結ぶ短いローカル線です。

まず終着駅でもある西御坊駅で列車を撮影。画角比較としてもご覧ください。


400mm F6.4で撮影。

家の軒先をかすめるように走る列車を、望遠レンズならではの圧縮効果で狙いました。この写真に写っている列車、実はひとつ前の駅に止まっています。列車がやって来る気配を感じていないのか、手前には猫がレールの上を歩いています。こんな写真表現ができるのも、超望遠レンズの魅力ですね。そして忘れてはいけないのが手ブレ補正。400mmでの撮影ですがまったくブレていません。5段補正は強力です。



190mm F6.4で撮影。

ズーム中間域190mmでの撮影です。この焦点距離でも圧縮効果で望遠ならではの表現は可能です。手前のレールのボケ味も自然でキレイです。この写真は列車が手前の駅を出発してから、シャッターを切り続けているのですが、リニアモーターのおかげか、オートフォーカスが速く、ピントを外している写真はありませんでした。



107mm F5.6で撮影。

この焦点距離になると、圧縮効果も薄れて、ボケ量も小さくなります。4倍ズームですが、これだけ印象の違った写真を撮ることができる素晴らしいレンズです。


少し場所を変えて・・・


301mm F5.6で撮影。

ここでは、前ボケをテスト。線路脇に咲いていた菜の花を前ボケにして、列車を狙いました。春らしさを表現するため、少し露出はオーバー目にしています。やはり超望遠レンズ、ボケ味もキレイですね!それほど菜の花に近づいていないのに、このボケ味。かなり使えます。


紀州鉄道の撮影を終え、次に向かったのは由良町にある白崎海岸へ。

ここは、石灰岩の白い岩と青い海のコントラストが美しい所で、「日本のエーゲ海」とも言われているようです。確かに海岸線を車で走っていると、突然風景が変わり、その美しさには感動します。

残念ながら、画角的に難しくてXF100-400でその美しい白い岩の写真は撮っていません。でも、違うレンズで撮影した写真がありますのでご紹介いたしますね。


こんな感じの美しい場所です。ちなみにレンズはフジXF18-55/2.8-4です。


ここでの目的は白崎海洋公園内にある展望台からの遠景撮影です。


400mm F11で撮影。

太陽に照らされた大海原をいく船。はるか彼方にある船ですが、細部までしっかり描写され、解像度も文句なしです。また、水平線は歪むことなく描写してくれました。



400mm F8で撮影。

展望台から少し場所を変えて、海岸線の道路から小さな漁船を撮影してみました。被写体との距離も近い場所で、船のスピードもそれなりに速かったのですが、オートフォーカスが速く、何の問題もなく快適に撮影できました。EDを贅沢に使用しているので、拡大して画像チェックをしても、望遠レンズで発生しやすい色収差は見当たりません。


そして最終目的地、湯浅町栖原の海岸へ。ここで夕陽を狙います。


100mm F8で撮影。

まだ太陽の位置が高かったので、海面の輝いた部分を撮影しています。太陽直接ではないものの、かなり強い光でしたが、ゴーストやフレアはでていません。そして100mm側でも水平線の歪みはありません。もともと望遠レンズでは歪曲収差は少ないものですが、ここまで少ないとは思いませんでした。フジフィルムさんの技術に拍手ですね!



204mm F8で撮影。

漁船がやってきましたので、シルエットにして狙いました。オートフォーカスの速さは何度も書いてきましたが、400mmにして1.4kg以下という重量はとても機動力がありました。ですからこのような突然やってくるシーンでも快適に撮影できるのです。



400mm F5.6で撮影。

夕陽を撮影していて足元で見つけた菜の花。望遠レンズ=遠くを撮るだけではありません。近くのものも大きく写すことができるのです。このレンズの最短撮影距離は1.75mということで、この菜の花でテスト撮影してみました。円形絞りを採用していますので、背景のボケ味も滑らかでとてもキレイです。花の撮影でも活躍しそうです。


以上、この日の最大の目的でありました夕陽は、日没直前に西の空に厚い雲がかかり、残念ながら丸い太陽(夕陽)を撮ることはできませんでした。本当は逆光性能も見るために、撮りたかったのですが、天候は思い通りにはなりませんね~。

このレンズを使って感じたことは、X-T1にこのXF100-400を装着しても、2kg以下と言うことで機動性が良く、オートフォーカスも速く快適に撮影できました。超望遠レンズには必須の手ブレ補正効果も強力で、今回の撮影でブレた写真はほとんどありませんでした。諸収差も良好に抑えられており、描写力も満足できるものでした。

あえて注文をつけるとしたら、最短撮影距離が1.75mと少し長いこと。キヤノンのEF100-400は最短撮影距離が0.98mと短く、フジより接写に強くなっています。ここはもう少し頑張って欲しかったと思いますね。


色々個人的な意見を書きましたが、野鳥や飛行機、鉄道、花、そして風景とオールラウンドに使える1本です。


この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで